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ステータスが見えるようになったらハーレムできた  作者: マルコ
エルフの同級生(仮)

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手ブラのエルフ

 達也は空港にいる。

 今日はアリシャが日本に来る日だ。


 異世界から来る人物を迎えるのに、空港に来ている理由は単純。

 空港に転移装置があるためだ。


 一般には知られていないが、戦後からずっと交流がある世界なので、政財界の大物とかはアマレスの存在を知っている。なので、こういう場所に転移装置が設置されているのだとか。

 ……国の上層部はアマレスだけでなく、妖怪や亜人種の存在も把握しているらしい。と達也は父から聞いた。

「らしい」というのは、遠藤家のような一般家庭では詳しいことは教えて貰えないというのだ。

 もしかしたら、アマレス以外の異世界との行き来もあるかも知れない。


「そういえば、お前まで迎えに来なくても、荷物持ちは俺だけで十分だったのに」


 達也は一緒に来た妹の沙織に声をかけた。


「ちょっとでも早くアリシャちゃんに会いたいんだもん」


 たかが1時間かそこらの差だろうが、沙織はその差が待ちきれないようだ。


「まぁ、良いけどな。手は多い方が良いし」


 家具などはこちらで用意したが、当面の着替え等は持って来る筈だ。

 それなりの量があると思った方が良いだろう。

 ちなみに、本来は父親も迎えに来る筈だったのだが、突発の仕事が入ったらしく、休日出勤となっていた。


「アリシャちゃん、変わってないかな?」


 沙織がふとそんな事を言った。


「写真は見せてもらっただろ?」

「見た目じゃなくて、性格とかだよ」


 たしかに。と達也は思った。

 8年と数ヶ月。

 小学生だった彼女も、高校生だ。


 達也自身も妹の沙織も、当時と同じかと聞かれれば、疑問に思う所はある。

 写真で現在の容姿は既に見ているが、記憶のままの彼女である保証はない。

 というか、写真の通りなら、かなりの美少女に育っている彼女が小学生の頃の言動のままだったら、イロイロヤバい。

 年相応の変化は当然あるはずなのだ。


「あ、あれじゃない?」


 沙織が1人の少女を指して言った。

 伯母のメアリをさらに若くした様な、ジーンズにシャツという、ラフな格好のブロンド美少女。

 腰まで伸ばした髪と、スレンダーな体型はアイドルと比べても勝てる。と断言できるほどだ。

 学校でもさぞかしモテるだろう。



 名前:遠藤 アリシャ(処女)

 種族:エルフ

 年齢:16

 家族:父・母

 体力:88 

 筋力:93 

(以下略)



 達也が念のためステータスを確認すると、間違いなくアリシャだった。

 兄妹が手を振ってアピールすると、彼女の方もこちらに気がついた様で、少し驚いた様子を見せた後、笑顔で近付いて来た。


「達也、沙織、久しぶり!」


 そう言いながら、アリシャは達也に抱きついた。


「な!? ちょ……」


 一瞬、大声を出しそうになった達也だが、空港のロビーという場所柄、何とか声を抑えた。

 なんだかんだで達也は3人の恋人を持つロクデナシだ。

 女の子とのスキンシップにはある程度慣れている。とはいえ、突然こんな場所で抱きつかれたら驚きもする。


「アリシャちゃん、ちょ、離れて!」


 沙織も声を抑えつつ、アリシャを窘めた。


「何だ、沙織。ヤキモチか? 心配しなくてもホラ、ぎゅーっ!」


 アリシャが達也から離れて今度は沙織を抱きしめる。


 ーーこいつ、変わってねぇ!


 兄妹の思考が一致した瞬間だった。

 アリシャは所謂抱きつき魔で、事あるごとに家族に抱きついていた。

 ついでにキス魔で、油断していると直ぐにキスしてきていた。

 これは、大人の目がない時に限られていたが……

 達也も沙織も、ファーストキスはアリシャだ。「子供の頃はノーカン」とも言われるが、何歳くらいまでなのだろうか? 小学生はアウトな気がする。ノーカンなら達也は恵とのキスが最初だ。


 空港という場所柄、色々な国の人々が居るので、抱き合って歓迎したりされたりしている人々もちらほら居るので、達也達が抱き合っていても本来はそれほど目立たないのだが……アリシャが美少女な分、それなりに注目を集めてしまっていた。


  「とりあえず、ここに居ると他の人の邪魔になるから、移動しよう。……そういえばアリシャ、荷物は?」


 達也が見る限り、アリシャは手ぶらだ。トランクケースはおろか、手荷物は何も無い。


「あるぜ。ホラ、これ」


 沙織から離れたアリシャが、自分のお腹の辺りを指した。


 ーー見覚えのあるモノがついていた。

 いや、実物は見たことはない。

 だが、ソレを知らない人物は日本にはほとんど居ないだろう。世界的にも有名なブツがあった。


「まさか……」

「そう、4次元ポケ◯ト〜」


 微妙に上手い、新しい方の声真似をするアリシャ。

 周りに見られない様に、中に入っている物を少し出して見せたが、確かに荷物はこの中に入っているようだ。


「いや、エルフが使うなら、アイテムボックスとか収納魔法とかダロ……」

「凄い凄い! ホンモノ初めて見た!」


 沙織は素直に関心していたが、達也は頭を抱えた。

 本来は、ファンタジックなビックリアイテムに驚く所だろうが、色々ズレていてその辺りは全部吹っ飛んだのだ。


「沙織は相変わらず素直だね。 達也も、相変わらず細かい事気にし過ぎ」


 アリシャは笑いながら、「変わってないね」と嬉しそうに言った。



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