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ステータスが見えるようになったらハーレムできた  作者: マルコ
部長になったら彼女が増えた
14/47

酔っぱらったら見ちゃった

「あれ? おかしいな……入ら……ない」

「ダメよ、進藤さん。ソコは入れる穴じゃないわ」

「達也、私も子供デキたみたい」


 ……別にイカガワシイ会話ではない。

 達也たちは健全にゲームをプレイしているだけだ。

 しかも、創部の為の「活動実績」だ。


「あーん、遠藤君、先にイっちゃいやーん」


 肝心の顧問教師がコレだが。


(……ていうか、根岸先生はわざとなんじゃね?)


 無粋なので確認したりはしないが。

 この教師はゲーム中に中学生男子並みのネタを振ってくる。

 そんなネタでも、美人教師が言うとワリと洒落にならない破壊力があるので、油断できない。

 リアル中学生男子だった達也は何度悩まされたことか……

 今は達也もいろんな意味で成長したので、受け流すことができるが。


 そんな風にゲームを続け、やがて終わりを迎える。



「えー、集計の結果、一位は根岸先生になりました――って、自重してくださいよ顧問なんだから!」

「いやー、ルーレット運が妙に良かったわねー」


 まぁ、みんな楽しそうにプレイしていたので、達也としても言うほど不満はないのだが。


「ま、とりあえずはこれで活動実績もできたので、卓ゲ部も承認されるでしょう。

 ……と、いうわけで、ちょっと早いけど創部祝いで乾杯しましょー!」


 そう言って、根岸先生が冷蔵庫から缶入りのカクテルを出す。


「ビールだと、あなたたちくらいの年齢だと苦手だろうから、甘めのカクテルよー」

「ちょ、先生! お酒なんてダメですよ!」


 恵が慌てて止めに入る。


「まぁまぁ、勝者のいう事は聞きなさい」

「あ、これノンアルコールだ」


 笑って言う先生から缶を受け取った陽子がその正体に気付いた。

 達也も受け取った缶を見ると、キッチリ「アルコール0.00%」の表記があった。


「もう、無粋ね」

「びっくりさせないでくださいよ。 でも、こういうのも未成年は飲んじゃダメだったような?」


 口を尖らせる教師と疑問を投げかける委員長。


「自主規制で未成年に販売はしてないけど、飲んでも問題無いわよ。法律上も健康上も。だから、カタイコト言いっこなし!」


 そんな風に、ちょっと強引な酒盛り(?)が始まった。



 -----------------------------------------------------



「……ノンアルコール……よね?」

「……俺らと同じヤツだなぁ」

「1%未満は入ってるんだっけ?」

「0.00%てヤツは本当にゼロじゃなかったっけ?」

「そうよねぇ……」

「エヘヘヘ、よーこちゃんかぁーいぃなー」

「ちょ、見てないで助け……あ、そこちょ、ま……!」


 根岸先生が陽子に絡んでいる。

 どう見ても酔っぱらっている。

 というか、ステータスにもキッチリ「状態:酒酔い」と出ている。

 達也は酔っ払いから取り上げた缶をもう一度確認した。


「アルコール0.00%」


 仮に、0.009%入っていたとしても、缶1本で酔うわけがない。


「プラシーボ……かな?」


 恵がそんなことを呟いた。

 どういう事かと聞くと、酒と同じ味や匂いでアルコールを摂取したと体や脳が思い込み、結果酒酔いと同じ状態になったのではないかという事だった。


「あーだから、普段酒飲まない俺らは平気で、先生だけが酔っぱらってるのか」


 そんな事を言っている間にも陽子の制服がはだけていく。


(そろそろ止めるか)


 そう、達也が思った矢先。


「んー? 頭に何か……」

「ああ、ダメ! 解かな……」


 根岸先生が陽子のツインテールを解き、小さなツノを露わにした。


「……ほぇ?」


(あ、酒酔いが消えた)


 どうやら、ツノを見て根岸先生も正気に戻ったようだ。

 実は、陽子の頭には小さいツノが生えている。普段はツインテールで隠しているのだ。


「えーっと、あの、その、コレは……」


 慌てる陽子。泣きそうな顔にになっている。

 恵の様子をうかがうと、こちらも慌てているようだった。


(ああ、そういえば吸血鬼だ。って言ってなかったな)


「普通の人間」だと思っている根岸先生にツノを見られたので、慌てているのだろう。

 達也は既に根岸先生が吸血鬼だと知っているし、過去の付き合いや恵、陽子という前例もあるので、危険視はしていない。

 むしろ、恋人になってくれたら嬉しいな。なんて不埒な事を考えていたりするくらいだ。

 なので、ほんの軽い気持ちでこう言ったのだ。


「先生、陽子の事は秘密にしてもらえますか? 代わりに俺の血を吸っても良いですから。……貧血にならない程度になら」


 以前に血を舐められているので、血を吸われる=吸血鬼になる。ではないと達也は判断した。

 それは正しいのだが、達也はその言葉に含まれる意味を知らなかった。



 -----------------------------------------------------



「俺の血を吸っても良いですから」


 香苗はその言葉を聞いて固まった。

 吸血鬼にとって、それは愛の告白に等しいモノだ。

 元々憎からず想っていた相手から言われれば嬉しくないはずがない。

 だが、その言葉は同時に彼女が吸血鬼だと知っている事を示していた。


「どうして……」 知っているのか?


 そんな言葉が漏れる。


(指の血を舐めたから? まさか、たったそれだけで?)


「俺はステータスを見る能力があるんです」


 達也がそんな事を言った。

 そんな、WEB小説みたいなことがあり得るのだろうか?

 だが、本当の事なのだろう。単に、情報収集能力が高い事をそう比喩しているのかも知れないが、そう変わらないだろうと香苗は判断した。


「良いわ。言いふらされたら困るのは、私も同じだし」


 そう言うと、3人とも安堵の息を漏らした。


「それにしても、血を吸っても良い。なんて気軽に言ったらダメよ。プロポーズみたいなモノなんだから。

 進藤さんと付き合っているのでしょう? 嬉しいけど、彼女に悪いわ」


 恵と陽子。どちらかと付き合っていると睨んでいた香苗だが、本命は陽子だと判断していた。


「いいえ、私と陽子ちゃん2人とです。

 よろしければ、根岸先生()達也の恋人になりませんか?」


 そんな事を言ったのは恵だった。

 いつも真面目な委員長が、トンデモナイ事を言っている。

 メガネの奥の瞳は、いつもは理知的な光をたたえているが、今は淫靡なものになっていた。


 そういえば、以前に達也が図書室でサキュバスの事を調べていた。

 あれは、彼女の事を調べていたのだろう。


 だが、今問題なのは彼女の言葉だ。


 香苗も達也の恋人にならないか、と誘われた。


 率直に言って、嫌ではない。

 いや、嬉しい。


 先日の3人で抱かれる妄想が現実になるのだ。

 この人なら、自分の性癖を受け止めてくれる。

 そう確信できる。


 香苗は誘いに乗ることにした。



 -----------------------------------------------------



「ただいまー」


 歩き難くて、家に帰り着くのにも少し時間がかかってしまった。

 いつものようにシャワーを浴びようと服を脱ぐ。

 ……パンツは達也にプレゼントした。いや、させられた。

 恵と陽子の妙な迫力に負けてしまったが、おかげでノーパンで帰ってくるハメになった。


 脱いだ服を洗濯機に入れ、浴室に入り……直ぐに出た。

 今日はシャワーを浴びずに寝よう。

 少しでも長く、彼の匂いに包まれていたい。


 そうだ、近いうちに家にも来てもらおう。

 部活の相談と言えば、部長の彼を家に呼ぶのもそれほど不自然ではないだろう。

 そして、この怠惰な生活を見てもらうのだ。


 幻滅されるだろうか? 叱られるだろうか?

 それを想像するのも楽しい。


 そんな事を想いながら、香苗は夕食の準備に取り掛かる。

 もちろん、裸エプロンで。


 近いうちに達也に見せる事になるだろう。


これにて先生の章は終了です。


次は1週間後ですかねー?

早くても。


書き溜めストックゼロなので。

プロットすら、うすらぼんやりしたのしかない&筆も遅いのですが、できるだけお待たせしないようにします。




ちなみに、ノンアルコールで酔うのは実体験です。

なんであんなに酔うんだろう……

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