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ステータスが見えるようになったらハーレムできた  作者: マルコ
部長になったら彼女が増えた

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12/47

暇を持て余したら召喚された

 ――暇。



 日曜の昼。遠藤 達也は暇を持て余していた。

 彼女が居る男子高校生ならデートにでも出かけるべきなのだろうが、その彼女は2人でお出かけらしい。

 女同士仲が良いのは結構なのだが、自分をハブにするのは勘弁してほしい。

 さらに、今日に限ってチェックしているWeb小説は軒並み更新がない。

 スコップする気分でもない。


(勉強でもするか……)


 やる気はないが、少しでも建設的な方向に思考を誘導してみる。

 ステータスが見えるようになってから、達也はそれなりに勉強をしたり体を鍛えたりしている。

 ゲームのスキル上げのように、やればやるだけステータスが伸びるのが目に見えるからだ。

 ……多少時間はかかるが。


 実際、82だった体力は今は90、筋力も70から72になっている。

 体力の上昇が新たに追加された「性技」などというスキルと無関係と思えないのが、なんとも言えないところだ。


 もちろん、そっち(・・・)方面だけでなく、「数学」「古文」といった勉強系スキルも目に見えてレベルが上がっている。

 一応、これまでもテストという形で数値化されていたのだが、こうしてダイレクトに反映されると、やる気が違ってくる。

 この分だと、期末テストはそこそこの成績になりそうだ。


 ~~~~~♪


 無理矢理思考を勉強に向けていると、スマホから着メロが鳴り響いた。


「……」


 スマホを手に取った達也の目は疲れ切っていた。

 メロディとディスプレイに表示された名前が一致することを確認したからだ。


 結花姉


 本音を言えば、出たくない。

 嫌いではないのだが、この幼馴染と関わると凄く疲れるのだ。

 だがまぁ、暇を持て余している時に連絡してくるので、ありがたいといえばありがたい存在なのだが。

 覚悟を決めて達也は電話に出た。


「もしもし」

『あ、達也。今、暇だよね? コリーに来て。待ってるから。 プツッ』


 一方的に、用件だけ言って切れた。

 結花はいつもそうだ。こっちの都合を確認しない。

 忙しかった事などないのだが、達也は釈然としないものを感じていた。


 それでも行くのが、達也という人間だ。結花もそんな彼の事を知っているから、あれだけ言って電話を切ったのだ。

 さて、コリーといえば、駅前のカードショップの名前だ。

 ゲーム名を言っていなかったので、限定(カードは用意)戦だ(されている)と思うが、念のためいくつかデッキを持って出かける事にした。



 -----------------------------------------------------



「遅い!」

「結構急いで来たんだけど!?」


 店に到着した達也を迎えたのは、結花の理不尽な叱責だった。

 直接会うのは3、4ヵ月ぶりだろうか?

 彼女が大学生になってから……というか、彼女に恋人ができてからは会っていなかった。



 名前:藤堂 結花

 種族:人間

 年齢:18

 家族:父・母

 恋人:1

 体力:88

 筋力:75

 (以下略)



 どうやら彼氏さんとはまだ付き合っているようだ。

 店の奥にはその彼氏さんが対戦しているのが見える。

 それよりも達也が気になったのは結花が持っているスキルだった。


『暇人感知』


 どういう能力なのかはお察しだろう。

 どうりで、ピンポイントに暇を持て余している時に連絡が来るはずだ。


 実は、人とちょっと違うスキル――才能を持っている人というのは結構居る。

 駅前等で観察していると、『部下能力上昇』『絶対音感』なんてカッコイイものや、『鍵開け』『隠蔽』なんていうちょっと危なそうなものまで、多種多様なスキルを持っている人を見かけたりする。

 彼女も、人よりちょっとだけ才能のある人間なのだろう。


(さて、彼氏さんは……!!!)


 軽い気持ちで結花の彼氏のステータスを見た達也は驚いた。

 いや、ステータスそのものは平凡なものだ。

 特に何か才能があるわけではない。


 だが、ゲーム中の彼、そしてその対戦相手には通常のステータスに加え、手持ちのカードやデッキ構成が表示されていたのだ。

 まさかと思って他の客のステータスを見ると、それぞれゲームは違うが似たような事になっていた。


(ゲーム中とか、ステータスが追加になることもあるのか)


 なるほど。これはこれで役に立つかも知れない。

 純粋に楽しむ場合はこんなイカサマはしないが、何か賭けてゲームをすることは意外と多い。

 運が絡むゲームでも、相手の手の内が見えるというのは大きなアドバンテージだ。


「どうしたの? ぼーっとして?」

「何でもない。ところで、今日は何するの?」


 彼氏さんがプレイしているのは、新作のカードゲームだ。

 構築済デッキがあったはずなので、それを使うのだろうかと達也は予想した。


「今回は、新作のコレでーす! 構築済デッキを使って対戦よ!」


 ……どうやら、予想通りだ。


「達也の分は買ってあるから、お金は気にしなくて良いわよ~」


 こういう部分()良いお姉ちゃんなのだ。


「けど、対戦で3、4位になったらこの後のカラオケ奢りねー」

「俺、このゲームやったこと無いんだけど!?」

「じょぶじょぶ、みんな同じだから。さー、ルール覚えよー」


 理不尽だが、これが彼女の平常運転だ。

 達也は急いでルールを確認することにした。


(今日は勝つ!)


 カードゲームで相手の手札が分かるのは、最大級のチートだ。

 いつもやられてばかりなので、今日はボコボコにしてやろう。

 せいぜい、彼氏さんに慰めてもらうと良い!




 ……そんな意気込みで臨んだ勝負だったが、結果は結花が1位、達也が2位。

 手札が見えても、本当に強い相手にはあまり関係ないようだ。

 彼氏さんは最下位となって、結花に慰められていた。

 まぁ、結果オーライだろう。


 そんなこんなで、幼馴染たちとカラオケで騒ぎつつ、達也の休日は更けていった。


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