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【爆撒英雄サトルのガイア建国記】  作者: 池上雅
第2章 銀河宇宙篇
283/325

*** 283 ヒト族以外の妄想情報 *** 

 


 いやすんげー面白かったわ。

 ヒト族以外の連中の欲望まみれの妄想エッチ。


 獣人系の奴らなんか、普段は後背位がふつーだろ。

 だから正常位がヘンタイ的な体位になるんだよ。

 正常位でされちゃってる女の子が、「ああ、こんな恥ずかしい恰好でエッチされるなんて……」とか言ってるんだもんな。

 ぶははは。



 ただ肉食獣系の獣人たちは、どうしても闘争本能が抑えられないみたいなんだ。

 だから群れのボスを決める戦いをやって、それに勝ち残った結果ハーレムの主になるっていうゲームが大流行してたわ。


 まあ死にはしないけど、殴られれば実際に痛みを感じたり相手を殴った拳が痛んだりするんだもんなあ。

 ユーザー補正で一生懸命頑張ればそのうちボスになれるし。


 見た目小柄で華奢な男の子が、共通世界のオンラインゲームの中では無敵のボスとして君臨してたりするそうだ。

 それでその子、リアルでもモテるようになって嬉し泣きしてるらしいぞ。


 おかげで実際の社会での暴力衝動が激減して、急速に治安が良くなっていってるらしいな。




 草食獣系の住民たちの星では、2つの点で俺のゲームが大ヒットしたそうだ。


 まず人気が出たのは『発情期対策』だったんだよ。

 連中、年に一度の発情期があって、それ以外の時期にはほとんど性欲なんか無いんだけどさ。

 でも発情期の2週間ぐらいは、もうみんな仕事休んで悶々としてるそうなんだ。


 ただ、もう子供が何人もいる夫婦がハッスルしちゃっても人口爆発で困るだろ。

 さらに、第2次性徴は迎えててもまだ法定結婚許可年齢に届いていない中高生なんかは、さらにタイヘンらしいんだ。

 だから俺のゲームは発情期ごとに爆発的に売れるそうな。


 なんか10歳になったお祝いに、おじいちゃんやおばあちゃんたちから、俺のVRゲームをプレゼントされるのがスタンダードになりつつあるそうだな。



 それから大人気になった2つ目の点。

 それは、VR世界で食べる料理だったんだ。


 ほら、セルロースを分解して栄養に出来る草食動物にとっては、自然界って半分食料で出来てるようなもんなんだよ。

 俺たち置き換えてみれば、空き地や野原におにぎりやパンが生えてるようなもんだ。


 だからさ。

 却って『料理』っていう文化が発達してなかったらしいんだ。

 米を炊いて、でんぷんをアルファ化して食べる必要とか無かったから。

 まあ野菜を煮たり焼いたりぐらいはしてたみたいだけど、調味料も塩以外はほとんど無かったし。


 まあそれでも肉食にはやや忌避感が強かったそうなんだけどさ。

 まず大流行したのが『シーフードカレー』だったらしい。

 どうやら海の幸には抵抗が無いらしいな。


 次に彼らがハマったのは、やっぱりラーメンだったんだ。

 それもシンプルなしょうゆ味で、油も植物性でチャーシューも乗って無いやつ。


 特にメンマは衝撃だったらしいぞ。

『あんな固くて青臭い植物が食べられたのか!』って……

 パンダ族の星では『なにをいまさら』って言ってたそうだけど……


 パンダ族の星あるんか……

 2足歩行のパンダが幼稚園に行って、お遊戯とかしてたりするんか……

 美樹とか連れてってやったら狂喜乱舞だな……

 また『わたちも白黒になりたい』とか言うんかね?




 昆虫系種族たちの社会では、アニメが大流行してるそうな。

 自分たちが優しげな姿に擬人化されて仲良く暮らし、家族や社会を作るほんわか系アニメゲームが一番人気らしい。


 それでアダムに言って、ガイアの子供たちに大人気の昆虫たちが主人公のお話もインストールしてやったんだ。



 あの超人気シリーズは、最初は猿人族ワーエイプの娘たちのボランティアから始まったんだよ。

 その娘たち、俺が地球から持ち込んだ絵本が気に入ったみたいで、子供たちにも見せてやりたいって、幼稚園や小学校を回って絵本を読んであげてたんだ。


 でも絵本だと大勢の子供たちが絵を見られないだろ。

 たまたま俺が視察してるときにその様子を見かけたもんだから、紙芝居っていうものを教えてあげたんだ。


 そしたらその娘たち、自分で絵本を見ながら絵を描いて、紙芝居を作っちゃったんだよ。

 これがまあ子供たちに大ウケでさ。

 それでとうとう自分たちでお話も作るようになったんだ。



 特に人気が出たのが『みつばちのきょうだいたち』っていう作品だ。

 いまや、ガイアではシリーズものになってて、アニメ化もされてるからな。

 おかあさん(女王蜂)に死なれちゃって、それでも力を合わせて生きて行こうとする幼いみつばち兄弟たちの物語だ。


 あれさー、すごいんだよ。

 見てる幼児たちがみんな号泣しちゃうんだもんな。

 つきそいの保育士さんたちもわんわん泣いちゃうし……


 特に素晴らしいシーンがあってさ。

 みつばちたち兄弟たちはまだ小さいんで、秋にあんまり蜜を集められなかったんだ。

 それで、冬の寒い時期にみんなお腹を空かせてたんだよ。

 そしたら家の外に、森の妖精さんがやっぱり空腹で倒れてたんだ。


 それでみんながためらうんだわ。

 ただでさえ少ない食べ物をこのひとにあげちゃったら、みんなもっとお腹がすいて死んじゃうかもしれないって……


 でもリーダー格の女の子が泣きながら言ったんだ。


「おかあさんが死ぬ前にみんなに言ったでしょ!

『これからはみんなで力を合わせて仲良く生きて行くのよ』って!

 あの『みんな』っていうのは、きっとわたしたちのことだけじゃないわ!

 森のみんなとって言う意味だったのよ!

 う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ~ん。おかぁさぁ~ん!」

 って……


 それでみんなも泣きながら「そうだ!そうだ!」って言って、妖精さんにも食べ物を分けてあげるんだ。

 そうしたらその妖精さんが、お礼に森の中のサトウカエデの大木の場所を教えてくれたんだよ。


 それでみんなで力を合わせて幹に小さな穴を開けて、そこから出てきた甘い樹液を飲んでお腹いっぱいになることが出来たんだ。


 そうして、やっぱりお腹を空かせてたクワガタのおじさんに樹液をあげたら、幹の穴を大きくしてくれて。

 トンボのおじさんが遠くから運んで来てくれた麦わらのストローを樹に差し込んで、もっと樹液が採れるようになって。

 親切なカナブンのおばさんに、草で作る樹液を入れておくための壺の作り方も教わって。

 でも隙間から樹液が漏れちゃったんだけど、蜜蜂の蜜ろうで隙間を塞いで樹液が保存出来るようになって……


 そうしてサトウカエデの大木の周りに虫達の村を作って幸せに暮らして行くっていうお話なんだ。

 確か今はシリーズ第13作目で、みつばちきょうだい達が、メープルシロップを使った甘いお菓子を作ってお店を出したところかな。



 それにしても、あの女の子がお母さんの遺言を言って、みんなを説得するシーンは最高だよ。

 もうみんな号泣しちゃうもんなー。

 システィやローゼさまやフェミーナなんかもわんわん泣いてたし。

 エルダさまも、少し大きくなって来たお腹をさすりながら涙ぼろぼろだったし。



 このアニメも銀河の昆虫族の間でちょー大ウケよ。

 しかもVRゲームでその村に行って、自分も住めるんだもんな。

 樹液採取のお手伝いなんかも出来るんだぜ。

 そのお礼に『みつばちきょうだいのお菓子屋さん』に行って、お菓子貰って食べられるし。



 それでヒト族なんかと同様に、連中の社会もどんどん平和になりつつあるそうなんだが、それに伴って彼らの卵の数も減って来てるそうだ。

 まあ、昆虫社会が平和になったら人口爆発してあっという間に食糧難だから、この変化は歓迎されているとのことだった。

 さすがは自然の摂理だわ。


 それでも、もともと人口(虫口?)が多かった星では人口増加に困りだしたんで、農業支援ドローンを100個師団ほどプレゼントしてやったらすんげえ喜ばれたよ。

 ついでに地球産サトウカエデの苗木を大量に贈ってやったら、膨大な数の惑星政府から感謝状も来たし。


 おかげであっちこっちに俺の神殿が建って、みんなで祈り出したそうだ。





 一番興味深かったのは珪素系生命体たちだったかな。


 連中、全身がシリコンチップみたいな存在で、一見すると岩にしか見えないんだけどさ。

 まあ、ほとんど動かないワケだ。

 だからいっつも深遠な哲学的思考とか、宇宙論やら数学やらの研究ばっかりしてたそうなんだ。


 そうした中で、大賢者とか言われる雄型珪素生命体に人気が集まって、雌型珪素生命体と繁殖行為をしていたらしい。

 もっともその繁殖行為も、快感を伴うものではなく、純粋に子孫を作るためだけのものなんだと。


 娯楽もほとんど無いらしいしな。

 まあ、あんまり激しくは体を動かせないからなあ。

 チェスや将棋もどきみたいな対戦型ゲームは人気があって、惑星ネットでしょっちゅう競技大会が開かれたりしているそうだが。



 そこに俺のVRゲームが持ち込まれて大騒ぎになったワケよ。

 まず最初に超流行ったのが、なんとオンライン麻雀ゲームだ。


 連中は純粋思考ばっかりしてたんで、思考に加えて運の要素が入ったゲームってしたことが無かったんだと。

 短期勝負ならどんな強者でも負けることがあり、初心者でも勝てる可能性のあるゲームなんて存在していなかったんだよ。

 おかげでなんだか惑星中でちーぽんちーぽんやってるらしいぞ。


 それから多少時間はかかったんだけど、VR世界でアバターを使って移動する、っていう概念が運用されるようになるともうタイヘンだった。

 みんな各種スポーツゲームにのめり込んじゃったんだ。

 もうVR世界内では毎月惑星オリンピックをやってるらしい。



 さらにだ。

 連中の技術者が、とうとう俺たちヒト族のエッチの快楽を、自分たちの脳に相当する部分に翻訳する技術を開発しちゃったんだわ。

 いやそりゃあもうタイヘンだったらしいぞ。

 VR世界内で、アバターを使っての惑星規模の大乱交パーティーが延々1か月も続いてたらしいなあ。

 まあまだ連中には性的羞恥心とか貞操観念とか無かったし。


「何故我々の人口が少なく、ヒト族の人口があれほどまでに多いのか、完全に納得いたしました……」って言ってたけどさ。





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