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君の居ない世界・・・

作者: チャマ

私の大好きな君はもうこの世に居ない・・・



2010年7月3日

突然晴也はやって来た。

「笹原晴也で~す☆よろしく~^^」晴也の第一声はとにかくチャラかった。

私はチャラい人が嫌いだったけれど、晴也のことは嫌いになれなかった。


2010年8月10日

今日は補修で学校に来ていた。

休み時間ふと窓の外を見ると校庭の真ん中にあるバスケットゴールに向かって

晴也はバスケットボールを軽く投げた。

ボールは早いはずなのに何故かゆっくりに見えた。


2010年10月20日

今日は文化祭だった。晴也は誰よりも張り切って

お客さんを呼んでいた。

そんな晴也を見ていると、もっと晴也の隣に居たいと思い

呼び込みを手伝った。


2010年12月5日

晴也がちょっと早いクリスマスパティーをやると言い出して

私も呼ばれた。晴也が帰り際に好きだと言ってくれた。


2011年1月1日

初詣は最初のデートだった。

晴也はとても長いお願いをしていた。

「何をお願いしたの?」と聞くと、

長すぎて言えない^^って言われた。

私の願いはね、ずっと晴也と居ることだよ。


2011年2月14日

17年生きてて初めて好きな人のためにチョコを作った。

晴也は美味しいと言ってくれた。

その美味しいがすごく嬉しかった。



2011年4月7日

一つ学年が上がり高3になった。

進路のことを決めなければいけない1年だ。

晴也は将来何がしたいのだろう・・・


2011年6月8日

最近晴也の様子がおかしい。

去年のような弾けがない。

「何かあった?」と聞いても

何もないの一点張りだ。


2011年11月

晴也の元気が日に日に無くなっていっている。

いつもボーっとして何か考えているような考えていないような。



恋人なのに何もできないのが悔しい。

毎日そう思うようになった。


2012年3月1日

晴也はこの世から居なくなった。

学校の屋上から飛び降りて・・・

晴也の机の中に遺書があった。

「自分は何のために生まれてきて、何のために生きているのかわからなく

 なりました。去年の4月母さんが死んで、

 何を頼りに生きていけばいいのかわからない。

 大好きな彼女はいつか分かれるかもしれないから、頼って

 しまうと生きていけないきがした。


 でも僕は彼女のことが大好きでした。


 この手紙が読まれている頃には

 多分僕はこの世にいないでしょう。


 最後は彼女への言葉でしめたいとおもいます。

 

 大好きな君へ。君と出会ったのは高2のとき

 だったね。君は落ち着きのない僕のことを

 いつも優しく見守ってくれてたね。

 そんな君に僕は支えられていました。

 去年に初詣にした願い事は、

 一生君と入れますようにってお願いだったんだ。

 そのお願いを僕が破ってしまったね。

 願い事が長いから言えないっていうのは嘘で、

 本当は照れくさかったんだ。

 君は僕みたいな弱い人間じゃなくて

 君を守れるような人と暖かい家庭を持って

 幸せになってください。

 できれば自分がその相手になりたかったけど

 こんな弱い僕じゃ無理だから、

 違う人と僕の夢を叶えてください。

 君のことをこの空のどこからか

 いつまでも見守っています。

 少しのあいだだけれど君の彼氏でいれて

 よかった。       

              ありがとう。


               笹原 晴也」



2016年3月1日

今日は晴也の命日だ。

私は晴也の願いどうりに

暖かい家庭を持った。

晴也がずっと空の上から見ているから。

恥ずかしくないように生きていこうと

決めたんだ。

もし晴也が生きていたら

私は晴也と暖かい家庭を持っていたでしょうか・・・

でしょうかじゃないくて、持っていたと思う。


いつか晴也に会えることを信じて・・・



生きていこう。

           

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