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社会不適合者の異世界戦記  作者: サツキ
第1章~落とされて異世界~
10/32

正直忘れていたかった!

今日はいつもより早く投稿できました。


この調子で書いていきたいですね。

 ドンッ!!と大きな音と共に目が覚めた。しかも背中がかなり痛い。目を開けて見た天井もベッドの天蓋などではなく、部屋の天井だった。



 「ああ~~、ベッドから落ちたのって結構初めての体験かも……」


 床が石造りのままじゃなくて本当に良かった。絨毯じゃなかったらこの程度の痛みじゃ済まなかったかもしれない。



 「さてと、とりあえず顔を洗おう。あと、シャワーとか借りれたらいいんだけど」


 「それでしたら洗面台の隣に併設されておりますのでご自由にお使いください。お召し物もメイドに洗濯させますので、かごに入れておいてください。その間の着替えはこちらで準備させていただきます」


 「あ、これはご丁寧にどうも。早速使わせていただきます……?」


 「ええ、ごゆっくりご使用ください。それが済みましたらすぐに朝食のご案内をさせていただきます」


 「え~と、執事さん?失礼ですが、いつの間にこの部屋に?」


 あまりにも自然に話しかけられたからこちらも自然に返したが、途中で違和感に気付いて声の方に振り向くとそこには昨日の晩餐会の時にも突然現れたように見えたアルフレッドさんの老執事さんが立っていた。



 「これは失礼いたしました。そろそろお起きになられる頃だろうと思いましてお部屋に窺がったのですが、大きな音が聴こえましたので勝手ながら入らせていただきました。大丈夫なご様子で安心したのと、シャワー室を探されていたようでしたのでご案内させていただきました。何か他に入用なものがございましたら、お申し付けください」


 「いえいえ、十分です。ありがとうございます」


 ビシッとお辞儀をする執事さんから逃げるように洗面所に逃げ込む。ベッドから落ちたところを他人に見られるなんて恥ずかしくて仕方ない。さっさと熱いシャワーを浴びて今朝の記憶は忘れてしまおう。








 「アルフレッドさんたちの服を見ていて思ったけど、意外と技術水準は高いのかな?」


 服の生地の肌触りや素材はあまり変わらないように思える。近世よりも現代よりの技術を有しているのかもしれない。それにシャワーも蛇口を捻ることでお湯と水が出るようになっていた。お湯を生成しているものがボイラーなのか魔法的な何かなのかはわからないが、どちらにせよ水道があるのは確かだ。


 現在、自分は用意されたワイシャツとズボンに着替え、装備ベルトだけを着けた状態で執事さんの後ろを歩いている。向かう先は昨日と同じ食堂ということだ。アルフレッドさんは多忙のためもう食事を終えられて仕事に取り掛かっており、待っているのはレティーアさんとセリカちゃんだけらしい。


 ちなみにこの執事さんの名前はウォルターさんと言って御年60歳。30年間もこのサンベルグ家に仕えているとのことだ。白髪の混じり始めた黒髪をオールバックに、細長いメガネを掛けていてそこから覗く目は好々爺っぽい優しさに満ちているが、時々眼光が鋭くなるのとキビキビした動作がなぜかライアンさんたち軍人の動きと重なって見える。元はどこかの軍に所属していたのかもしれない。



 「こちらにございます。お嬢さま方は既にお待ちですので、すぐに朝食を運ばせます。サツキ様も席にお座りになってお待ちください」


 そう言って食事を準備させる為だろう、隣の部屋に入っていくウォルターさんを見送って自分は食堂の扉を開く。そこには確かにセリカちゃんとレティーアさんがテーブルに着いて待っていた。



 「おはようございます。すみません、お待たせしてしまったようで」


 「いえ、お気になさらないでください。昨夜はよく眠れましたか?」


 「あんなにふかふかのベッドで寝たのは生まれて初めてでしたので、横になった途端に寝てしまいましたよ」


 「それは良かったです。さあ、いつまでも立ってられないでこちらに来てお掛けになってください」


 「はい、それでは失礼して」


 セリカちゃんに勧められるがままに隣に座ってしまったが、問題はなかっただろうかと座ってから心配になってしまった。だがまあ、レティーアさんも部屋の隅に控えているメイドさんも何も言わなかったから問題ないのだろうと勝手に決めつけて無理やり自分を納得させておく。



 「朝だと言うのにもう武装されているのですね」


 「はい?えと、もしかして不味かったでしょうか?もしダメならすぐに部屋に戻って置いてきますが……」


 「そう言う訳ではありませんからご安心ください」


 じゃあどういう訳なんだろう。食堂に入ってから席に着くまで睨まれていたから、自分が何か失礼なことでもしたのかと思ったが、だったらそれはすぐにでもセリカちゃんが教えてくれる筈だから心配ないだろう。ならば他に何か理由があるのだろうが、今のところ自分はそれがなんなのか見当もつかない。ここはレティーアさんが言ってくれるまで待つしかないようだ。



 「いつでも気を抜かず、最低限の戦う準備をされているのを拝見できたことで貴方に対する評価が上がっただけです」


 「はあ、それはどうもありがとうございます?」


 よくわからないが、評価を上げてもらったのはありがたいことなので礼を言っておく。しかし、装備ベルトを着けてきたのはあくまでも念の為なんだけどな。

 そんな思いとは裏腹に、レティーアさんの中ではどんどん何かが決まっていくようで、こくこく頷きながら目を輝かせてこちらを見てくる。



 「もう準備が終わっているということは、この朝食後でも問題ないですよね?」


 「問題ないと言われましても、何かするのでしょうか?」


 「質問に質問で返すのは失礼でしてよ。わたしが訊いているのは昨日話していた模擬戦のことです」


 模擬戦と言われても、そんな約束をしただろうか?いまいちレティーアさんが言われたことにピンとこない。この歳でもう物忘れがひどくなっているとは思いたくないのだが。



 「もうお忘れになったのですか?明日の本番を楽しみにしていますと言っていたじゃないですか」


 「あ、すみません。思い出しました。そう言えばそんなことも言われてましたね……」


 正直忘れていた。というよりも忘れようとしていた、と言うのが正しいか。しかし困った。模擬戦といっても自分にできることは限られている。さすがに銃を使って戦う訳にはいかないし、そこのところはどう考えられているのだろうか。



 「あの、ちなみに戦う方法については何かお考えで?」


 「そんなの決まっているじゃないですか。お互いの得意な得物を使っての打ち合いです」


 「それだと自分の得物は銃になってしまうのですが、さすがにそれは不味いでしょう?」


 これで諦めてくれるのなら良いのだが、そうはいかないのが人生というものだ。しばし悩むようにしていたが何かを閃いたのか、ちょうど食事を運んできたウォルターさんを呼び寄せてひそひそと話し始めた。

 

 その間に料理が並べられる。朝食はフレンチトーストにベーコンエッグ、サラダと野菜のスープでその匂いだけでお腹が鳴ってしまった。それが聴こえたみたいでセリカちゃんがくすくすと笑ったので、照れ笑いで誤魔化しておいた。



 「決まりましたわ。勝負方法は2回戦に分けて行います。1回戦は近接武器を使った模擬戦。2回戦は銃を使って遠くの的を撃って射撃の腕を競います。これならお互いの得意分野で競うことになるので不公平では無い筈です。どうですか?」


 なかなかに考えられている。何よりどちらかが不公平にならないように、ちゃんとそれぞれの分野で競い合うのは好感が持てる。相手のことまで考えて勝負を申し込まれてしまっては、断る訳にはいくまい。



 「わかりました。それでは朝食後に準備が出来次第、ということでよろしいでしょうか?」


 「それでいいですわ。ふふ、これは楽しみになってきました。どんな結果に終わろうとも、恨みっこ無しですわよ」


 「それはレティーア様もですよ」


 お互いにフフフっと笑って牽制し合っていると、セリカちゃんがふくれっ面をして話に加わってきた。



 「お2人ともズルいです。わたしをお忘れになっていませんか?」


 「ああ、すみません。別にそういう訳ではないんですよ」


 「そうよセリカ。それにセリカも見学するといいわ。きっと面白いから」


 「ならばいいのです。お2人とも、ケガだけには注意してくださいね」


 もちろんだと応えて、冷めないうちにと朝食に手をつける。食事中もレティーアさんとの模擬戦に備え、模擬戦までの間にできることはないかと考え続けた。



正直な話、お気に入り登録がもう一件増えていてテンション上がったのが更新が早まったのも理由にあります。(五割増しくらいでモチべ上がりました、いやマジで)



勝負の内容については初めは1つだけのつもりでしたが、書いている途中でどっちも不公平になるし、やる意味ないよなと思ったので急遽増やしました。なかなか話が進まなくてイライラされている方もいると思いますが、長い目で見ていただけると助かります。


それでは、お気に入り登録してくださった方、本当にありがとうございます!!


これかも社会不適合者をよろしくお願いします!!



あと、感想もお待ちしていますのでいつかは是非とも皆さん、よろしくお願いします!!


それではまた次回までお楽しみに!!

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