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ステータスが見えるようになったらハーレムできた  作者: マルコ
エピローグ

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エピローグ。そして……

 あの後、特に何事もなく旅行は終わった。

 彼女たちの買い物に付き合って荷物持ちしたりな。

 旅行から帰って来てからも、何かと入り用なアリシャの買い物に付き合って荷物持ちしたり。

 みんなとのデートで荷物持ちしたり……


 ──なんか、荷物持ちばっかりさせられてないか? 俺……


 まぁ、そんなこんなで、あっと言う間に夏休みは過ぎ、新学期の登校日となった。

 それはつまりは、アリシャの初登校の日だ。


「どうだ? 似合ってるか?」

「うん、すっごい似合ってる!」


 新しい制服を着たアリシャを、沙織が褒めている。

 無論、俺も褒める。


「お世辞抜きで、学校一似合ってると思うぞ」


 男子制服が。


 確かに、校則には「学校指定の制服着用のこと」と書いてある。だが、性別の指定は無いので、別に女子が男子制服を着ても校則違反ではないのだ。

 ちなみに、アリシャは女子制服も持っている。気分で変えるそうだ。


 そんなアリシャと俺は連れ立って通学路を歩いている。


「今日から一緒に通えるんだな」

「だな。まぁ、教室は別だけどな」


 休み前は出かける時に見送ってもらうだけだったけど、こうして一緒に登校できるようになると、感慨深いものがある。一緒に登校するなんて、小学校以来だからな。


「陽子と一緒のクラスだから、体育も別なのは残念だ」


 体育は2クラス合同でやるので、隣のクラスとなら一緒になる。だけど、陽子とアリシャのクラスと俺たちのクラスでは、体育でも別々だ。でも、まぁ……


「もともと体育は男女別だから、俺はどっちでも一緒だな」

「そうなのか?」

「アマレスでは違うのか?」

「男女一緒だったな。そういう細かい部分の常識に、まだ齟齬があるなぁ」

「へー」


 所変われば、授業の方法も変わる。まぁ、細かいフォローは陽子がしてくれるだろうから、あまり心配はしていない。


 そんな風に喋りながら登校すると、あっという間に学校に到着だ


「じゃ、俺は職員室に行くから」


 上履きに履き替えると、アリシャとは別行動だ。しかし……


「職員室の場所は分かるか?」

「編入試験の時に来てるからね。その辺は問題ないよ」


 そういえば、編入試験の時も学校に来たんだったな。

 なら、案内は不要だろう。


「そっか。じゃ、次は放課後かな? 多分休み時間とかは質問責めだから、覚悟しておけよ。」


 転入生で外国人(日本人でもあるけど)で美人で男装だ。話題には事欠かないだろう。


「忠告ありがとう」


 言って職員室に向かう先に、香苗先生の姿が見えた。どうやら、迎えに出てくれたらしい。

 何だかんだで面倒見の良い彼女なのだ。

 さて、俺も自分の教室に向かうとするか。


「おはよう」

「おう、おはよう」


 クラスメイトに挨拶する。心なしか、女子の数が少ない気がする。まぁ、夏休み明けだから、のんびりしてるだけだろうけど。

 なんとなくみんなのステータスをみると、ちらほら脱処女・童貞を果たした奴が居る。……清流院と海藤もだ。おめでとう海藤。

 片岡は子1が増えてるな。そういえば妊娠してたんだっけか。今回は産んだんだな。こっちもおめでとう……って、計算合わなくないか? 早産ってレベルじゃないだろ? どうなってるんだ?

 ……今度祐太郎さんに聞いてみるかな? 専門家なら、それらしい理由も知ってるだろ。

 そんなこと考えていると、恵が登校してきた。


「おはよう」

「おはよう」

「ねえ、アリシャって、もしかして男子制服?」


 朝の挨拶もそこそこに、恵がそんな事を聞いてきた。


「よく分かったな?」


 アリシャと一緒に歩いているのを見た風でもないんだが……


「やっぱりね。なんか、職員室に凄いイケメン転校生が居る。って廊下で噂になってた」


 ああ、なるほど。


「まぁ、服装が服装だからなぁ。もしかして、教室の女子率低いのあいつのせいか?」

「かもね。智恵子も見に行ったし」


 智恵子って……ああ、坂上さんか。

 そういえば友達だったな。


 そうこうしているうちに担任の先生が教室に入って来た。

 少し遅れて、数人の女子が入ってきて注意されていたのはご愛嬌かな。


「えー、始業式の前に、転入生を紹介する」


 ようやく全員が揃って朝のHRの開始と共に、先生がそんな事を言った。

 あれ? 俺のクラスに変わったのか?

 そんな疑問が出てきたが、先生に呼ばれて入ってきたのはアリシャではなく──先日の旅行の時に出会った、ステータスの見えない彼女だった。そういえば、名前も聞いていなかったけど……なんでここに居るんだ?

 いや、転入生なんだろうけど。


「アマレスから来ました。アルメイア=ノウェムです。アルメイアが姓ですので、気軽にアルメイアさんとお呼びください」


 普通、そこはノウェムさんじゃないのか。

 その後、すぐに体育館で始業式となったので、彼女への質問タイムはお預けになった。


 そして、始業式の壇上で新しい先生として紹介されたシルンと目が合い、何か邪悪な笑みを浮かべたのを見て、俺はどうやらあのロリババアにロックオンされたらしい事を悟った。



 ◇



 変な夢を見た。


 なんか、ステータスとか異世界とか言ってたけど……あれ、父さんたちだよな?

 うわー、いくら夢でも無いわー。

 アレだと、母さん達がサキュバスとか鬼とか吸血鬼とか人造人間って事だろ? あとお母さんがエルフ?

 うん、無いな。

 ウチは平凡な──とは口が裂けてもいえないけど、母親がいっぱいいる以外は普通の一般家庭なんだ。あんなトンデモ設定とは無縁だ。


 そんな事を考えていると、不意に誰かが抱きついてきた。


「しんちゃーん。起きたー?」

「美羅姉ぇ、ちょ、朝っぱらから抱きついてくんなよ」


 まぁ、予想はしてたけど、美羅(みら)姉ぇだった。

 ほとんど毎日こんな調子なんだよな。うちの女性陣……母さん達も含めて一番 大きい(・・・)ので、年頃の男子としてはその……嬉し困る。


「んー、この寝汗とか一晩布団の中で熟成された体臭とかがいい感じにえっちぃー」

「完全にヘンタイじゃないか! そんなんじゃ、彼氏できないぞ」

「しんちゃんが居れば、彼氏なんていらないもーん」


 いや、姉とはいえ、こんな美人にこんなセリフ言って貰えると男冥利に尽きるね。


「新也、美羅姉甘やかしちゃダメよ」


 そんな風に声をかけてきたのは、(とも)姉だった。


「分かってるよ」

「昨日もそう言ってたじゃない」


 あきれられてしまった。

 流石我が家の次女。しっかりしてらっしゃる。

 長女? 俺に抱きついてクンカクンカしてますが、何か?


「ところで、ヒマは?」

「今起きたばっかの俺が知るかよ……いや、待った」


 とある感触があったので布団をめくると……

 気持ち良さそうに寝ている妹の向日葵(ひまわり)を発見した。


「まったく、また潜り混んでたのね」

「あははは……」


 一歩間違えれば人生が終わるシチュエーションだが、日常茶飯事なのでこの扱いだ。


「兄さん」

「お、のぞみどうした?」


 新たに部屋に入ってきたのは、もう1人の妹であるのぞみだ。

 そういや、のぞみが生まれた時は異様にシルンバァちゃんが喜んでたな。

 夢の通りだと、人造人間のノウェム母さんに子供ができたから。って事になるけど……

 ねーな。遅くにできた娘に子供が生まれれば、あんな感じになるんだろう。


「父さんが話がある。って」

「わかった。着替えたらすぐ行く。って伝えてくれる?」

「うん」


 ててて……と去るのぞみ。うん、我が家の末妹は今日も可愛い。

 それは当然として……


「なんの話だろ?」

「ま、なんとなく想像つくけどね」


 口に出た疑問に、智姉さんは心当たりがあるようだ。


「どんなこと?」

「お父さんより早く言うわけにはいかないわよ」


 別に前情報として教えてくれても良いと思うんだけどな。


「それより、早く着替えないと」


 美羅姉ぇがそんな事を言ってくるけど……


「いや、みんなが居ると着替えられないんだけど……」


 姉弟(きょうだい)とはいえ、女の子の前で着替えるのはどうかと思うのです。上だけならともかく、下も着替えるし。


「何生意気に恥ずかしがってるのよ。ほら、脱いだ脱いだ」


 結局、2人に剥かれそうになったので、自主的に脱ぎました。

 ……いや、もう何回も見られてるけどね?


 ◇


「父さん、おはよう」


 どうにか着替えて父さんの待つ書斎にやってきた。


「おはよう。そして、遅くなったが、誕生日おめでとう。わるかったな。当日に祝えなくて」


 父さんは先日の誕生日に仕事で一緒に祝えなかったことを謝罪してきた。

 とはいえ、産婦人科医という職業はそういうものだと、いい加減学習しているし、クラスメイトでも家族揃って祝うのはむしろ少数派になってきている年齢だ。


「しょうがないよ、お産が続いたんだし。もう15なんだから、それくらいでスネたりしないよ」


 昔はスネたけどな。だけど、この年齢ではちょっと恥ずかしくなるくらい祝われるので、少し抑えてもらいたいくらいだ。


「そう、もう15歳だ。なので、お前にも我が家の秘密を教えておくとしよう」


 そう真剣な表情で話し出した父さんの語る我が家の秘密とは……今朝夢で見た内容そのままだった。

 正夢だったのかよ!? あ、この場合は過去夢って言うんだっけ?

 ともかく……


「なんか、自分の事なのに全然知らなかった……」


 俺、エルフだったのかよ!?

 言われてみれば、お母さんがちょいちょい耳を触ってきてたな。あれ、魔法で耳を隠してたのか。

 つか、美羅姉ぇが吸血鬼で、智姉がサキュバスって、マジか? 逆じゃなくて?


「で、だ。エルフの男ってのが生まれたのは100年振りらしくてな」

「え、そうなの?」


 俺の困惑をよそに父さんが話を続けるが、なんか凄そうな事を言い出した。


「俺も詳しくは知らないけどな。そうらしい」


 そうか、俺は貴重なのか。

 そういや、メアリおばあちゃんの親戚とやらが、やったらとチヤホヤしてきてたな。

 多分、あの人達もエルフで、俺が貴重な男エルフだからかな。


「で、お前には子作りを頑張ってもらいたいんだ」

「うん、任せてよ!」


 父さんが頼みごとなんて珍しいな。

 とりあえず、俺も15になったからには、期待には応えるつもりだ。頑張って子作りするぜ!


「………………はい?」


 意味を理解した時、俺の口から締まらない疑問の声が出た。


 ──to be continued?


 と、いうわけで、本編はこれにて最終回です。


 とはいえ、不定期かつ時系列無視で後日譚を投稿するかもしれませんので、その時はまた見てやってください。


 というか、思いつくネタが思いっきり時系列飛んだ部分だったりして、「そこにたどり着くまでのお話」を考えるのがキツイので、一旦締めよう。という感じです。


 本編の最後とか、その極みですよね。

 主人公がまだ高校生なのに、その子供の話思いついてどうするねんと。


 しかも、どう考えても18禁ネタ。


 まぁ、そっちはそっちで別で出すかも知れませんので、見かけたらよろしくお願いします。

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