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【爆撒英雄サトルのガイア建国記】  作者: 池上雅
第1章 ガイア建国篇
17/325

*** 17 地球の服を着た精霊たちが携帯ゲーム機で遊んでる…… ***

 


 2週間後、システィの天使域にこじゃれた洋服のショップがオープンした。

 小さな精霊の女の子たちがきゃーきゃー言いながら群がっている。

 毎月一定のお小遣いを支給するようにして、それで好きなものを買えるようにしてあげたんだ。

 同時に5つの小劇場もオープンした。

 掲示板にはどの部屋で何を上映するかが張り出されていて、男の子たちはみんな真剣な顔で悩んでるよ。


 はは、みんな楽しそうだなあ。



 丸一日かけた服選びが終わって、久しぶりに大精霊たちが顔をそろえた。


 おいおい! 水の大精霊ウンディーネが着てるのって、それ下着だろうに!

 なんか黒のレースの小っさいやつで、みょーに色っぽいんだけど……


 ああ、風の大精霊シルフィーはミリタリールックの迷彩服か。

 よく似合ってるけどさ。

 その腰に巻いたガンベルト…… まさかその弾丸、ホンモノじゃあないよね?

 まあ爆薬の効果って、音速を超えて燃焼拡散する気体がもたらすものなんで、確かに銃とかは風の精霊のキミの領分だけどな。


 光の大精霊ルクサーテムは……

 意外だな。キンキラキンのお姫さまドレスかと思ったら、ナース服でやんの。

 ナース帽もかぶって嬉しそうに微笑んでるわ。

 でもそれ、たぶん本当のナース服じゃあなくって、『ナースプレイ』用の服だぞ……

 だってスカートがハイパーミニなんだもの……

 あ、パンツがかぼちゃパンツから赤のレースに変わってる…… 

 しかもTバック!

 お前…… どこでそんなこと覚えたんだ?


 男の子たちの服は……

 うん。土の大精霊ノームくんはふつーだわ。

 茶色のズボンに緑色のシャツか。サスペンダーがカッコいいぞ……

 でも…… なんでおしりにしっぽがついてるのかな?

 火の大精霊サラマンダーくんのしっぽが羨ましかったのかな?


 火の大精霊サラマンダー…… 

 トカゲ型のお前が着てる服って…… それ、ペットの犬用の服だろうに……

 それにみょーにピカピカしてる首輪までしてるけど…… それたぶんプードル用だわ。

 ま、まあ気に入ったんならそれでいいけどさ。




 いつもの「精霊ケーキ会会場」には、いろんな服を着た精霊たちが飛び回っていて壮観だわ。

 あ、あの光の精霊が着てるのって、『女王さま用ボンデージルック』だ…… 

 ご丁寧にハデなバタフライメガネまでしてる…… 手にはムチ持ってる。

 小悪魔くん…… そんな衣装まで持ち込んでたのね。


 あ、あの水精霊、水着着てる…… それも超絶大胆なやつ……

 どうやらウエスト辺りの水持って来て胸に詰めてるみたいだし……

 な、なんか水の精霊って、エッチィのが多いのな……


 おいおい、そこの土の精霊くん。

 それ服じゃあなくって『きぐるみ』でしょうに……

 なんでこんなところに怪獣がいるんだってびっくりしちゃったよ。



 俺は5つあるシアターのひとつを覗いてみたんだけどさ。

 なんていうかこの……

 精霊たちのノリって、アメリカの映画館に近いのな。

 主人公がピンチになるとみんなで『がんばれーっ!』とか応援始めるし、最後にラスボスを倒したりすると、立ち上がって拍手したりぴーぴー指笛を鳴らしたりするんだ。

 みんな楽しそうだよなあ……



 笑ったのは火の精霊たちのゲーム遊びだ。

 しっぽと両足を前に投げ出して、座りながらゲームしてる太めのトカゲって、実にシュールで可愛いんだけどさ。

 遊んでるうちにだんだん興奮して来ちゃうせいで、最後に惜しいところでヤラレちゃったりすると、思わず「があああああ~っ!」とか言って火を噴いちゃうんだ。

 それで灰になっちゃった携帯ゲーム機の残骸持ったまま呆然としてるんだよ。


 床に手を突いてぽろぽろ涙をこぼしてるのが可哀想だったんで、もうひとつゲーム機買ってやったんだけどさ。

 ついでに革ベルトで口輪も作ってやって、それつけてゲームさせたんだけど……

 そしたらまた、ゲームのクライマックスで興奮して鼻から火を噴いてゲーム機黒コゲ。

 鼻栓してゲームさせたら、今度はとうとう尻から火を噴いてやっぱり黒コゲ。


 ついに尻栓までしてゲームしてたんだけど……

 ゲームしてるの見てたら、興奮するに従って、だんだん体が赤くなって来て膨らんで来るんだよ。

 そうしてついに尻栓が「すぽ~ん!」とか抜けて、尻から火を噴きながら飛んでっちゃって、壁にぶち当たって目を回したりしてるんだ。

 それで体表温度が一定値を超えると警告ブザーが鳴るような装置をつけてやって、ようやくまた遊べるようになったんだよな。


 まあ、そうやって苦労することはあったけど、精霊たちはみんな大喜びだった。

 俺も大いに癒されて満足したよ。




 その晩。

 なんと、システィが俺の夢の中にハイパーミニのナース服と黒レースの下着姿で出て来てくれたんだ。

「ふふ、サトルが精霊たちのこの服を気にしてたようだったから。

 どう? 似合う?」

 とか言ってさ……


 おかげで俺のオオカミさんは吼えっぱなしになっちゃって、朝起きたらパンツがゴワゴワドロドロでヒデぇことになっちゃってたんだ。


 でも……

 俺が朝起きるとすぐにシスティが寝室に来て、俺のパンツを『クリーン』で綺麗にしてくれたんだ。

「うふふ。わたしの夢を見て子種をこんなに出してくれたなんて…… 

 なんだかとっても嬉しいわ♪ サトル、どうもありがとう♡」とか言いながら……


 ああ、俺、愛されてるんだな……

 俺も愛してるよシスティ……






 こうしてみんなに癒されながらも、俺の超過激な特訓は続いた。

 後から振り返れば、この頃からだろうか……

 大精霊たちやベギラルムが、俺のことを一人前の『使徒』として認め始めてくれたように思う。

 単なる若造ではなく、創造天使システィフィーナさまに準ずる存在としてだ。


 もちろんシスティも俺をもっともっと大事にしてくれるようになっている。

 最初は単なる任務達成の『駒』として召喚した俺を、本当にパートナーとして扱い始めてくれたように思えるんだ。

 へへ。惚れ直してくれたんかな。


 今でも俺は、3日に1回はシスティの夢を見て暴発しちゃうんだけど、そのパンツも毎回システィが『クリーン』で洗ってくれるようになってるんだぜ。

 俺が起きるとすぐにやって来て、俺のパンツチエックして、汚れてるとやさしく脱がせてくれて丁寧に綺麗にしてくれるんだ。

 俺が暴発してないと、ちょっと残念そうにしてるほどだわ。

 暴発しないのが3日も続くと、その晩から俺の夢の中に乗り込んで来て、すっごいことになっちゃうし。




 或る日、噂を聞いたらしくて、エルダリーナさま(地球担当中級天使)が俺の訓練の見学にやって来た。

 俺はいつもの通り、爆撒して血肉と内臓ぶちまけては復活を繰り返す訓練を続けたんだ。


 エルダリーナさまは、真剣な顔で俺の特訓を見続けた。

 真剣な顔のエルダさまって…… おっかないのな。

 やっぱ80億の人類の創造主だからなあ。迫力あるわ。


 でもさ、俺が20回死んで訓練を終えると、俺を優しくハグしてくれたんだよ。

 俺、思わずビクってしちゃったけど、「お前はまっことシスティフィーナの使徒にふさわしい『おとこ』になったのう……」って言ってくれたんだ。

 ちょっと目の端に涙が滲んでるようにも見えたし。

 へへ。嬉しかったよ。


 エルダさまのお付きの大悪魔たちも、滂沱の涙を流しながら特訓を見ていた。

 訓練が終わると、みんなで号泣しているベギラルムを囲んで労っていたよ。

「よくぞあの困難な試練に耐えておる。同じ悪魔族として誇らしく思う」

 とか言ってたし。

 目の周りを真っ黒にしてやつれていたベギラルムが、ようやく少しだけほっとしていたような顔をしていたわ。


 それからしばらくして、ベギラルムは大悪魔達からの推薦を受けて、中悪魔から大悪魔に昇格するんだけど…… 

 どうやらこのときの功績が認められたのが大きかったようだなあ。




 それから数カ月後。

 俺はついにベギラルムの闇魔法【物理衝撃波:大】を耐え切った。

 もちろん次の一発ですぐに爆撒死したけど……

 同時に攻撃訓練では、正拳突き×20連発と『火槍(大)』×10連発でベギラルムをよろめかせることが出来たんだ。

 ああ、思えばけっこう俺も進歩したかな。


 だから、本当に久しぶりに自分のステータスを見てみたんだよ。



 ======================




 名前:サトル

 種族:ヒト族

 年齢:16歳

 総合Lv:69(+41)

 幸福ハピネスポイント:1418(+606)

 増加分内訳:精霊たちの大感謝

 罪業カルマポイント:0


 加護

 初級天使システィフィーナの加護


 称号:

 創造天使システィフィーナの使徒(初級)

 創造天使システィフィーナの想い人

 創造天使システィフィーナの真のパートナー(New!)

 創造天使エルダリーナが認めたおとこ(New!)

 大悪魔の忠誠心(半分)を持つ男

 世界ガイア管理システムの忠誠心(半分)を持つ男

 悪魔の大饗宴サバトの主祭

 水の大精霊の尊敬(大)

 火の大精霊の尊敬(大)

 土の大精霊の尊敬(大)

 風の大精霊の尊敬(大)(New!)

 光の大精霊の尊敬(大)(New!)


 権限:ガイア世界の管理権限


 装備:マナ・ポーション(初級)

 状態:創造神システィフィーナの加護 ×100 (副作用:発光)


 各種Lv

 E階梯 地球基準6.5

 IQ 地球基準160


 体力系

 総合体力(HP) Lv65(+33)

 内訳

 防御 Lv70(+42)

 攻撃 Lv53(+31)

 俊敏 Lv30(+10)

 器用 Lv33(+11)


 魔法系

 総合魔力(MP) Lv62(+32)

 内訳

 マナ保有力 Lv33(+30)

 マナ操作力 Lv4(+1)

 マナ放出力 Lv4(+1)


 天使力スキル(管理権限)

 『管理システム(アダム)アクセス』

 『管理空間内移動』『管理空間内物質保管』『管理空間内物質認識』

 『鑑定』


 神授スキル 

『マナ使用権限(初級)』『能力上昇上限撤廃』『能力上昇促進』

『不老長寿100年』


 行使可能魔法マクロ

『水球(特大)』 『水槍(大)』 『水切断(中)』 

『クリーン(強)』

『火球(特大)』 『火槍(大)』 『火爆発(中)』

『風球(特大)』 『風槍(大)』 『風切断(中)』

『土球(特大)』 『土槍(大)』 『土操作(中)』

『光球(特大)』 『光槍(大)』

『キュア(強)』 

『身体強化(強)』 『物理衝撃波(中)』


 精神系

 任務遂行意欲 Lv35,182 (+16,921)

 不屈の闘志 Lv55(+50)


 資産

 約8億2,000万円(+3億7,000万円)




 ======================




 総合Lv69か……

 ガイアのヒト族の平均Lvが約12だから……

 計算上、俺はヒト族30万人と互角に戦えるっていうことか。

 思えば遠くへ来たもんだ……





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