ライラとエイル3
その時勢いよく扉が開いた。
ドカドカと足音を立てながらエイルが入ってきた。
「クリヴ!!ライラに手を出すなっとあれほど言っただろう!!」
エイルはクリヴの胸ぐらをつかんで力を込めた。
「ライラに何の用だ」
「用ならもう済んだ、俺はもう行く。じゃあな」
エイルの手を払いのけクリヴは笑いながら離宮から出て行こうとした。
それを後ろから追うようにエイルが詰め寄る。
「待てよ、クリヴ!お前・・・!」
「何だようるせぇな!」
二人とも段々イライラしてきていた。
それを見ていたライラは二人を止めようとした。
「待ってください!大丈夫ですから。何もされてません」
「・・・本当か?でも、服が破れているぞ?」
あっと思い手で胸元を隠し、ライラはクリヴから何もされていないことを伝えようと頑張った。
「危なかったですけど本当に何もされていません!!」
「そうか。無事でよかった・・・」
そう言うとぎゅっとライラを抱きしめた。
それを見ていたクリヴは悪態をつき部屋から出て行った。
「馬鹿らしいくなったー・・・」
はぁーっとため息もついていた。
「あっ、でもこれもらいました」
言いながら兎のぬいぐるみを見せた。
「兎のぬいぐるみ?・・・可愛いな・・・」
エイルは兎のぬいぐるみを手に取り、撫でた。
「エイルって本当にかわいいもの大好きなんですね」
「何でそう思う?」
「クローゼットの中のドレスとか、部屋にある小物とか壁紙とかかわいい系で統一されています」
「~・・・そうだライラの言う通り俺は可愛いものが好きなんだ。可笑しいか?大人の男が可愛いもの好きって・・・」
うーんっとライラは考え込んだ。
「おかしいとは思いませんが珍しいですね」
「そうか」
エイルはほっとした表情を見せた。
「エイル、結婚の話はもう少し時間をください」
「え!?ライラは俺の正妃になるのがそんなに嫌なのか?」
「いいえ!そうじゃありません!!」
(ただもう少しこの関係を続けていたいから・・・正妃になれば忙しくてこんなにゆっくりエイルと過ごせなくなる)
「わかった。待つよ」
「すみません。ありがとうございます」
「色々なことがありすぎて少し心の整理もしたいんです。気持ちの整理ができたらー・・・」
(その時が来たら)
「私をエイルの正妃にしてください」
いきなりそんな告白をされたエイルは頬を赤らめてしまった。
「ああ、もちろんだ」
エイルは何とか取り繕いそう言いライラに口づけをした。