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ステータスが見えるようになったらハーレムできた  作者: マルコ
エルフの同級生(仮)

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25/47

エルフ様がみてた

「俺を4人目にして欲しい」


 アリシャの言ったその言葉を、達也は理解できなかった。

 なので当然、


「何の4人目?」


 と聞き返した。


「恋人だよ」


 アリシャは迷いなく返答する。

 達也には3人の恋人がいる。

 だから、4人目にして欲しいとは、4人目の恋人にして欲しいという事だと。


「何でそれを……」


 達也は家族の誰にも複数の女性と付き合っている事は言っていなかった。

 もっと正確には、誰かと付き合っている事すら秘密にしていた。

 何でこの従姉がそれを知っているのか、理解できなかった。


「ん? 俺が『ステータス閲覧』できるのは聞いているだろうし、見えるだろ?」


 確かに、アリシャはステータスが見えると聞いていたし、達也が見たステータスにもスキルが確認できた。

 だが間抜けな事に、この瞬間までアリシャには(・・・・・・)達也のステータス(・・・・・・・・)が見える(・・・・)という事実に思い至らなかったのだ。

 分かっていれば、「恋人:3」の表記を見られたらどうしようかと気が気でなかっただろう。


「……まさか、気が付かなかった……ああ、いや、うん。達也らしいな」

「いや、納得されるのもどうかと思うんだが……」

「まぁ、いいや。で、どうなんだ?」

「どうって、アリシャはいいのかよ? 普通、恋人が3人も居る奴に告白するか?」


 何で自分は、「好きです付き合って下さい」的な普通の告白に縁がないのか。と達也は誰かに問いたくなった。


「ん? ああ、アマレスだと普通にあるんだが、やっぱり日本では異常なのか。……まさか、浮気……」

「違うから! 公認だから! 浮気じゃないから!」


 そこは達也としては譲れない線だった。公認だから浮気じゃない。


「だったら、問題ないじゃないか」


 そう言って、アリシャがズイと迫ってきた。

 風呂上がりの良い香りが達也の鼻に届く。達也自身も同じボディソープを使っているのだが、どこか違う気がする。


「あー、返事は彼女たちに聞いてからで良いか?」


 とりあえず、達也はそう答えた。

 今までだって、彼女たちの目の前で、全員納得して決めたのだ。


「なんだ、アマレスの男は勝手に決めて増やすんだがな。達也は誠実なのか、ヘタレなのか……」

「誠実って事にしておいてくれ」


 ひとまず、達也は恵たちに連絡を取る事にした。

 夜だが、まだ寝るには早い時間だし、明日の日曜日に会えるにこした事はない。

 コール数回で相手が出た。


「恵、明日空いてるか?」

『残念、(メグ)じゃありません』


 スマホから聞こえてきたのは陽子の声だった。


「あれ? ゴメン、恵にかけたつもりだったんだけど……」


 最悪だ。公認とはいえ、他の恋人と間違われるのは気分が悪いだろう。


『ああ、大丈夫。コレ、(メグ)のスマホだし。本人はお風呂入ってるけど、達也くんからだったから取っちゃた』


 良いのか、ソレは。と達也は指摘したが、彼女たちの間では良いらしい。


「そもそも、何で陽子と恵が一緒なんだ? どっちの家?」

(メグ)の家だよ。あと、香苗センセーも一緒。今は小母さんたちと飲んでるけど』


 どうやら、陽子と香苗は恵の家に泊まりに行っているらしい。


「あー、じゃぁ明日は予定埋まってるかな?」

『ナニナニ? デートのお誘い?』

「デートというかほら、従姉が来るって言っただろ?」

『あー、写真の子ね』

「そう、アリシャ。 ちょっと紹介したくてさ」


 電話では恋人に立候補されたとは言えない。


『……なんだ、やっぱりデートのお誘いじゃん。良いよ。2人には私から言っておくし』

「悪いな。2人にもよろしく言っておいてくれ」


 今の様子だと、陽子は察したのかも知れない。いや、それ以前にこうなる事を見越して3人で集まっていたのかも知れない。そう思いつつ待ち合わせの約束をして、達也は電話を切った。


「良い子じゃないか」


 アリシャがそんな事を言った。


「聞こえてたのか?」

「エルフの耳は伊達で長いわけじゃないんでね。……とはいえ、この距離なら人間でも聞こえるんじゃないか?」


 気がつけば、アリシャは達也にかなり接近していた。


「近い」

「俺にとっては、まだ遠い」

「明日まで我慢しろ」

「8年と4カ月13日我慢したんだぞ」

「そんなに細かく覚えてるのかよ!」

「まさか。さっき日記を見て計算しただけだ」


 達也は思わずつっこんだが、空気を変える良い機会になった。

 もしかしたら、アリシャが意図的に変えさせてくれたのかも知れない。


「まぁ、良いさ。あと1日くらい待つよ」

「素直だな」

「嫌われたくないからね。達也にも、他の彼女にも」


 彼女たちと仲良くする気があるのは、達也にとってもありがたいことだ。

 仲が悪いより、良い方がいいに決まってるのだ。


「さて、明日の為に今日はもう寝るよ」


 アリシャがそう言って達也から離れた時、僅かに達也が感じる室温が下がった気がした。

 どうやら、体温まで感じられる距離だったらしい。


「ああ、そうしろ。旅の疲れもあるだろう? 転移疲れとかあるのかは知らないが」

「はは。転移疲れは無いけど、片付けはちょっと疲れたかな?」

「手伝わなくて、悪かったな」

「着替えくらいだから、気にするな。ベッドや机は達也が運んでくれたんだろう?」

「ああ、まぁな。位置を変えるなら、手伝うから言ってくれ」

「暫くは、あのままで良いよ。 変えたくなったら、声かけるから。じゃ、オヤスミ」

「ああ、おやすみ」


 そうしてアリシャは部屋を出てドアを閉めた……が、直ぐに開き、


「そうそう、コレ返しておく」


 そう言いながら何かを投げてよこし、ドアを閉めた。


「……何だ?」


 投げはしたが、途中で落下したソレを達也が拾う。

 少し湿った布……


「なぜ今返した……」


 それは、達也のパンツだった。

次回20日です。

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