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ステータスが見えるようになったらハーレムできた  作者: マルコ
ステータスが見えるようになったら彼女ができた
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パンツを見たら両想いになれた

「お願します! 誰にも言わないで下さい! お願いします! 何でもやりますから!」


 彼女はどうやら、正体がバレたら黙っていてほしいと懇願するタイプだったようだ。

 達也としては、先ほどまで考えていた通り、言いふらそうとは考えていない。

 過剰に怖がっていたのに、肩透かしをくらってポロっと知っている事を漏らしてしまったのだ。


 しかし、この状況で女の子から「何でもやります」というのは、男子高校生としては見逃せない。しかも相手はサキュバスだ。

 顔だって良い。片岡 咲(ビッチアイドル)ほどではないが、十分に美人と言える。

 スカートの丈が膝下をキープしているのも、良い。変に短いスカートはダメだ。

 そういえば、こんなスカートではパンツなんか見えないだろう。何で見られたと思ったのだろうか?

 まぁ、簡単に見えるパンツに価値は無いと思っているので、適度にガードが堅いのは達也好みで良いのだが。


 体型に関しては評価が分かれるところだろう。

 スレンダーな体型だが、それ故に胸も無い。(ステータスを見る限りは)

 達也は別に巨乳絶対主義ではないので、特に問題はない。


 ここで先ほどまでの会話を思い出す。


 経緯や状況、手段はともかく、達也は告白されたのだ。経緯や状況、手段はともかく。


 それに対してまだ達也はなにも答えていない。


 率直に言って、嫌では無かった。

 普通に告白されたら断る選択肢など無かっただろう。


 では、何が問題なのだろうか?


 サキュバスだから?


 先ほどまでは怖ろしい相手だと考えていたが、目の前で懇願する少女からは何も危険を感じない。

 結局、何も問題は無いのだ。とりあえずは、彼女の不安を解消してあげるのが先だろうと声をかける事にした。


「安心して良いよ。……最初から言いふらすつもりなんか無かったし」


 その言葉に、恵は安堵の笑みを浮かべる。


(あ、可愛い)


 単純な達也はそれで完全に落ちた。


「それにしても、パンツに名前。って誰に聞いたの?」


 誰かに騙されてるとしか思えなかった。


「誰に、って……みんなやってるよ?」

「マジで!?」

「うん。着替えの時とかに見えるから、女子は誰が誰を好きとか、みんな知ってる」


 衝撃の事実だった。

 達也が知らないだけで常識なのだろうか?

 少なくとも、妹のパンツに彼氏の名前が書いてるのなんか見た事無いのだが……


「どんな風に書いてるんだよ……」

「見る?」

「いいの? じゃぁ見せ……て」


 恵が自然に聞いてきたので、素で答えかけて……途中で気が付いた。


 ――今何を言った?


「しっかり……見てね」


 彼女の顔が再び赤く染まり、ゆっくりとスカートを持ち上げる。



 膝



 太もも



 徐々に上がる布を、達也の目が追いかける。そして……



 遠藤 達也


 そう書かれた下着が露わになった。


 想像以上に「クる」光景だった。


 クラスの委員長がスカートをたくし上げてパンツを見せている。

 これだけでも破壊力は抜群だろう。

 そこにさらに、自分の名前がパンツに書いてあるのだ。


 達也は言い知れぬ感動を覚えた。



「これで、両想いになれたな」


 達也からそんな言葉が出た。


「もうちょっと、気の利いた事言えないの?」

「しょうがないだろ、彼女なんて居た事無いんだし」


 そんな会話をしつつも、達也の目はその場所に釘付だった。


「なぁ、触って良いか?」

「……先にキスしてくれたら、良いよ」


 達也にも異存は無かった。順番は大事だ。



 -----------------------------------------------------



「結構、時間経っちゃったな」


 スマホの時計は、2時間経ったことを示していた。


「大丈夫。私の能力でこの部屋の中、外とは時間の流れが違うから。外では2分しか経ってないよ」


 服を着ながら、さらっと恵がとんでもない事を言った。


「何それ、スゲーなサキュバス」

「この能力とかのせいで、夢魔とか呼ばれてるのかもね。何も知らないと、夢だと思うだろうし」


 とはいえ、彼女の実力では操る時間は3、4時間が限界なのだが。


「ああ、『時空隔離』ってやつか。教室で俺を操ったのって、『操作魔眼』?」


 ステータスでは、筋力や体力の他にスキルなども見ることができる。

 普通の人間なら、「日本語」「英語」「数学」といった学力関連のスキルや「剣術」「体術」「サッカー」といった部活関連と思われるスキルしかないのだが、恵には『時空隔離』『操作魔眼』といういかにも怪しいスキルがあった。ちなみに、『性転換』とかはない。


「そうだけど……それもステータス? 何なの? その能力」


 恵が聞いてきたので、達也は昨夜からの出来事を話した。流石に、クラスメイトの個人情報は話さなかったが。

 やはりというか、「ステータス・オープン」と念じてみた。と言った時には「え? ばか?」と真顔で言われた。


「ねぇ、まさか退魔士とかそういうのの家系じゃないよね?」

「違うと思うよ」


 妹の彼氏騒動のせいで、母親のステータスまでは確認していないが、普通の主婦だ。父親もさえないオヤジだし。

 そもそも、仮にそういう家系だったとして、彼女やその家族に危害を加えるわけがない。達也が許さない。


 話をしながらも、恵は身支度を整えた。残りは……


「ねぇ、パンツ返して」


 実は話している間も達也は例のパンツをいじくっていた。

 性的にも、手触り的にも手放せなかったのだ。色んな意味で気持ちが良い。


「なぁ、コレ貰って良いか? いや、俺の名前書いてるし、俺の物だと言って良いよな?」

「ちょ、何を……!」


 ダメに決まっている。何を言っているのだこの彼氏様は。

 操作魔眼で操ろうとしたが、視線を合わせない! あっさり弱点を突いてくるとか、本当に一般人なのかこのヒトは。

 恵が慌てている間に達也はさっさと準備室から出て行ってしまう。


 早まったかもしれない。

 そんな想いに囚われながら、恵は達也の後を追った。






 ノーパンで。


これにて第1章完です。


2章は少しお待ちください。

割と本気で何も決まってないので……


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