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【爆撒英雄サトルのガイア建国記】  作者: 池上雅
第2章 銀河宇宙篇
279/325

*** 279 やっぱりヒト族は銀河のどこに行ってもヒト族だったんだなあ…… ***

 


 もちろん高度に技術文明が進んだ銀河世界では、こうした超新星爆発なんかの危機に対しての対応策も進められている。


 まずは超新星爆発を引き起こす可能性の高い恒星の常時監視で、大きな恒星周辺には無人観測機を配置して警戒しているそうだ。


 幸いにも連中には恒星間通信能力があるから、その無人観測機が超新星爆発を探知すると、近隣文明に恒星間通信を飛ばして警告するようなんだよ。

 例え50光年先という超至近距離で超新星爆発が起きても、ガンマ線の襲来までには50年あるから、こうした警告には意味が有るんだ。



 でもこれさ、今までは神界による救済って無かっただろ。

 だからガンマ線バーストの起こりそうな場所に近い惑星文明では、自分たちで努力を重ねて来ていたんだ。


 地下深くに、鉄と鉛とコンクリートで固めたシェルターを作って、最悪のガンマ線放射が通り過ぎるまで数週間ほど籠っていたり。

 それでも可哀想に滅んでしまった文明もけっこうあったそうだ。


 それに……

 もしヒューマノイドが助かったとしても、惑星表面の動植物がすべて絶滅してしまった星もあったんだよ。

 そうしてやっぱり大飢饉で滅んでしまったらしいんだ……


 ほんっとさ、ヒトの命なんて儚いもんだろ。

 いつ病気や事故で死ぬかもしれないし。


 でも文明の命も儚いよな。

 500光年以内にちょっと大きな恒星があっただけで、いつ滅ぶかわからないんだから……



 でもこれからは神界も大きな方針変更をして、こうした自然災害によって絶滅に瀕した文明を救うことにしたわけだ。


 幸いにも神界には転移能力と世界創造能力があるからな。

 ガンマ線バーストも超新星爆発も、その兆候がはっきりしたり実際に起こってから避難してもなんとか間に合うし。


 でもそうした場合でも、さすがの神界でも惑星丸ごとの転移は無理だからさ。

 例えヒユーマノイド全員が助かって、動植物も相当程度持ち出せたとしても、その文明の固定資産はほとんど持ち出せないんだよ。

 だから気の毒なことに変わりは無いんだ。


 これ…… 

 なんとかしてガンマ線とかを排除する方法って無いもんなのかね?



 でまあ、この避難って俺たちの『銀河救済機関』の本来の仕事だろ。

 だから、いくら通常任務が大したことなくっても気が抜けないんだわー。





 それで俺は、また惑星イルシャムにこうした任務のための資材開発と製造を依頼したんだよ。

 まあ神界しか使えない大規模転移の力をあんまり乱発するのもなんだから、現在ある銀河技術でなるべくなんとかすべきだって思ったんだ。



 まずは、ヒューマノイド50億人を収容可能な全長30キロレベルの超大型恒星間旅客船の建造だ。

 もちろん食料や生活資材も充分に内蔵した上に、『転移の魔道具』を搭載した『入り口用大気圏航行船』も5000隻程度収容しておく。


 そうすればこの入り口船を惑星各地に降下させられるから、惑星全域50億人の母船収容でも1週間ぐらいで出来るだろう。

 これを最低でも10隻、出来れば50隻は欲しいな。



 それから惑星住民が避難生活を送るための人口惑星も必要になる。

 まあ幸いにも、ガンマ線バーストも超新星爆発もその影響は数日程度で終了するからさ。

 危機に瀕した惑星に居住するヒューマノイドも、発生源に近いところから順次避難して数週間で帰れるんだ。

 ま、まあ帰る先が元の惑星であればいいんだけど、惑星表面の動植物が死滅してたら神界が用意する新しい星になるんだけど……


 だからこの『緊急避難用人口惑星』も、直径1000キロ程度で50億人収容可能なものが10個もあれば充分だろう。


 もちろん予め食料も水も備蓄しておくし、各種アメニティグッズも充実させておくか。

 そうだな、また土の精霊たちに頼んで『まるでリゾート惑星♪』みたいなやつを設計させるか……

 海も山もつけといてやろう……





 こうした俺たちの準備のおかげで、余剰農産物を買い取ってもらえる無数の農業惑星たちがリッチになった。

 今までは恒星船のコストが高くって、生産余剰は即惑星内での農産物の価格下落に繋がってたから、休耕地を増やして生産調整してたそうなんだ。


 そこに俺が通常価格で余剰分をいくらでも買い取るようになったもんだから、大喜びして大増産に走り始めたんだよ。

 もちろん彼らの増収分で俺のゲームもさらに売れたから俺もウハウハだ。


 さらに恒星船や避難用人口惑星や食糧備蓄惑星を作らせている工業系惑星やその下請け惑星たちもリッチになった。

 そのせいでそれら惑星の景気も上向いて住民が裕福になり、俺のゲームはますます売れた。


 もはや全銀河系のヒト族の100人に1人が持っているそうだから、300兆ユニット売れたことになるぞ。


 また俺の銀河口座のカネが1300兆クレジットも増えちまったか……


 でも、需要予測調査ではまだまだ売れるはずで、最終的にはヒト族の普及率70%まで行くとのことなんだよな。

 そんなに儲けちまっていいもんなのかね?




 でもさ、単に俺のゲームソフトだけでなく、それを再現するハードウエアも全銀河宇宙で売れに売れているらしいんだ。


 そうして、

 俺たちが任務の為に準備すればするほど銀河の惑星がリッチになる。

 銀河の惑星がリッチになればなるほど、ヒト族に俺のVRゲームが売れる。

 俺のゲームが売れると、その世界では暴力犯罪やヒステリー症や社会不適合者が急減する。

 そうしてさらに婚姻数が増えて新生児も増え始める……



 そう……

 銀河中のヒト族居住惑星で、地球や惑星スキモーノで起こった現象と同じ現象が起こり始めたんだ。


 まあやっぱりヒト族は銀河のどこに行ってもヒト族だったんだなあ……





 銀河中に配置されている担当天使たちからの神界への報告をまとめると、銀河系全域で経済が活性化され始めているそうだ。

 同時にヒト族居住惑星では、罪業カルマポイントの増加数微低下、幸福ハピネスポイントの発生数の増加、暴力犯罪発生数の激減と婚姻数及び新生児出生数の急増といった現象が、はっきりと統計に現れるレベルで見られ始めたそうなんだわ。


 うーん。

 やっぱ収入と治安が安定すると、ヒューマノイドの興味はエッチや子作りに向くんだな。

 個体維持本能が満たされると種族保存本能に向かうってぇやつか……


 これきっと神界も喜んでくれるんじゃないかなあ……






 システィとローゼさまとエルダさまの妊娠が安定期に入ってしばらくすると、とうとうフェミーナも妊娠することになった。


 いや凄かったよ。

 もう妊娠前から母性本能丸出しなんだ。

 聖母様みたいな顔したオオカミってなんなんだよ。


 それでフェミーナの妊娠が確定すると、俺は4人の奥さんたちに呼ばれたんだ。



「あなたさま、我ら4人を孕ませて下さって、本当にありがとうございました」


「こんな嬉しいことはありません、これからもサトルさんの妻として、それからサトルさんの子の母として、よろしくお願いいたしますね。

(小声で:それからエッチなペットとしても♡)」


「サトルん、本当にありがとう。わたしの夢がまたひとつ叶ったわ♡」


「きゅーーーーーん♡」



「それでの、あなたさま。

 今後のあなたさまの夜伽のことについてなのですが……

 どうか今まであなたさまに忠実に仕えてきた、悪魔族の娘達の希望も叶えてやって欲しいのでございます」


「げげっ!」


「彼女たちにアンケートを取って見たのですが……

 まずは、

『サトル神さまに、一生の思い出に一度でいいから『子作りの練習』をして貰いたい♡』という娘が30人。


『初めての『子作りの練習』は、是非サトル神さまに教えて貰いたい♡』という娘が30人。


『初めて『子作りの練習』を教えて頂いた後は、ずっとお傍でお仕えしたい♡』という娘が30人。


『初めて『子作りの練習』を教えて頂いた後は、5番目以降で構わないので妻のひとりとしてずっとお仕えしたい♡』という娘が30人。


 そして、

『初めての『子作りの練習』を教えて頂いた後は、サトル神さまのエッチなペットになりたい♡♡♡』という娘が30人いたのです」


「げげげげげげげげげげげ……

 ひ、150人全員希望……」


(し、しかもそのうち120人が『初めて』!

 それになんなんだよ最後のやつ……

 あ…… ローゼさまの影響か……)



「ふふ、さすがに我らのご主人さまはモテるのう……」


(そ、そうか……

 このひとたち、もともと子育ては母親だけで行う種族だから、『結婚』の概念が無いんだ……

 だから、一夫一婦制の拘りも無いし、嫉妬の感情も無いんだ……)



「それでですの、今まで全員に、『ヒト族とのまぐあいとは』、『サトルさまの性癖について』というテーマでレッスンをして来てあります。

 もちろん『自力でヒト族の女に変身できる』というスキルも与えてありますし。

 ですから、今晩からひとりずつ順番に『子作りの練習』を始めてやって欲しいのでございます。

 どうかよろしくお頼み致します」



 俺、そうやって4人の奥さんたちにアタマ下げられちゃったんだ……





 それからその週の土曜日には、いつもの通り地球に行ったんだけどさ。

 今度は母さんと真希叔母さんに呼び出されたんだ。



「悟さん、私と真希さんからあなたにお願いがあるの」


「どうかうちの沙希をお嫁さんに貰って頂けないかしら……」


「げげげげげげげげ……

 い、いくらなんでも早過ぎませんかぁっ!」


「そんなことないわ。

 もう沙希ちゃんも16歳だもの。民法上は結婚出来るのよ。

 だいいちあなた、自分が超優良物件だって気づいてるの?」


(ぶ、『物件』でしたか……

 多少は『優良』かもしれないとは思ってましたけど、『物件』であることには気づいてませんでした……)



「優良物件ほど早い者勝ちなんだから、早い方がいいのよ♪

 沙希ちゃんだったら安心して母さんの孫を生んで貰えるもの。

 あ、でも妊娠させるのは、せめて沙希ちゃんが20歳になってからにしてあげてね♪」



 それで俺、仕方なく母さんと真希叔母さんにガイアでのことを恐る恐る打ち明けたんだ。


 結婚制度や一夫一婦制に拘るのは、銀河宇宙でも主にヒト族だけであること。

 だから嫉妬みたいな感情を持っているのもヒト族だけであること。

 ガイアには既に俺の奥さんが4人もいて、そのうち3人が神さまで1人がフェンリル族で、最近4人とも妊娠したこと。

 それにどうやらこれからもヨメ候補が30人近くいること。

 これからもみんなで仲良く一緒に暮らしていくつもりであることなんかを……



 そしたらさ、


「まあ! わたしもうすぐ孫が生まれるのねっ♪

 それも4人もいっぺんに!」


「まあ! それだったら、沙希を5番目の奥さんにしてあげてやってくださいな♪」


 だって……


 このひとたち、やっぱりどっかネジ飛んでるよな……



 それでさ、母さんと父さんと美樹と、それから真悟叔父さんと真希叔母さんと沙希を、ガイアに見学に連れて行ってくれって頼まれちゃったんだわ……

 特にみんな、俺の奥さんたちに挨拶したいんだと……



 それで一応ベライムスさんに相談してみたんだけど、答えはやっぱり、

「担当世界の神のご意思は何物にも優先されます!」だってさ……



 それでちょうど夏になったところだったんで、3週間後に全員が夏季休暇を取って5泊ほどの予定でガイアに見学に行くことになったんだ。


 それを聞きつけたベギラルムが、ベライムスさんと共同で歓迎スケジュールを組んでくれたんだけど……

「あいつらやり過ぎなきゃいいんだけど……」って心配してたら、アダムに、「サトルさまが『やり過ぎ』をご心配されるとは……」って言われちまったぜ……





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