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【爆撒英雄サトルのガイア建国記】  作者: 池上雅
第1章 ガイア建国篇
25/325

*** 25 安っ! 俺安っ!!! ***

 



 ロ-ゼマリーナさまが帰って来た。

 エルダリーナさまも一緒だ。

 俺たちはいつものソファでローゼさまのお話を聞いた。


「まず最初にご報告させて頂きますが、このタイプRS-7世界ガイアで試練を受け、過去20万年の間に不合格になった天使見習い40名のうち、まだ初級天使以上に昇格していない者については再試験が行われることになりました。

 既に初級天使以上に昇格している者も、当時の失格が人事記録から抹消されます。

 また、全員に上級神ゼウサーナさまより直接謝罪のお言葉が与えられました。

 これによって、多くの天使達が救われることでしょう」


「よかったです。みんなも辛かったでしょうね」


「これもすべてみなさんのおかげですよ。

 さて、それではこれからみなさんに神界の『最高監査会議』の様子を見て頂きたいと思います」


「そ、そんなもの見せてもらってもいいもんなんすか?」


「ええ、上級神ゼウサーナさまより特別に許可を頂いております。

 もちろん部外秘ですけど……」




 最高監査会議の録画再生が始まった。

 俺は心の中でひとりツッコミを入れながら見ている。


 うーん。この上級神さま、貫禄あるなあ……

 おいおい、オバサン何者だよ。お前も隠蔽一族かよ……

 うわ! オバサンの失禁シーンとか誰得だよ!

 それにしても、いつも思うんだけどさ、みんな『死ぬ』とか『気絶する』とかっていうことを大げさに考え過ぎじゃないの?

 死んだり気絶したりしている本人は、ぜんぜん痛くもないし辛くもないのに……

 やっぱ死んだり気絶したりしたことないひとにとっては、恐ろしく思うものなのかな……


 あ…… エルダさまの頬がちょっと赤くなった……

 お…… システィがエルダさまを仲間みたいな目で見てる……

 へー、俺勲章貰えんのか。

 あ、最高神サマ声での登場!…… な、なんかカルい神様だな……

 おお! システィさん中級天使昇格! エルダさまも上級天使ご昇格!

 めでたいめでたい♪

 え…… 『上級神の加護』? それでレベル100倍?

 おお! 勲章でもレベル100倍!

 両方でレベル200倍……じゃあなくって1万倍!!!

 それじゃあ俺ってレベル100万超え?

 そ、それ、あの冷凍庫野郎の第2形態と同じぐらいじゃないか!!!

 あ……『管理用ポイント』、10万も貰えるのか……

 これでけっこういろいろ出来るな……




 録画再生が終わった。


「ということでシスティよ。

 たまにはサトルを貸してくれんかの」


(エルダさま、ナニ言っちゃってんの? システィ泣いちゃうよ?

 ってゆーか、最初に言いたいのそれ?)


「たっ、たまにでしたら……」


(いいのかよっ!!!)


「あの…… わたくしにも…… あ、ほんとにたまにでいいですから……」


(ローゼさままでナニ言ってんの?)


「システィや。1回10万円ほど取ったらどうかの?」


(カネ取んの!!!)


「あ、あの…… 代わりにアンパン3個じゃダメですか?」


(安っ! 俺安っ!!!)





 ということで、ローゼマリーナさまは最高神さまの命により、当面の間システィの天使域に空間を借りて住むことになったんだ。


 そうしてどうやら、『公式ガイア報告』を週に1回、それから非公式の『ガイア観察日記』も週に1回神界に送るらしい。

 それに加えて、俺が召喚されたころからの話も『ガイア建国物語(仮称)』として神界で公表したいんだと。


 ローゼさまは、俺やシスティの許可をもらって、世界管理システムに接続してアダムの記録を随分と調べていたよ。

 俺やシスティも何度もヒアリングを受けたし。

 まあ、最高神さまのご命令だから仕方ないよな。

 こんなによくしてもらってるんだし。





 その夜、俺はさっそく『上級神ゼウサーナさまの加護』がついたネックレスを試してみたんだ。


 うおおおおおっ!

 こ、これすげぇ!

 なんつーかこの…… スーパー野菜の人とかに変身したみたいだよ。

 ああっ! 髪の色まで銀髪になってるっ!

 なんか売れないロックバンドのボーカルみたいだ!

 あ、ホントにレベル100倍になってる……

 ヤバいなコレ…… 


 その後、俺はドアノブを握り潰し、コップを3つほど砕いたところでため息をついた。

 これ…… 普段はつけない方がいいかもな。

 でも、念のため、他の加護スキルとか見てみようか……


 ぬおおおっ!

 な、なんだこれ? スキルが山のように付いてるぞ!

 ぜ、全部で10万種類もあんのか!

 なになに、『1度に選択出来るスキルは100コまでですので慎重にお選びください』だって?

 100コも選べるのに慎重もナニもないもんだと思うんだけど……

 あ、し、しかも『スキル入れ替えいつでも何回でも可能♪』だって……

 す、スゲえな……


 あ…… 『鑑定(神級)』がある。(なんでもかんでも鑑定します♪)だって。

 お…… 『ソロモンの指環(神級)』がある。これってひょっとして……

 ちょっと説明を読んでみるか……

(全ての動植物と念話が出来ます♪) 

 やっぱりそうか…… これは面白そうだよなあ。



 それにしてもたくさん加護スキルがあるよ。

 これ、読むだけで3日はかかるぞ。

 ま、まあ面白そうだからいいけど……


 さすがは『上級神さま』の加護だよなあ……


 それじゃあさっそくこれ身につけてステータスを見てみるか……



 ======================



 名前:サトル

 種族:ヒト族

 年齢:17歳

 総合Lv:10,200(+10,098)

 幸福ハピネスポイント:3、050(+13)

 増加分内訳:

 最高神、上級神、中級神さまたちの感動

 エルダリーナとシスティフィーナの昇格の喜び

 罪業カルマポイント:0


 加護

 上級神ゼウサーナの加護(現在装着中、着脱可能)

 初級天使システィフィーナの加護


 称号:

 創造天使システィフィーナの使徒(中級) (LvUP!)

 創造天使システィフィーナの想い人

 創造天使システィフィーナの真のパートナー

 創造天使エルダリーナが認めたおとこ

 大悪魔の忠誠心(半分)を持つ男

 世界ガイア管理システムの忠誠心(半分)を持つ男

 悪魔の大饗宴サバトの主祭

 水の大精霊の尊敬(極大)(New!)

 火の大精霊の尊敬(極大)(New!)

 土の大精霊の尊敬(極大)(New!)

 風の大精霊の尊敬(極大)(New!)

 光の大精霊の尊敬(極大)(New!)


 権限:ガイア世界の管理権限


 装備:マナ・ポーション(初級)

 状態:創造神システィフィーナの加護 ×100 (副作用:発光)


 各種Lv

 E階梯 地球基準6.5

 IQ 地球基準160


 体力系

 総合体力(HP) Lv10,500(+10,395)

 防御 Lv11,800(+11,682)

 攻撃 Lv 9,700(+9,605)

 俊敏 Lv 6,500(+6,438)

 器用 Lv 5,300(+5,447)


 魔法系

 総合魔力(MP) Lv10,100(+10,002)

 内マナ保有力 Lv10,600(+10,495)

 内マナ操作力 Lv500(+495)

 内マナ放出力 Lv500(+485)


 天使力スキル(管理権限)

 『管理システム(アダム)アクセス』

 『管理空間内移動』『管理空間内物質保管』『管理空間内物質認識』

 『鑑定』


 神授スキル 

『マナ使用権限(上級)』『能力上昇上限撤廃』『能力上昇促進』

『不老長寿100年』


 行使可能魔法マクロ

『水球(極大)』『水槍(極大)』『水切断(神級)』『マナ水溶(神級)』 

『クリーン神級)』

『火球(極大)』『火槍(極大)』『火爆発(神級)』

『風球(極大)』『風槍(極大)』『風切断(神級)』『風爆発(神級)』

『土球(極大)』『土槍(極大)』『土操作(神級)』『岩操作(神級)』

『光球(極大)』『光槍(極大)』『スタン(神級)』『光爆発(神級)』

『スタングレネード(神級)』『治癒キュア(神級)』 

『身体強化(神級)』『物理衝撃波(極大)』『瞬歩(神級)』

『ソロモンの指環(神級)』『鑑定(神級)』


(その他加護スキルが99,996種類中96個選択可能です)



 精神系

 任務遂行意欲 Lv4,598,600(+4,553,288)

 不屈の闘志 Lv13,000(+12,880)


 資産

 約14億5,000万円(+1億1,000万円)



 ===========================




 あ…… 残念! 資産は100倍になってなかったか……

 ま、そらそうだ。


 でも、それにしてもすげぇなぁ。

 任務遂行意欲Lv450万とか誰だよそれ。

 おかげで俺のオオカミさんがたいへんなことになってんよ。


 ところでさ……

 なんで俺の任務遂行意欲とオオカミさんの暴れ具合が連動してるんだよ!






 ということで俺は、もう爆撒訓練はヤメようと思う。

 もうあのシステムバグは無くなるみたいだし。

 それに、なにしろ上級神さまが、「もうこれで仲間たちを泣かさないで済むだろう」って仰って下さった『加護のネックレス』なんだからな。


 だが…… 

 俺はいつもは『加護のネックレス』や『銀聖勲章』は身につけないことにしたんだ。

 その方が基礎体力や魔力が上がって、その分加護でLvが100倍になったときにより強くなれるからだ。

 だから爆撒はもう封印する代わりに、その他の訓練は継続したんだよ。


 もちろん下界に行くときは、少なくとも『加護のネックレス』だけは身につけてるけど。万が一死んじまったら元も子もないからなあ。






 ローゼさまの非公式『ガイア観察日記』は、初回から神界でたいへんな人気になったらしい。

 まあ、最初は今までのガイアについての概観報告だったそうだけど。

 アダムに記録されていた映像もたくさん添付されたけっこうな大作だったそうだ。

 俺やシスティはこっ恥ずかしかったから見なかったんだけどな。


 初回の冒頭は、俺の訓練の爆撒シーンだったそうだ。

 もちろん読者を気絶させないために、引いた映像の上にボカシも入れてたらしい。

 でも、おかげで『観察日記』には『R1500』指定がついちゃったそうだよ。

『残酷なシーン有り』って。

 それにしても天使や神さまって長生なんだなあ…… 『1500』かよ……

 それでも相当な人気作品になってるそうで、ローゼさまは嬉しそうに張り切っていたな。



 初回分を神界に送った後、ゼウサーナ上級神さまを通じて最高神さまがお褒めのお言葉を下さったそうだ。

『すっごく面白かったよ! 続きが楽しみだよ!』って……

 ローゼさまはますます喜んで、2回目からは大量の映像記録も添付するようになって、それでさらに人気が出て来てるんだと。


 ところでさ。

 そんな観察日記なんか公開しちゃってもいいもんなんかね?

 だって俺まだこの世界ガイアを救ってないんだぜ?

 まあ、加護とか勲章とかあれだけの恩恵があれば、失敗する気はさらさら無いけどさ。





 数日後。

 ローゼ上級天使さまがなんかおっさんを連れてやって来た。

 なんか土建屋のおやじみたいな風体だ。

 おっさん以外にも、若い兄ちゃんたちが大勢いる。


「おお! お前があのサトルかぁっ!

 あの爆撒シーンはすごかったなおい!

 俺ぁおったまげちまったぜぇ!」


(誰このひと?)


「まあ、後は俺っちに任せときな!

 おい野郎共! まずはみっちりマナ供給トンネルの調査だ!

 神界中が見てるんだ! 手ぇ抜くんじゃねえぞ!」


「「「「「 へい! 親方っ! 」」」」」



 後でローゼさまが教えてくれた。


「ふふ。あの方はね。ああ見えても神界土木部のトップの中級神さまなのよ。

 これからあのひとたちが、マナトンネルを完璧に直してくれるわ。

 なにしろあのマナトンネルを最初から全部作れるひとたちだもの。

 だからあなたは自分の仕事に集中出来るわよ」


(なんか俺の中で神さまのイメージがガラガラと……)



 おっさん配下の若い連中も、初級神や天使たちだったんで食事の必要は無かったんだけどさ。

 システィが「おやつをどうぞ♪」ってハンバーガー出したらエラいことになっちゃったんだ。

 だって、10人でハンバーガー50個も食べるんだもの。

 それでも遠慮してたらしいけど……


 これ…… 

 神界でバーガーショップとかファーストフードの店出したら大儲けなんじゃないか?

 こんどエルダお姉さまに言ってみるか……




 さすがは中級神さま率いる『神界土木部』でさ。

 1週間ほどで、ガイアのマナ再供給用トンネルは完全に元通りになったんだ。

 深く頭を下げてお礼を言う俺たちにおっさんは言った。


「トンネル内は1キロおきにセンサーをつけといたからよ。

 もし異常が発見されても、すぐに俺っちにわかるようになってるからもう大丈夫だぁ。

 それに1000年に1度は定期メンテナンスも入るからな。

 これでお前たちも安心して試練に挑めるぞ」


「あ、ありがとうございます……」


「そうそう、大陸中央部のマナ噴気孔も頑丈なフタしといたけどよ。

 あの砂漠地帯の砂はどうする? 俺っちが片付けてやろうか?」


「い、いえ、あの砂の使い道もちょっと考えてるもんですから……

 お気づかいどうもありがとうございます……」


 再度お礼を言う俺たちを後に、おっさんたちはお土産のハンバーガーを大量に持って上機嫌で帰って行った。



 さあ! 後は俺たちの頑張り次第だな!





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