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【爆撒英雄サトルのガイア建国記】  作者: 池上雅
第1章 ガイア建国篇
165/325

*** 165 貨幣鋳造準備と『ガイア国建国宣言』全世界へ向けての発布  ***

 



「なあアダム、今さらだけど、この世界の貨幣ってどんなものがあるんだ?」


(大陸西部では、『大聖国』が鋳造した、大金貨、金貨、大銀貨、銀貨、大銅貨、銅貨が流通しております。

 大陸東部では『ビクトワール大王国』が鋳造した貨幣が流通しておりまして、種類は同様です)


「それってどれぐらいの通貨価値なんだ?」


(物価水準から比較すれば、サトルさまの故郷の日本と比較して、銅貨が10円程になりましょうか。

 大銅貨は100円、銀貨は1000円、大銀貨は1万円、金貨は10万円、大金貨は100万円ほどになります)


「大陸の東西で貨幣交換は可能なのか?」


(一部の海運業者では交換が行われている模様です。

 その価値はほとんど変わらないようでございますね)


「それはラクでいいなあ。

 それじゃあさ、大陸東部と西部の大国の金庫から、それぞれ硬貨を何枚かずつ転移させて持って来てくれよ。

 型取りと成分分析が終わったら、また金庫に戻しておいてくれ。

 お前を窃盗犯にするわけにはいかないからな」


(畏まりました)



 それで俺、大陸東西で流通している各種硬貨を手に入れたんだけどさ。

 酷いなぁこの金貨、金なんか60%しか入って無いぞ。

 後はほとんど銅や不純物じゃないか。

 色もくすんでるし。


 『ビクトワール大金貨』の表は建国王の肖像か。

 裏面は王家の紋章になってるんだ。

『大聖国大金貨』は表がシスティの肖像で、裏が法王の紋章か。

 それにしてもこのシスティの肖像、太っててブサイクだな。

 よし! もっと美人の肖像にしてやろう!


 大きさは、どちらも33ミリ程、重さは30グラムね。

 こんなんで100万円の価値かよ。

 まあ、この世界では金の採掘も精錬も大変だからそんなもんか……



『神界土木部』の連中が頑張ってくれていたんで、もう資源の抽出は砂漠の砂1000立方キロ分が終わっていた。

 ここで抽出された金は9000トンだが、そのうち8000トンは地球からの食料や家具の購入代金としてエルダさまに渡している。

 残りの1000トンも、城の装飾なんかにけっこう使っちゃったからな。

 ここらで、金だけ抽出して少し溜めておくか……



 俺はアダムに頼んで、システィの神域に超広大な倉庫を用意してもらった。

 そうしてオーガ・キングの了解を得て、俺が砂漠の砂を大量に転移させることにしたんだ。


 日ごろ掃除機で砂を集めてくれてたオーガ族の連中には申し訳なかったんだけど、ヒト族との戦争準備のためって言ったら、みんな快く了承してくれたよ。


 それに砂漠地帯の緑化も進んで、広大な栗林が出来始めていたんだけど、どうもオーガたちは栗が大好物だったようなんだ。

 みんなで集めて山のように積んだ栗を見ると、みんな頬が緩んでよだれを出すぐらい好きらしい。

 それで、早く砂を撤去して栗公園を広げたかったらしいな。



 俺は数千人のオーガたちが見守る前で、砂漠の砂の転移を開始した。

 1回当たりの転移は1立方キロだ。

 その砂は、アダムがそのまま1立方キロずつ超巨大倉庫に並べていってくれることになっている。


 最初に俺が【砂転移1】の魔法マクロを唱えると、砂漠の砂がごっそりと消失した。


「「「「「「「 おおおおおおおーっ! 」」」」」」」


 はは、オーガ達からどよめきが起きたか。

 だけどこんなもんじゃないんだぜ。


「魔法マクロ定義、マクロ名【砂転移1000】

『魔法マクロ【砂転移1】を1000回繰り返せ』

 以上、魔法マクロ定義終了」


 見渡す限りの砂漠が1キロほど沈降していったように見えた。

 もうオーガたちは声も無い。



「あ、相変わらず凄まじいお力ですな……

 なにやら自分たちの非力さを痛感いたしますわい」


「いやキング、そんなことはないぞ。

 俺の素の力は総合Lvで130ほどしか無いんだ。

 それに比べてキングのLvは853もあるからな。

 それ以外のオーガ達も、平均で350ほどのLvを持っているんだよ。

 だから、俺が加護のネックレスや勲章をつけていなかったら、魔法は別にしてみんなの方が圧倒的に強いんだぜ。


 それにこの砂の撤去を始めてもらった時には、俺はまだこんなことは出来なかったんだ。

 最近2つ目の『銀聖勲章』を貰ったんで、出来るようになったばっかりなんだ」


「ですが…… その加護のネックレスも勲章も、サトル殿が実力と実績で勝ち取られたもの。

 いやはやまったく畏れ入りましたわい。

 ところで、今はそれらネックレスや勲章をすべて身につけられているご様子ですが、Lvはいくらになっているのでございますかな?」


「1億3000万だ」


「い、いちお……」


「まあ、ほとんどぜんぶ神さまにもらった力なんで、そう気にしないでくれ。

 自力でLv853になったキングの方が、よっぽど凄いんだぞ」


「は、はぁ……」




 それからも俺は魔法マクロ【砂転移1000】を150回繰り返して、砂漠の砂をあらから倉庫に転移させたんだ。


 でも……

 しまったよなぁ。

 ぜんぜん考えてなかったよ。


 この砂漠って、そもそも数万年前にマナトンネルが塞がって、行き場を失ったマナが地中で大爆発を起こして出来た巨大な爆裂火口だったろ。

 それでそのときに砕けた岩石が積もって火山みたいな形をしてたらしいんだわ。

 それが数万年の年月で風化して、広がりながら高度も下げて今の砂漠に至ったわけなんだけど……

 だから砂漠自体は、周囲の大地より150メートルぐらいは標高が高かったんだけどさ。

 砂を全部撤去したら、巨大なすり鉢状の地形になっちゃったんだ。

 一番深いところで1000メートルを越える深さの。


 困ったよ。

 これ雨でも降ったら、巨大な湖が出来ちゃうぞ。

 もう既に地下水が湧き出して溜まってるし。


 あ、そうか。

 砂漠の砂から有用資源を全部抜き出して、固体マナも全部抜きとった後に残る黒っぽい砂があったよな。

 あれを液状化して流し込んでおこう。

 それに山を崩してその岩石からの資源抽出も始まったら、残りの岩石も液状化して流し込めばいいだろうし。


 ついでに、この緑地の中心には周囲100キロぐらいの人工湖でも造るか。

 排水は南の方向に溝でも掘って川を作ってやればいいだろう。

 農業用水や魚の養殖にちょうどいいな……



 砂漠の砂を撤去し終えた俺は、『マナポーション(超級)』を飲み干した。

『体内マナ保有力』もLv1億3000万を超えてるんで、もう超級を飲み干してもケツは無事だぜ。


 そうして俺はアダムの超巨大倉庫に転移したんだ。


 すっげえんだぜここ。

 1立方キロ、30億トンもの砂の山が15万個も並んでるわ。

 でもさ、さすがにこれだけの砂の山があると、なんか砂埃が酷いんだよ。

 もう視界は100メートルぐらいしか無いしな。


「なあアダム、この砂埃、なんとかならんかな」


(比較的重量のある粒が浮遊しておりますので、3日もあれば相当に埃も収まるとは思いますが……)


「仕方ないか。まあその間に準備を進めよう」



 俺はコピペで造る貨幣の原型を造り始めた。

 造るのは、大陸東部、西部で流通している貨幣のうち、大金貨(100万円相当)、大銀貨(1万円相当)、大銅貨(100円相当)だ。


 どれも不純物の多い粗悪な貨幣だったから、俺の造る貨幣はもう少し純度を上げてやることにした。

 金貨の構成は、金80%、銅20%、

 銀貨は、銀80%、銅10%、ニッケル10%、

 銅貨は、銅80%、ニッケル20%だ。

 大陸西部で流通する大金貨のシスティの肖像は、美人に変えてあるぞ。


 まあそのうち『ガイア国貨幣』を造り始めたら、もっと美人に変えてやろうか。



 手元にあった金属資源を使っての貨幣作りも上手くいった。

 そうして俺は、各種貨幣について、【貨幣作り100】とか【貨幣作り1万】とかの魔法マクロも用意しておいたんだ。


 出来上がった貨幣を溜めておくコンテナも用意したぞ。

 金貨の比重は塩の7倍近いから、念のため塩コンテナの厚みを20センチにした『貨幣コンテナ』も作った。

 もちろん正面のガラスの厚さも倍にしてある。




 こうして貨幣製造の準備を整えつつ、俺はアダムと一緒に『建国宣言』を起草したんだ。




 =====================



『ガイア国建国宣言』



 このたび、ガイア大陸中心部、中央大平原ならびに大森林地帯を領土とするガイア国が建国されました。

 国の代表はシスティフィーナ創造神、代表代行にはその使徒であるサトル神が就任しております。


 国土面積は東西7500キロ、南北5000キロの約3750万平方キロになります。

 人口は22の種族、約400万人であり、国土面積、人口ともに、このガイア大陸で圧倒的に最大の国が誕生したことになります。



 また、ガイア国では、現在ヒト族侵略軍の将兵約34万人を戦争捕虜として収容しています。

 内訳は、ギャランダ王国軍4万、ビクトワール大王国軍13万(第3王子を含む)、及びその周辺10カ国の貴族軍10万、ノーブ王国軍7万5000です。

 彼らは敗北した侵略軍の戦争捕虜であるため、ガイア国民としてカウントされてはおりません。



 ガイア国との国交樹立を希望される国、

 ガイア国への併合を希望される国、

 属領になることを希望される国、

 捕虜の買い戻しを希望される国、

 またはガイア国との取引を希望される商人の方は、下記地図中にあるガイア国出城までお越しください。



 また、ガイア国では移民を歓迎しております。

 今属している国の重税に不満をお持ちの方、また奴隷の方は、是非ガイア国への移民をご検討くださいませ。

 ガイア国には王も貴族も奴隷もいません。

 みな平等に働いて、楽しい生活を送っています。

 しかもガイア国には税もありません。

 みなさんが育てた作物はすべてみなさんで食べましょう。


 さらに、今移住して頂くと、1人当たり1ヘクタールの畑、充分な作物が実るまでの食料(最低1年分)、清潔な家、衣類、家財道具などが支給されます。

 ですから何も荷物を持たずとも、身ひとつで移住OKです♪


 現在は地図中にある出城でしか移民受付は行っておりませんが、近い将来、大陸中に『移民受付窓口』を設けますので奮ってご応募くださいませ。



 ガイア国代表代行サトル神


(大陸中央部地図添付)



(尚、この『ガイア国建国宣言』は、大陸上のすべての王宮、貴族邸、街、村の約7万5000カ所に届けられています)



 =====================




 俺とアダムは、この建国宣言をまず1000枚印刷した。

 もちろん豪華な紙に金銀の装飾もついている。

 地図もフルカラーだしな。

 そうしてアダムに頼んで、このガイアに有る128の国の王と宰相の執務室に、一斉に転移で送りつけるマクロも作ったんだよ。


 それ以外にも、普通に印刷した建国宣言を張り付けた、大きくて豪華な掲示板も10万個作った。

 そうして、これらをガイアの128の国の王都の広場の各所、約6000ある街の広場や貴族邸の前、約2万5000ある村の広場と村長宅前に転移させる魔法マクロも作ったんだ。


 へへ、これでもう俺がいちいち転移して紙貼って行かなくっても、ガイア大陸全土に『ガイア国からのお知らせ』を届けられるようになったぜ。

 ああそうだ、足つきの大型のスクリーンの魔道具も用意して、掲示板の横に転移させられるようにしておくか……




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