表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一羽の少年  作者: らいこ
4/8

突然の訪問者

「好きなだけここにいてくれていいよ。」

クロルのその言葉に甘え、俺はしばらくここでクロルたちと過ごすことにした。

クロルには助けてもらった恩もある。乗ってきた宇宙船が直るまでの間、俺で役に立てる事があるならなんでもしたいと思っていた。

ときどき来るという各星々を巡回しているバスのような乗り物に乗り、マーケットのある惑星にも行った。見たことのない食べ物や生物たちにもあった。どうやら少なからず地球とこの星々とは交流があるらしい。詳しくはわからないが宇宙船に乗って地球人が着陸する度に少しずつ交流をしていったそうだ。公には公表できないことなのだろう。


気がつけば月に来てから半年が経とうとしていた。月での生活はクロルたちのおかげで楽しく過ごすことができ、あっという間に月日が流れていった。地球に帰らなくてもいいかもしれない。そんな事を思い始めたある日だった。

「んー?あれってもしかして•••。」

あいつが月にやってきたのは。



バタン

「クロル?」

息を切らせてクロルが家へ帰ってきた。

「良介。来たよ。」

クロルは俺の顔をまっすぐ見てそう言った。


クロルに連れられて外に出る。そこにあったのは、

「!これって!」

目の前には宇宙船があった。それも俺が乗ってきたのと同じ型のヤツだ。「どうしたのか。」とクロルに確認を取ろうとしたその時、

「いってー!」

予想もしていなかったことが起きたのだ。

宇宙船の周りに立ち込める粉塵の中から声が聞こえてきたのだ。

「あー!」

まだ姿はこちらからは見えない。でもこの声、どこかで聞いたことがある気がする。

「•••いた。本当にいた!」

煙の中の人物は俺の腕を掴んだ。

「迎えに来ました!良介さん!帰りましょう!」


煙の中からは見知った顔。突然かけられた「帰ろう」という言葉。まだ状況を飲み込めていない俺の後ろ姿をクロルはどこか寂しそうに見つめていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ