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【爆撒英雄サトルのガイア建国記】  作者: 池上雅
第1章 ガイア建国篇
15/325

*** 15 恐るべき天使の能力であった…… ***

 


 俺の猛訓練と大精霊たちと悪魔の魔法研究は続いた。

 俺は水の精霊たちが作ってくれたマナ・ポーション(初級)をもらい、新型魔法もいくつか覚えたんだ。


 そんな中、またエルダお姉さまから連絡が入ったんだよ。


「おお! サトル!

 お前の言った『男性が元気になる栄養ドリンク』な。

 販売数1万本を超えて、売り上げも5億円を超えたぞ!」


「そ、そんなに……」


「わはははは!

 中身は水と砂糖とマナで、それに女性悪魔のフェロモンと、わたしのツメの垢少々と、『男性元気』の魔法を加えたものだから、製造原価はタダに等しいのだ。

 それで24時間暴発しそうになっておるのだから、ヒト族の男性など単純なモノよの。

 中には泣きながら100本買って行ったアホウもいたわ!」


(…… おじさんたちって…… 苦労してたんだな……)


「これでお前の口座のカネも4億円を超えたのう。

 ウチの商社機能も拡充したから、本当に好きな物が買えるぞ。

 私の使い魔たちは、お前の為だったら本気で働くだろうからの」


「あ、ありがとうございます……」


(『男性元気』の魔法って、システィも使えるのかな……

 ま、まあ俺には必要ないけど……

 それよりも一緒に風呂に入るときのために、『男性暴発抑止』の魔法って無いのかな……


「ところで更なるアイデアは無いのかの?」


「あの…… 

 相手がおじさんたちでしたら、インキンや水虫なんかの治療はいかがでしょうか……

 あと、足や腋が臭いのを直してあげるとか、加齢臭を消してあげるとか……

 それからおばさんたちには、『強力シワ取りエステ』はどうでしょうか。

 イケメンの男性悪魔が施術してくれるとか。

 あ、『脂肪細胞縮小ダイエットエステ』も売れるかもしれませんね。

 おじさんにもおばさんにも……」


「おおおおお! そ、それ全部儲かりそうだのう!

 よし! 早速導入するぞ!

 同じビル内の他のフロアが空いておるから借りるとしよう!」




 ======================


 

 名前:サトル

 種族:ヒト族

 年齢:16歳

 総合Lv:28(+6)

 幸福ハピネスポイント:812(+606)

 増加分内訳:精霊達のケーキ愛

 罪業カルマポイント:0


 加護

 初級天使システィフィーナの加護


 称号:

 創造天使システィフィーナの使徒(初級)

 創造天使システィフィーナの想い人

 悪魔の忠誠心(半分)を持つ男

 ガイア管理システムの忠誠心(半分)を持つ男(New!)

 悪魔の大饗宴サバトの主祭

 水の大精霊の尊敬

 火の大精霊の尊敬

 土の大精霊の尊敬

 風の大精霊の標的

 光の大精霊の標的


 権限:ガイア世界の管理権限


 装備:マナ・ポーション(初級)(New!)


 各種Lv

 E階梯 地球基準6.5

 IQ 地球基準160


 体力系

 総合体力(HP) Lv32(+12)

 内訳

 防御 Lv28(+6)

 攻撃 Lv22(+5)

 俊敏 Lv20(+2)

 器用 Lv22(+2)


 魔法系

 総合魔力(MP) Lv30(+5)

 内訳

 マナ保有力 Lv32(+3)

 マナ操作力 Lv3(+1)

 マナ放出力 Lv3(+1)


 天使力スキル(管理権限)

 『管理システム(アダム)アクセス』

 『管理空間内移動』『管理空間内物質保管』『管理空間内物質認識』

 『鑑定』


 神授スキル 

『マナ使用権限(初級)』『能力上昇上限撤廃』『能力上昇促進』

『不老長寿100年』


 行使可能魔法マクロ

『水球(中)』 『水槍(小)』(New!) 『水切断(弱)』(New!)

『火球(中)』 『火槍(小)』(New!) 『火爆発(弱)』(New!)

『風球(中)』 『風槍(小)』(New!) 『風切断(弱)』(New!)

『土球(中)』 『土槍(小)』(New!) 『土操作(弱)』(New!)

『光球(中)』 『光槍(小)』(New!)

治癒キュア(中)』 

『身体強化(小)』


 精神系

 任務遂行意欲 Lv18,261 (+2,429)

 不屈の闘志 Lv5(+2)


 資産

 約4億5,000万円(+1億4,000万円)







 或る日の夜のこと。

 いつものようにシスティと一緒にベッドに入ると、システィが俺の上に乗って来て顔を近づけ、催促するように目をつむったんだ。

 もちろん俺はすぐにシスティにキスしたんだけどさ。

 キスが終わったあと、システィが俺の額に自分の額をくっつけて、ちょっとスネた口調で言ったんだよ。


「最初のキスはサトルがしてくれたのに……

 その後はわたしが目をつむっておねだりしないとしてくれないんだもん。

 サトル…… わたしとキスするのイヤなの?」


「ち、違うよっ! 俺だってシスティとキスしたいよ!」


「それじゃあなんでサトルからしてくれないの?」


「うっ、そ、それは……」


「正直に教えて?」


「そ、それは…… 万が一にもシスティに嫌われたくないからなんだ……

 それに、いつかキスだけじゃ我慢出来なくなって、俺のオオカミさんが暴れちゃって、それでここにいられなくなっちゃったらどうしようって……」


 途端にシスティは花が咲いたような素晴らしい笑顔で微笑んだんだ。


「ばかね…… 

 わたしがそんなことでサトルのことキライになるなんて、あるわけないでしょ。

 それに、わたし、サトルにだったらどんなことされてもいいもの。

 いつでもわたしにしたいことしてね♪ わたしのオオカミさん♡」


「し、システィ…… う、うおおおおおおおおお~っ!」


「あ、あんっ♡ う、ウレシイ……」


 それで俺はとても口には出せないことをシスティにしてしまったんだ。


 そうしてとうとう……



「あぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~んっ!」



 そう…… 俺のオオカミさんは暴発してしまったんだよ……









(ん? あ。あれ? 知ってる天井が見える……

 なんだ? 俺どうしたんだ? た、確かシスティと……

 あ…… そ、そうか、あれ夢だったのか……

 ほっとしたような残念なような……


 あれ? 待てよ……

 お、俺確か夢の中で……)


 俺は恐る恐るトランクスのゴムを引き上げて中を覗いた。


(うわっ! ひ、ヒデェことになってる……

 こ、これが噂に聞く夢の精か……

 お、俺ほんとに健康体になったんだな…… ちょっと感動……

 しっかしこれどうしたもんか……)



 俺はそーっとベッドを抜け出して、音を立てないように風呂場に行った。

 そうして、背中から哀愁を漂わせながら尻丸出しでパンツを洗ったんだ。


(こんな姿システィに見せらんないよなあ……

 こんど大精霊たちに『クリーン』の魔法教わらなきゃな……

 あ、で、でも、クリーンで消えたアレってどこ行くんだろ?

 ま、まさか精霊たちに見つけられて、指差されて笑われたりしないよな……)





 そのころシスティは……


(あ、サトル、起きたみたいね。

 あれ? なんでお風呂場に行ってるのかしら? 朝からお風呂?

 あ、でも下着洗ってる……

 あ、こ、これって…… ひょっとしてお姉さまが仰っていた若いヒト族の男の子の……

 そ、そういえば、さっきまでサトル、私の夢見てたわよね。

 それで何故か夢の中で私のこと裸にしたり触ったり子作りの練習とかしてたけど……

 そうか…… サトルったら私の夢を見て子種出しちゃったのね……

 うふふ…… なんだか嬉しいわ♡)





 恐るべき天使の能力であった……








「おはようサトルん♡」


「あ、ああ、おはようシスティ……」


(や、ヤベぇ…… システィの顔、まともに見らんねぇ……)


「はいどうぞ、朝のトレーニングの前のオレンジジュースとコーヒーよ♡

 トレーニングの後の朝食はヒレカツ定食と山盛りサラダでよかったかしら?」


(な、なんかシスティ、みょーに機嫌がいいんだけど……)


(あ、サトル…… いつもとちょっと匂いが違う……

 そうか…… これがサトルの子種の匂いなのね♡

 で、でもこれはこれで、男の子らしいステキな香りかも……

 サトル…… 使命が無事終わったら、わたしにも子種ちょうだいね♪

 わたし、きっと可愛いあなたの子を生むから♡)




 重ねて言うが、恐るべき天使の能力であった……






 …… システィが匂いフェチのヘンタイかもしれない件について ……






 翌日の晩、いつものように一緒にベッドに入ってキスすると、システィが言ったんだ。


「ね、ねえサトル……

 ひ、ひょっとしたら、キス以外にもわたしにしてみたいことってある?」


(や、やべぇ…… 理性飛びそう。オオカミさんになっちゃいそう……

 あ、部分的にオオカミさんになっちゃった……

 い、イカンイカン! 冷静にならねば! 色即是空、空即是色……)


「な、なあシスティ…… 翼に触ってもいいか?」


「えっ…… い、いいい、いいわよ…… さ、サトルが触りたいのなら……」


 システィ…… なんでそんなに狼狽してるんだ?

 うわっ! す、スゲえなこの羽の手触り……

 昔、帝に献上されてたっていう天上のシルクってこんなカンジだったのかな……


「…… あ♡ ……」


 ? 


 システィどうしたんだ? 痛かったのかな?

 それにしては甘い声だったけど……


 俺はそっと翼の裏側も触ってみた。

 うわぁ、あったかいなあ。 鳥の翼の裏側もあったかいっていうけど……

 天使もそうだったんだなあ……


「…… あん♡ ……」


 ??? 


 俺は翼の裏側の、付け根の部分を撫でてみた。


「…… ああん♡ そ、そんなところ……」


 なんだなんだ?

 俺は翼を少しめくって、付け根部分を見てみた。

 ふつーの付け根だ。


「あ、み、見られちゃってるぅ……」


 ?????


 俺は付け根部分をこしょこしょしてみた。


「…… あぁぁぁぁぁぁ…… くぅぅぅぅぅぅぅぅぅん」


 こしょこしょこしょこしょ……


「あ、ああああああああああああああ~っ!」


 そしたらシスティが体を硬直させてピクピクしちゃったんだよ。

 ま、ままま、まさか…… 天使の翼の裏側って……


 急にぐったりとしたシスティは、ようやく顔を上げた。

 そうして頬を染めて、潤んだ目で俺を見つめて言ったんだ。


「今日のサトル…… とってもエッチだったわ♡」


 そうして恥ずかしげに服を直した後、手で顔を覆って寝室からぱたぱた走って出て行っちゃったんだよ。



(や、やっぱりそうだったのかな?

 そ、それにしても、この理不尽なまでのやるせなさ感がハンパ無いな……)



(サトルったらあんなに恥ずかしいことするなんて……

 わたし、初めて男の子にあんなところ見られちゃったし触られちゃったんだから……

 で、でも、またサトルに見られたいし、触って欲しいの…… 

 わ、わたしもエッチなのかしら……

 そうだ! 今晩はサトルの夢の中に行って、もっと触ってもらおうっと♡

 わたしもサトルを触ってあげようかな♡)










「あぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ~~~~~~んっ!」



(とほほ…… またパンツ洗いかぁ……)



 その日、俺が水の大精霊ウンディーネに頼んで『クリーン』の魔法を教えてもらってたら、何故かシスティが恥ずかしそうに真っ赤になってたんだよな。

 なんだったんだあれ?





 ------------------------------




 名前:サトル

 種族:ヒト族

 年齢:16歳

 総合Lv:32(+4)


 ……(中略)……


 行使可能魔法マクロ

『水球(中)』 『水槍(小)』 『水切断(弱)』 

『クリーン(恥)』(New!)

『火球(中)』 『火槍(小)』 『火爆発(弱)』

『風球(中)』 『風槍(小)』 『風切断(弱)』

『土球(中)』 『土槍(小)』 『土操作(弱)』

『光球(中)』 『光槍(小)』

治癒キュア(中)』 

『身体強化(中)』


 ……(後略)……




 ======================




 なんだよ! 『クリーン(恥)』って!







…… 主人公が最初の天使域からまだ一歩も外に出ていない件について ……



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