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【爆撒英雄サトルのガイア建国記】  作者: 池上雅
第1章 ガイア建国篇
144/325

*** 144 悪魔っ子たちと精霊たちの地球研修ツアー ***

 


 俺は大城壁の南西の隅と南東の隅に飛んで、その場所を直径10キロほどの『小城壁』で囲み、内部を整地した。

 城壁の高さは15メートルほどだ。

 敢えて、ヒト族どもがこれなら頑張れば乗り越えられると思う高さにしたわけだ。


 それから俺は大城壁沿いの西側と東側にたくさんのヒト○イホイを造って行ったんだ。

 100人ほどが泊まれる小さいものから2000人用の中型のものまで、壁沿いにおよそ50キロおきぐらいに。

 そうして、その入り口には看板を張り付けたんだよ。


「この宿泊施設はガイア国民専用施設です。他国の者の無断宿泊を禁止します。無断宿泊者は処罰されます」って書いて。

 それで中には水場や宿泊施設はもちろん、大量の毛布や食料を設置しておいたんだわ。


 城壁にも5キロおきに看板を張り付けて行った。

「←小宿泊所10キロ。中宿泊所40キロ→」とかって書いたやつをな。

 へへ、これでヒト族軍を50万人ぐらい捕獲出来るんじゃないか? 



 もちろん収容所の数も増やしたぞ。

 大城壁の南壁の内側100キロの地点から南北200キロ、東西2000キロに渡って『収容所街』を造ったんだ。

 重罪犯1人用の終身収容所は100メートル四方、4人用の収容所は200メートル四方で、軽犯罪者用の100人収容所は1000メートル四方だ。

 すべて高さ50メートルの壁で覆われていて、脱出はほぼ不可能。

 これらを計500万人分造ったんだ。

 まあ整地さえしておけば、後は魔法マクロのコピペで増やせるから簡単だ。

 万が一脱出出来たとしても、最寄りの街まで1000キロはあるからなあ。

 途中で捕まえるのは容易だろう。

 ってゆーか捕まえてやらないと、途中で枯れ死するか餓死するか……





 悪魔っ子たちの地球休暇&研修旅行が始まった。

 エルダさまの経営する温泉旅館は、もともとエルダさま専用みたいなものだったらしく、予約もほとんど取っていなかったんで簡単に貸し切りに出来たようだ。



「ねえねえ、地球ってすごいわよね」


「うん、ネットでは見てたけど、実物はすごいね」


「このテレビ、チャンネルが8つもある……」


「それ以外にもケーブルテレビっていうのもあって、なんかすごい量の番組があるね」


「番組もいろいろねえ……

 なんか真面目なニュース番組からみんなが笑ってばかりいる番組まで」


「なんか悪魔界のテレビより笑う番組が多いね」


「あ、『天気予報』だ…… そうか、これ、ガイアでもやるといいかも」


「アダムさんたちなら明日の天気ぐらい予想出来そうだね」



「うっわー、すっごい料理…… こんなにたくさんの器を使うんだぁ」


「テーブルの上で火まで焚いてるよ。あ、これ『鍋料理』だ!」


「こ、これ生のお魚よね……」


「うん、そうみたいだね。

 でも地球では生でも食べられる魚はすっごく高いって言ってたよ」


「美味しいねー♪」


「ベルミアさんの料理も美味しいけど、こっちの料理も美味しいねー♪」



「ねえねえ、この緑色の台、なんだろう?」


「なんか間に低いネットが張ってある」


「うふふ、これは『卓球台』って言って、『卓球』をして遊ぶものなのよ」


「小悪魔さま、どんなふうに遊ぶんですか?」


「それじゃあ最初はわたしたちがやってみせましょうか」



 コン……コン……ココン……ココン……カッ。

「あ! あー、また負けちゃったぁ……

 って、こういうふうに遊ぶのよ。

 やってみるとけっこう面白いわよ♪」


「面白そうですね」


「それじゃあみんなで交代でやってみようか」



(数時間後……)


「コッ、コッ、コッ、コッ、コッ、コッ、コッ…… スパーン!」


「きゃあ!」


(さらに数時間後……)


「コカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ、

 スパーン!スパーン!スパーン!スパーン!スパーン!」



「な、なんなのよあなたたち……

 ま、まるでオリンピックの卓球競技見てるみたい……」 


「ふー、この遊び面白いですね。これガイアの学校でも流行るかも」


「ね、ねえ、どうしてそんなに運動神経が良くなったの?」


「そうなんですか? みんなこんなカンジですけど……」


「あ、あなたたち…… 総合Lvはいくつなの?」


「そうですね、みんなの平均で60ぐらいにはなっていますか……」


「そ、そんなに…… 

 それって完全に小悪魔から中悪魔にかけてのレベルよ……

 ど、どうしてそんなレベルになれたの?」


「うーん、教官殿と毎日鍛錬してるからですかねえ?」


「そ、その教官さんって、Lvはいくつぐらいの方なの?」


「えーっと、確か最近1900になったって仰ってました」


「!!! そ、そんなものすごい方と毎日鍛錬してるんだ……」


「でもとっても優しくっていい方なんです。

 それに、その方だけじゃあなくって、その仲間の方も大勢教官をして下さってるんです」


「な、なんか羨ましいんだか恐ろしいんだかわからない話ねぇ……」




 地球の悪魔さん達は、悪魔っ子たちを海外のシティホテルやリゾートホテルにも連れて行ってくれた。

 なにしろ地球では、エルダさまの金融シンジケートのコネや無制限の予算があるからな。

 1泊20万円クラスの超高級ホテルに泊まって、あらゆる体験や見学もさせまくってやっている。


 ホテルでの結婚式の見学、パーティーの見学、ウインターリゾートでのスキーやスノボの体験、ビーチリゾートでの各種マリンスポーツの体験もだ。


 ついでに売りに出ていた小ぶりな高級ホテルがいくつかあったんで、そのなかでも内装の美しいところは、支配人や従業員はそのままで【株式会社、エルダーシスター】名義で買ってもらったんだ。


 ついでに欧州各国で、売りに出ている旧貴族邸や城があったんでこれも買ってもらった。

 そうして現地の管理会社と契約して、完璧に修理修繕も施して行ったんだよ。

 特にイギリスのマナーハウス(旧貴族邸)は素晴らしかったなぁ。


 それからいくつかの都市に、拠点となる大きな家も買った。

 今後30年間の維持費も込みで1兆8000億円ほど使ったけど、これで地球での拠点も出来たんでまあいいだろう。



 そうして、それら貴族邸や城にはガイアの精霊たちも連れて行ってやったんだ。

 みんな喜んでたぞ。

 特に土の精霊たちなんかは夢中になって邸や城の内装を見てたし。

 もちろん精霊たちはみんな『変身へんげ』で人間の子供に見えるようにしてあるぞ。



 それで彼らが地球に慣れてきて、うっかり飛んだりしないようになったら、世界遺産や各地の宮殿ツアーとかにも連れて行ってやったんだよ。

 ツアーの添乗員は、金融シンジケートの幹部社員が派遣されてたから、多少ボロが出ても大丈夫だったし。

 まあ、今まで働いてくれたご褒美兼、これからのガイアの建築の参考にもなるだろうからな。


 その中でも、特に宮殿内の豪華な内装に興味を持った土の精霊の『棟梁』には、500組1000名ほどの収容人数を持つホテルの設計を頼んでおいた。

 4階建てぐらいで宮殿みたいな豪華なホテルをだ。


 そのために必要な資料や写真集なんかは、好きなだけ買うようにも言っておいたし。




 こうした『研修ツアー』の効果もあったのか、中央街の『中央大神殿』は素晴らしいものになりつつあった。

 基本設計はスペインの『サグラダ・ファミリア』のそれを拝借したようだ。

 あの現在建築中で、完成は150年後って言われてる大教会だけど、その実際の建物の中には、『完成予想模型』が置いてあるんだよ。

 それを土の精霊たちが夢中になって見て、資料も買いまくって参考にしたらしいんだ。



 システィが降臨する中央聖堂の高さは200メートルもあって、それ以外にも美しい白亜の尖塔が大小20本も立っている。

 その建物にはほとんど直線部分は無い。

 すべて曲線で構成された彫刻で覆われていた。


 聖堂の内部も広大で、ステンドグラスの散りばめられた聖堂だけで収容人員は1万人近いんだけど、そこから縦長の信徒席スタジアムが延々800メートルも続いているんだ。

 中央にはシスティが歩くキャットウォークがあって、さらにそこから信徒スタジアムを昇る形で直行するキャットウォークもある。

 ちょうどカタカナの『キ』の字をたくさん連ねた形の通路だな。


 もちろんこの信徒スタジアムは開閉式の屋根で覆われているんだ。

 まあ動力は無いから、アダムが魔法で屋根を出したり引っ込めたりするだけなんだけど。



 この『中央神殿』の最大収容人数は現在20万人だ。

 中にはドラゴン族やベヒーモス族専用のスペースもあるし、他の巨人族用のデカい席もある。

 壁面には、各種族が仲良く暮らしている様子を描いた巨大な壁画もあった。

 うーん、土の精霊たちの絵の腕も、大分上がって来てるなぁ……




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