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【爆撒英雄サトルのガイア建国記】  作者: 池上雅
第1章 ガイア建国篇
18/325

*** 18 涙のお誕生日パーティー ***

 



 レベルアップが嬉しくなった俺は、またみんなを集めて聞いてみたんだ。


「なあ、俺の大幅レベルアップのお礼に、お前たちにまた何かプレゼントをしたいんだけど、なにがいいかな?」


 土の大精霊ノームが慌てて言った。

「そ、そそそ、そんな…… もう充分に良くしてもらってるだ!」


 他の連中も必死でこくこく頷いている。


「いやそんなに気にするなよ。なんでもいいから言ってごらん」


 システィも協力してくれてみんなを説得した結果、ようやく水の大精霊ウンディーネがぽつりと呟いてくれたんだよ。

「男の子のお友だちが欲しい……」って。


 どうやら俺とシスティが仲良くしてるのが羨ましかったらしいな。

 そしたらみんな顔を見合わせちゃって、真っ赤になっちゃったんだ。

 そう言えばそうだったよなあ。

 水の精霊と植物の精霊と風の精霊と光の精霊は女の子ばっかしだし、火の精霊と土の精霊は男の子ばっかしだし……


 でもなあ……

 男の子404人分と女の子202人分の精霊かあ……

 どうしたもんかな……


「あら、それぐらいの精霊さんだったらなんとかなるわよ」


「えっ……」


「この世界の知的生命体を創造したときに、神さまから頂いた『創造用ポイント』が確かまだ少し残っていたはずだから」


「だ、大丈夫なのか?」


「うふふ。だってわたし、そのときは数十万人分の生命を創造したんだもの。

 アダムさん。大丈夫よね?」


(はい、システィフィーナさま。ポイントは十分に残っております)


「それじゃあ明日までに新しい精霊さんたちを創造しておくわね。

 みんなそれでいい?」


 精霊たちはみんな、恥ずかしそうに、でも嬉しそうに頷いたんだ……



 翌日は壮観だった。

 6種類の精霊が、男女各101人ずつ合計1,212人も揃ったんだもの。

 男の子たちや女の子たちは、みんな恥ずかしそうにお互いを気にしてるようだった。

 それに、幸いにも男の子も女の子もみんなトンデモな美形でいい子たちだ。

 誰もあぶれることなく、順調にカップルが出来ていったらしい。

 それにカップルの相手とだけでなく、みんながみんなと仲良くしていたようだったし。

 よかったよかった。

 俺はほっとしつつ、精霊たちの洋服ショップの商品を大幅に拡充して、ゲーム機も大量に追加購入したんだ。




 数カ月後。


「なあ、システィ……」


「なあにサトル……」


「俺の目の錯覚かな。

 精霊の女の子たちのお腹がみんな膨らんでいるように見えるんだが……」


「う、うん。わ、わたしにもそう見える……」


 精霊の男の子たちは、みんな女の子たちのために、荷物を持ってあげたりケーキを切り分けてあげたり、優しく気を使っているようだった……




 さらに数カ月後。


「なあ、システィ……」


「なあにサトル……」


「俺の気のせいかな……

 ちっこい精霊たちがたくさん飛んでるように見えるんだが……」


「う、うん…… わたしにもそう見えるわ……

 10センチぐらいの可愛い精霊さんが600人ぐらいいるように見える……」


 俺とシスティは顔を見合わせた。

 あまりに可愛らしい子精霊たちを見て、お互い自分たちの子も想像してしまったんだと思う。

 見つめ合う俺たちの頬が赤くなっていった……



「あーっ! 使徒しゃまでれでれしてるぅっ!」

「「「「「「「「 でれでれしてるぅっ! 」」」」」」」」


「あーっ! システィしゃまもでれでれしてるぅっ!」

「「「「「「「「 でれでれしてるぅっ! 」」」」」」」」


 なんか俺たちの周りにちっこい精霊たちが大勢集まって来て騒いでるぞ……



「あのねあのね。ウチのママも、夜になるとパパにもたれかかってでれでれするんだよー」

「「「「「「「「 ウチも、ウチもーっ!!! 」」」」」」」」


「とくにアタチが寝たふりすると、ママったらお洋服脱いでパパのおひざに座ってもっとでれでれするのーっ!」

「「「「「「「「 ウチも、ウチもーっ!!! 」」」」」」」」


「それでねそれでね! いつもはママはパパのこと『パパ』って呼んでるんだけど、お膝の上に乗ると、『ねえ、アナタん♡』とか言うのよ!」

「「「「「「「「 ウチも、ウチもーっ!!! 」」」」」」」」


「システィフィーナしゃまも、使徒しゃまのお膝に乗ったりするのかなあ」

「きっとしてるよー」

「夜になるとするんだよー」

「お洋服も脱いじゃうんだよー」

「きっとちゅっちゅもしてるよー」


「ウチのママって、いつもタカビーなんだけど、どうして夜になってパパの前だとあんなにでれでれになるんだろ?」


「あのねあのね! このまえそれ聞いてみたら、ママ、『あなたの弟か妹を産んであげるためよ♪』って言ってたよーっ!」

「あ、それウチのママも言ってたーっ!」


 そのとき光の大精霊ルクサーテム風の大精霊シルフィーがぴゅーって飛んで来て、真っ赤な顔しながらちっこいのを小脇に拉致して、またぴゅーって飛んでっちゃったんだ。

 なんだったんだあれ?






 或る朝、目が覚めると、レベルアップチャイムが鳴った。


「ぴろりろり~ん。使徒サトルの年齢が1上がりました」


 そうか……

 今日は俺の誕生日だったのか……

 へへ。俺17歳になれたんだな……


 俺は何も言わずにいつもの朝練を終えた。

 それでシスティに大広間に呼ばれた俺は大硬直したんだ。


 そこには…… 「使徒サトルさま、お誕生日おめでとうございます♪」って書かれた大きな垂れ幕があって、壁とかには飾りつけがしてあって、部屋の中央にはローソクが17本立った巨大なケーキが置いてあったんだよ……


 そして、そこには大勢の仲間たちがいたんだ。

 1212人の精霊たちと、606人のちっこい精霊たちと、98人の悪魔達と……

 エルダさままでいてくれて、そうして中央にはシスティが微笑みながら立っていてくれたんだ……

 そうしてみんなで『パッピーバースデー』を歌ってくれたんだ……


 俺思わず号泣しちゃってさ。

 だって、去年の俺の16歳の誕生日って、昏睡状態で意識無かったんだぜ。

 翌朝病棟で意識が戻ったら、枕元にちょっと乾いちゃった小さなケーキが置いてあって、「サトルくん、お誕生日おめでとう!」って書かれた紙が置いてあっただけだったんだぜ……

 こんな幸せな誕生日、生まれて初めてだよ……


 システィも悪魔達も貰い泣きしてた。

 まあ精霊たちは巨大ケーキを取り囲んでわくわくしてただけだったけど。

 こいつらはこれが標準仕様だからかまわんさ。


 システィの誕生日は来月だそうだから、そのときも盛大に祝ってやらんとな。

「ところでシスティは何歳なんだ?」って聞いたら、途端にシスティから負のオーラがぶおおおおおおって噴き出して来たんで慌てたけど……

 慌ててシスティを抱きしめて、ほっぺにちゅーしたらすぐに止まったんでヨカッタよ。





 俺は決意を新たにした。

 俺が任務に失敗したら、悪魔達はともかく精霊たちはみんな消えちゃうんだもの。

 そんなことは絶対に許せないしさせない。



 俺は毎日20回近いペースで爆撒死を繰り返した。

 ベギラルムを魔法攻撃しての魔力枯渇による気絶も毎日50回だ。

 途中からベギラルムが少し痛そうな顔をし始めたんで、俺はシスティに頼んでヤツに『防御力UPの加護』をかけてもらった。

 これは、1回かけるとそれから3時間、防御力が倍になるというスグレモノだ。

 おかげで俺は防御力200近いベギラルムを攻撃出来て、攻撃力もますます上がっていったんだ……



 そうしてそれから半年後、とうとう脳内アナウンスが俺の総合Lvが100に届いたことを告げた。

 まったく感無量だぜ。


 これで計算上、俺は3億人以上のヒト族と対等以上に戦うことが出来る。

 レベル40のツワモノでも、65万人は相手に出来るということだ。


 ベギラルムも、毎日俺を攻撃して攻撃されてたから、レベルも上がって総合レベル120になってたよ。

 だから素の状態ではまだ敵わないけどな。

 でも俺が100人いればベギラルムにも勝てるところまで来たんだ。

 へへ、俺頑張ったな。



 だから俺は久しぶりに自分のステータスを見てみることにしたんだ。

 まあいままでは敢えてあまり見ないようにしてたからな。




 ======================


 

 名前:サトル

 種族:ヒト族

 年齢:17歳

 総合Lv:100(+31)

 幸福ハピネスポイント:3037(+1619)

 増加分内訳:お誕生日会の感激、精霊家族たちの幸福

 罪業カルマポイント:0


 加護

 初級天使システィフィーナの加護


 称号:

 創造天使システィフィーナの使徒(初級)

 創造天使システィフィーナの想い人

 創造天使システィフィーナの真のパートナー

 創造天使エルダリーナが認めたおとこ

 大悪魔の忠誠心(半分)を持つ男

 世界ガイア管理システムの忠誠心(半分)を持つ男

 悪魔の大饗宴サバトの主祭

 水の大精霊の尊敬(大)

 火の大精霊の尊敬(大)

 土の大精霊の尊敬(大)

 風の大精霊の尊敬(大)

 光の大精霊の尊敬(大)


 権限:ガイア世界の管理権限


 装備:マナ・ポーション(初級)

 状態:創造神システィフィーナの加護 ×100 (副作用:発光)


 各種Lv

 E階梯 地球基準6.5

 IQ 地球基準160


 体力系

 総合体力(HP) Lv102(+37)

 内訳

 防御 Lv115(+45)

 攻撃 Lv95(+42)

 俊敏 Lv62(+32)

 器用 Lv53(+20)


 魔法系

 総合魔力(MP) Lv98(+36)

 内訳

 マナ保有力 Lv105(+43)

 マナ操作力 Lv6(+2)

 マナ放出力 Lv6(+2)


 天使力スキル(管理権限)

 『管理システム(アダム)アクセス』

 『管理空間内移動』『管理空間内物質保管』『管理空間内物質認識』

 『鑑定』


 神授スキル 

『マナ使用権限(初級)』『能力上昇上限撤廃』『能力上昇促進』

『不老長寿100年』


 行使可能魔法マクロ

『水球(特大)』 『水槍(特大)』 『水切断(強)』 

『クリーン(強)』

『火球(特大)』 『火槍(特大)』 『火爆発(強)』

『風球(特大)』 『風槍(特大)』 『風切断(強)』

『土球(特大)』 『土槍(特大)』 『土操作(強)』

『光球(特大)』 『光槍(特大)』

『キュア(強)』 

『身体強化(強)』 『物理衝撃波(特大)』


 精神系

 任務遂行意欲 Lv45,312(+10,130)

 不屈の闘志 Lv120(+55)


 資産

 約12億4,000万円(+4億2,000万円)




 =======================





 俺の今の身体能力だが、100メートル走は3秒を切る。

 垂直跳びは8メートルだ。

 握力は500キロ。ベンチプレスはついに1トンの大台乗せだ。

 さらに体脂肪率なんか2%以下だぞ。

 だが、どうやら俺は細マッチョ型のようで、身長185センチに対して体重は85キロほどまでにしかならなかったんだ。

 もちろん体は引き締まりまくりだけど。

 よく風呂でシスティが俺の背中に頬をつけて、「逞しい背中♡」とか言ってもくれるようになったぞ。

 えへへ……




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