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ステータスが見えるようになったらハーレムできた  作者: マルコ
そろそろ夏休み

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31/47

動き出した計画

 翌朝。

 取り調べを受けた達也は疲労困憊だった。

 流石、現職の刑事。色々余計なことまで喋らされた気がする。

 結局、「1人でも不幸にしたら終身刑にしてやる」という有難い言葉とともに、明け方やっと解放されたのだ。

 今は、ただただ眠い。

 今日は平日なので学校があるが、達也は少しでも眠りたかった。


「おはよう、達也。……もしかして、今まで捕まってたのか?」


 部屋の前でアリシャが声をかけてきた。

 もう起きる時間らしい。


「ああ、とにかく、ちょっとでも寝たい」

「徹夜くらいで、軟弱だな。……それに、その様子だと、寝たら起きれないぞ」


 そんな風にアリシャは言うが、達也は精神的にも疲労困憊だった。


「……うん、じゃぁ、眠気覚しの魔法をかけてやろう」

「え? アリシャ、そんな魔法使えたっけ?」


 ステータスを確認しようとするが、眠くて上手くいかない。


「いいから、ほら、ちょっと目を瞑れ」

「今、目瞑ったら寝るんだが」

「そっか。じゃ、開けたままでも良い」


 言ったアリシャの顔がアップになり、口に柔らかいモノが押し当てられる。

 何だこれ。と、達也が理解する間も無く、口の中にもナニカが侵入してきた。

 正体は分からないが、達也は口の中のソレを舐め、つつき、液体を飲み干し、逆に侵攻したりした。


 5分ほど後、やっと2人は離れる。


「目、覚めたか?」

「ああ、バッチリだ」


 達也の眠気は吹っ飛んでいた。


「対処療法だからな。学校で恵に時間作ってもらって、早めに寝ておくと良い」


 恵の『時空隔離』なら、登校後に睡眠時間が確保できる。

 下手に今眠って遅刻するより賢い選択だろう。


「ありがとな」

「まぁ、擁護できる雰囲気でもなかったからな。恵にも連絡しておいたから、学校に行ったら部室に直行しろ」


 出来た彼女たちを持つと、幸せである。

 父親に言われるまでもなく、誰一人として不幸にする気はない。達也は改めて誓った。


「……ズルイ」


 地獄の底から響くような声音に2人が目を向けると、沙織が立っていた。

 寝起きなのか、まだ半分寝ているのか、イマイチ焦点が合っていない目が怖い。


「アリシャちゃん、私もちゅぅー」

「しょうがないなー」


 言いながらアリシャに抱きつく沙織に応えるアリシャ。


(コレは……)


 自分の恋人や妹が誰かとキスしているシーン。

 まぁ、見たくないシーンのトップ5に入るだろう。


 だが、その2つが合わさったらどうなるか。

 その答えが達也の目の前にあった。

 なんというか、ご褒美だった。


 ……目が覚めた沙織が軽くパニックになったのは、言うまでもない。



 ◇



 膝枕は偉大だと達也は思う。

 一晩中父親に尋問され、磨耗した精神はアリシャの口付けで一時的に回復はしたが、所詮は一時しのぎ。

 ちゃんと睡眠を取らねば本当の意味での回復はしない。

 恵の能力で睡眠時間を確保するとはいえ、部室にベッドなど無い。

 保健室にはあるが、そちらを使うわけにはいかない。

 椅子で作った簡易ベッドで何とかお茶を濁すつもりだったが、そこに恵の膝枕というオプションが付いていた。

 達也は至福のひと時を味わった。

 誤解の無いように言うと、性的な接触は何もなかった。

 いや、膝枕が既に性的な接触だと言われればそれまでだが、だがそれだけだった。

 達也は彼女の膝枕で眠ることで、硬い簡易ベッドでも十分な睡眠を堪能した。

 膝枕は究極の枕であり、今まで使っていた枕など石に等しい。と断言できるほどだった。

 登校後、部室で恵の『時空隔離』の制限時間まで熟睡した後、目覚めた達也はそんな事を熱く語り、これからも毎日膝枕して欲しい。と訴えた。


「重いし、疲れるから嫌」


 達也の魂の訴えは、恵の一言で却下された。

 ……膝枕する方はロクに身動きできないし、ヒトの頭は結構重いのだ。それなのに、体感時間で4時間も膝枕すれば、嫌にもなるだろう。むしろ、耐え抜いた恵は賞賛されるべきだ。

 達也の野望は露と消えた。


「そんなことより、アリシャからメール来てるんだけど、コレ本気なの?」

「俺の渾身の訴えをそんなこと呼ばわりかよ……で、アリシャから何だって?」

「夏休みに旅行に行かないか、って」

「あー、良いな。海でも山でも行きたいなー」


 できれば、海が良い。彼女たちの水着が堪能できるから。

 いや、わざわざ海に行かなくても何度も水着以上の姿は見ているのだが、水着は水着なりにソソるモノがあるのだ。

 しかし、海は人でごった返すのが目に見えているし、プールはもっとだ。それに、あまり日差しの強い場所に行くのは、吸血鬼の香苗にはキツイかも知れない。ここは山にするべきか……だが、それでは水着は諦めるか? いや、川遊びなら水着になるか? そういえば、ネットで見た湖水浴場は空いているように見えた。

 達也はそんな事を考えていたが、恵は無関係に言葉を続けた。


「海とか山とかあるのかも分からないんだけど……アマレスって、異世界なのよね? 簡単に行けるの?」


 予想もしていなかった恵の言葉に、達也は暫く思考が停止した。


「……ワンスモア」

「アマレスって、簡単に行けるの?」


 言いながら、恵はスマホの画面を達也に見せる。

 画面にはアリシャからのメールが表示されていた。


 件名:夏休みに

 本文:夏休みの予定はもう決まってる? まだなら、アマレスに遊びに行かないか?

次回20日です。

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