表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【爆撒英雄サトルのガイア建国記】  作者: 池上雅
第2章 銀河宇宙篇
293/325

*** 293 神界未認定世界の紛争世界救済計画 ***

 


『銀河救済機関』の活動は順調に進んでいた。


 試練克服困難世界500は既に全ての世界が合格確実と認定され、平均食料自給率は100%を超えたそうだ。


 神界認定世界8800万のうち、救済要請のあった約45万の世界についても緊急度ランクA以上の救援は全て終了し、現在ではより緊急度の低いランクB以下の世界への対処が行われている。


 さすがに神界認定世界だけあって『紛争』による危機はほとんど無く、主に自然災害による食糧危機だったため、救済は容易だった。

 3件程紛争発生があったものの、『ガイア国巨獣・巨人部隊』1個小隊50名を派遣したら、紛争当事者双方が全面降伏して紛争はすぐに終結したからな。


 まあアイツら見た目は相当にコワイしさ。

 それに最高強度の絶対アブソリュートフィールドで守られてるから、ミサイル程度じゃ蚊が刺したほどにも効果が無いんだ。

 さすがに実験はしていないけど、ケイちゃんたち(ケイ素生命体の俺の諮問機関メンバーのことな)によれば、たとえ核ミサイルを喰らってもヘーキじゃないかってことだそうだわ。


 それにヘタに手を出そうものなら、後ろに控えてるガイア国全軍が出張って来るかもしれないし……

 まあ、あの旧神聖騎士団との戦争映像は、銀河人の8割が見てたそうだからなぁ……



 また、神界未認定の知的生命自然発生世界60万のうち、『知的生命脅威度ランキング表』に載っていたランクB以上の自然災害&飢饉世界20万の救済も順調だ。


 救済行動発動以来飢餓死の報告は無いし、食料自給率も50%ほどにまで回復しているそうだ。

 現在もそれら世界にはAI部隊が駐留して、食料援助や農業指導を続けてるし。



 ということでだ。

 残された今後の救済対象は、神界未認定の知的生命自然発生世界のうちの紛争世界8万のみということになったんだ。



 俺とアダムとケイちゃんたちと会議をしていた。


「それじゃあ今日は、神界未認定世界の紛争世界8万をどう救済するかについて議論するとしよう」


(紛争世界につきましては、自然災害&飢饉世界ほどの緊急度はございません。

 ですがやはり、罪業カルマポイントの発生数には無視出来ないものがございますので、速やかな対応が望まれます)


「そのうちのヒト族惑星7万5000については、今までと同じ対応で行けるかな。

 アダム、AI族の準備の方は大丈夫か?」


(『使徒養成・派遣機関』発足時には1000人のAIで500の世界に対応致しました。

 現在ニューガイアには650万人のAIがいて、そのうち450万人が実戦部隊に所属し、120万人が訓練中でございますので、充分に対応可能かと……)


「それにしても増えたなおい!」


(すべてはサトルさまのおかげでございます。

 まだ続々と銀河宇宙からの移住が続いておりますし)


「うーん、それは実に頼もしいことだなぁ」


(痛み入ります……)


「それじゃあケイちゃん。

 後5000のヒト族以外の紛争世界についてはどうする?」


(それについてなのですが……

 やはりヒト族世界とは異なった対応が求められるのです)


「どういうことだ?」


(その5000の紛争世界のほとんどは、肉食獣系などの攻撃性の高い生命体の星なのですよ。

 彼らの本能として、『最も強い個体が群れを統べる』というものがございます。

 ですから、仮に一般の民を王族や貴族から分離させて新たな国を造ったとしても、その国の中で王権を巡って同様な争いが起きてしまうのです)


「それじゃあどうしたらいいのかな?

 どうもヒト族以外の連中には馴染みが無いんでな」


(やはり最善の策は、『圧倒的強者』を送り込んで、その者を『絶対君主』として善政を布かせるのが最善かと……)


「『最良の政体とは善意の絶対君主による独裁制』ってぇやつか。

 でも、そいつが惑星を統一して平和な国を造ることに成功したとして、暴君に豹変しないようにする方法は?

 それからそいつの死後の後継者問題はどうする?」


(その双方の問題を解決するためには、その世界の住民に酷似したAI族の強力な生体型アバターを造って送り込むのがベストでございましょう)


「生体型か……

 そんな強力なアバターを造れるかな?」


(よろしければ、惑星イルシャムの技術者たちをご紹介願えませんでしょうか。

 僭越ながら我ら珪素生命体がアイデアを提供して設計し、彼らの遺伝子工学技術で開発を試みたいと存じます。

 また、その際にはサトル神さまの『転移の魔道具』、『絶対アブソリュートフィールドの魔道具』、『重力制御の魔道具』、『慣性制御の魔道具』などの『魔道具シリーズ』もご提供願えませんでしょうか)


「ああいう『魔道具』に類似した銀河製品って無いのか?」


(一部にはございますが、それでもやはりサトル神さまの魔道具は格別でございます。

 中には物理法則を完全に無視したものもございますので……)


「そ、そそそ、そうか……

 やっぱり『神力』とか『天使力』って凄いんだな……」


(それからもうひとつ、そのアバターには、『サトル神さまの御心』も移植してやりたいのです)


「俺の心?」


(はい)


「そんなことが出来るのか?」


(もちろん実際に試したことはございませんが、かなりの確率で可能と存じます。

 まあ、心と言うと極端な表現になるかもしれません。

『薫陶』と言い代えさせていただきます)


「薫陶ねぇ……

 ま、まあ任務に邪魔にならなければいいけど。

 あ、それで後継者問題はどうするんだ?

 いくらなんでもそいつが500年も1000年も王のままでいるのは無理があるだろ」


(その種族の平均寿命の3倍程までは『神の加護』ということで統治させましょう。

 それ以降は、サトル神さまがまた後継者を派遣してやって、王権を交代させればよろしいかと……)


「なるほどな。さすがはケイちゃんだな。

 それじゃあアダム、イルシャムの技術者集団を雇って、珪素生命体とのオンライン網を構築しておいてくれ。

 研究開発予算は無制限だ」


(畏まりました)


「それじゃあその、『絶対強者アバター』の開発を頼んだぞ」


(はい)






 ということで、そのアバターが開発されるまで少し時間が出来たんで、俺は奥さんたちと少し休暇を取ることにしたんだ。



「なあアダム、ニューガイアのAI街を見学に行ってみてもいいかな」


(皆喜ぶでしょう。

 現在は訓練中のAI120万のうちの休暇中の者と、残り80万の子供たちとその教育係しかおりませんが)


「それでも充分だろう。

 それじゃあ明日見学させてくれ。

 あ、『お忍び』で頼むわ。歓迎行事とかは要らないから」


(畏まりました)




 翌日。

 俺は、奥さんたちと5人でニューガイアにあるAI街を非公式訪問したんだよ。


 俺たちの容姿はAIのアバターたちとほとんど変わらないため、訪問をお忍びにするのに問題は無かったわ。



 俺たち5人はアダムの案内で街の中央広場に転移した。


 いや増えたね、AIのアバターたち。

 中世ヨーロッパ風の瀟洒な大都市の中に、膨大な数のアバターがいるんだわ。

 みんな家族連れだったりカップルだったりして、楽しそうに歩いてるぞ。



 俺たちもゆっくりと歩きながら街を見て行った。


 公園で幼児っぽい外見のミニAIのアバターたちが遊んでるわ。

 周囲のベンチではお父さんやお母さんらしきアバターが、にこにこしながら子供たちの様子を見ているな。


 あ、あそこ、お父さんとお母さんがいちゃいちゃし始めた……

 お母さんがお父さんのひざの上に乗って抱きついてる!

 あー、なんか濃厚なキスまでしてる!


 おいおい、子供たちが集まって来てガン見してるぞ!

 あ、子供たちもマネしてキスし始めた!

 それを他の大人たちも微笑ましそうに見てる!

 あ、他の大人たちもキスし始めた!

 おいおいそこ! 服の中に手を入れ始めたぞ!



「な、なあアダム、ここのAIたちってなんかむちゃくちゃ仲がいいって言うか、エロいって言うか、開放的じゃないか?」


「それはもちろん、大敬愛するサトル神さまと奥さまたちを見習ってのことでございましょう」


「げげっ!」


 あー、奥さんたちが抱きついて来たよ……

 妊娠中でしばらく出して無かったフェロモンも全開だわー。


 それにしてもみんな胸大きくなったよな。

 もう完全にお母さんのおっぱいか……



 しばらくして奥さんたちが落ち着くと、俺たちはアバターたちで賑わう大通りを歩いていった。

 どの店もレストランもカフェも、楽しそうなカップルや家族連れでいっぱいだ。



「なあアダム、あの列を作って引率されてる若い連中はなんなんだ?」


「はいサトルさま。

 あれは見習いAIのアバターたちのAI街見学会です。

 見習い期間を終えて一人前になり、相手を見つければこの街に住めるぞと教えてやっているのです」


「ほほー」


「おかげさまで、見習いアバターたちの就労意欲がケタ違いに上がりました。

 今やこの街は、全銀河のAIたちの憧れの街となっているようでございます」


「よくやったな、アダム」


「いいえ、全てはサトルさまの思し召しでございます……」



 街の神殿では大勢の仲間たちに囲まれたカップルが結婚式を挙げていた。

 彼らを見守るのは俺と奥さんたちの巨大な石像である。


 あっ! 

 い、いくらなんでも俺のちんちん、あそこまで大きくないぞっ!

 あれじゃあアゴの下まで届いちまうじゃねぇかっ!

 だ、断じて俺はひとり○ェラとかやらないからな!



 俺たちはアダムの案内で、街一番とされるレストランで食事を取った。

 なんでも予約は上級AI優先だとかで、かなり瀟洒な雰囲気だったわ。


 さすがはそんなレストランの支配人でさ。

 俺の顔を見るなり、目を見開いて跪いてたよ。

 アダムになにやら耳打ちされて、黙って目礼して厨房に入って行ったけど。



 料理は実に素晴らしかった。

 俺たちがお忍び訪問することもあるかと、アダムからの情報で料理長が俺たちの好みの味も研究していたそうだ。


 美味しい食事にすっかり満足した俺は、レストランから見える風景について聞いてみたんだ。



「なあ、あそこに見える大きなピンク色の建物ってなんなんだ?」


「あれは研修所でございますね。

 惑星スキモーノのセクサロイドAIのお嬢さんたちが50名ほど移住して参りまして、『エッチ研修所』を始めましたところ大盛況となっております」


「げげっ!」


「例の銀河中に広まりつつある、『VRでもリアルでも、あなたのパートナーを気絶するまで可愛がってあげるためのテクニック講座♡』を中心にした研修でございます」


「げげげげっ!」


「あなたさま。

 われら4人もあそこに通うて研修を受けております。

 無事出産の後には、楽しみにしていてくだされ♡」


「本当にいろいろな技があって勉強になりますわ♡」


「教わったことを、実際に試してみるのがとっても待ち遠しいの♡」


「きゅ~~~~~~ん♡」



「げげげげげげげげ……」


「そうそうあなたさま、悪魔族の娘たちも全員熱心に研修を受けておりますのでな。

 ご任務遂行に余裕が出来ましたならば、今晩あたりからそろそろ相手をしてあげてやっては頂けませんでしょうか……」


「げーげげげげげげげげげげげ……」





 ということでさ、俺はその日の夜から神域で悪魔っ娘たちに囲まれることになっちゃったんだ……


 ほんとにいいのかね、って随分悩んだんだけど、そんなふうに悩んでるのってどうやら俺だけだったんだ。

 やっぱりまだ俺だけヒト族の意識の意識を引きずっているんだな……



 それでさ、

『一生の思い出に一度でいいから子作りの練習をして貰いたい♡』

 っていう娘が30人いたろ。


 それから『初めての子作りの練習をして貰いたい♡』が30人。


 さらに、『初めての子作りの練習をして貰った後』は、『ずっとお傍でお仕えしたい♡』が30人、『5番目以降で構わないので奥さんにして貰いたい♡』が30人、『エッチなペットになりたい♡』が30人いたろ。


 それがさあ……

 全員とひととおり『子作りの練習』したら、150人全員が『エッチなペットになりたい♡』に変わっちゃったんだわー。


 なんか俺のちんちん、知らないうちにヘンなスキルでも獲得してたんか?



 それで4人の奥さんたちにも相談してみたんよ。


「ん万年生きて来た神である我らですらそう思うのですから、当然のことでございます♡」


「その気持ちはよくわかりますわ♡」


「まあ当然よね♡」


「きゅ~~~~ん♡」


 だってさ……



 それにしてもこれ……

 もしも悪魔っ子たちがみんな中級悪魔に昇格したら……

 俺の子って300人超えるんじゃね?


 それからさ、俺ちょっと心配だったんだわ。

 残りの悪魔族の男の子150人のことが……

 だって、もしかしたら150人の女の子の中に、好きな子とかいたかもしれないだろ。

 それに俺が女の子たちばっかり可愛がってると思ってるかもしれないし……


 それでまあ俺の権限で全員を初級悪魔に昇格させた後で、恐る恐るみんなと話をしてみたんだよ。


 そしたらさぁ、やっぱりというかなんというか、彼ら悪魔族には『嫉妬』とか『浮気』とかいう感情が無かったんだ。

 それどころか、無茶苦茶に感謝されちゃったんだ。


 考えてみれば、彼らは俺がヒト族の頃にここガイアに呼んだわけだ。

 それが神に昇格するまでずっと俺の傍で働いてくれてたよな。

 だから、彼らの社会では『主をヒト族から神にまで出世させた配下』っていう扱いになるんだと。


 おかげで、たまの休暇で悪魔族の星に帰ると、惑星大統領主催のディナーに招待されるわ一族の宴会では長老の隣に座らせられるわで、もう完全に英雄扱いなんだそうだ。


 なんか全員が次の次の次の一族の長に内定してるそうだし……

 中級悪魔昇格後には、子孫を残す相手の女の子にも絶対に不足しないそうだし……

 それどころか、彼らの社会では英雄の特権として、男の子も女の子も子供を何人でも作っていい権利を既に惑星政府から与えられてるそうだし……



 まあ実際に彼らはよく働いてくれたからな。

 それぞれが数千万数億の幸福ハピネスポイントに貢献したと言ってもいいだろう。


 ま、まあみんな幸せならそれでいいか……

 ああそうだ、ついでに悪魔族の星に感謝の印として10兆クレジットばかり寄付しておこう……




 そうこうしているうちに、ケイちゃんたちと惑星イルシャムによる『絶対強者アバター』の開発が終わったようだ。


 それじゃあそろそろ、神界未認定世界の紛争世界のうちのヒト族以外の5000の世界に対する救済を始めるとするか。



「おいアダム、『絶対強者アバター』に対する支援体制は整ってるか?」


(はい、それぞれ各員に集団戦の為のアンドロイド特殊部隊1個師団も含めAI軍9個師団が随行することとし、全体で計5万個師団の出撃態勢が整っております。

 また、『銀河救済機関』ガイア本部との直通転移網の構築も終了し、補給軍の準備もすべて整いました)


「さ、さすがだな。

 それじゃあ早速救済作戦を始めるとするか」


(畏まりました)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ