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第2話 異端者と天使の対話

シェリア・アジュレイは悪魔の母と天使の父を持つ。本来相容れぬ二つの種族の間に生まれた異端な存在は天使にも悪魔にも受け入れられる事は無かった。父はシェリアの誕生が『主』にばれ、捕らわれていった。母はシェリアが3才の誕生日を迎えるころまで人間達に混じって二つの種族の目を盗んでシェリアを育ててくれた。悪魔で天使―あるいは悪魔でも天使でも無いシェリアと純粋な悪魔である母は人間達にも迫害されながら暮らしてきた。……だが、母はそんな人間達を恨まなかった。

「彼らは自分と違う存在が怖いのよ。シェリア。でも、それは彼らが生きていくため…。彼らを恨んではいけないのよ。」と…

母は悪魔の中でも変わり者の部類に入るらしく、幾度と無く仲間の悪魔たちが説得に来た。あの天使に何をされたんだ。こっちに戻って来い。その子を殺して。何度も何度も……

その言葉に首を縦に振る事は無かった。母はその悪魔たちに殺された。


――――――――


シェリアとウフィエルが降り立ったのは、町外れの捨てられた教会だった。

「ここなら安全です。気分は大丈夫ですか?」

ウフィエルは礼拝堂のイスに腰掛け、シェリアにも席を勧めた。

「大丈夫では無いけど、いつもよりは酷くない。」

シェリアは勧められた席に腰掛けた。

ウフィエル・ジェシコット―この麗貌の美少年の姿をした天使も、ある意味、天使の中の変わり者だ。

ほかの天使たちは必要以上にシェリアに接触しようとはしない。用も無いのにシェリアを助けたり、雑談にやって来るウフィエルに少しばかり気を許している自分がいる。その事実をシェリアは頑なに否定している。

「今日は一体何なんだ、ウフィエル。」

「特に用は無いですよ。困っていたようだったので助けたまでです。」

少し冷たさを含んだ、優しい声。この声をシェリアの中の悪魔が拒否し、シェリアの中の天使は求めている。同胞の声を。

「貴女はいつまで、旅を続けるのですか?わが主は貴女を天使に引き入れたいと言っています。」

ウフィエルはシェリアを正面から見つめて言った。

「いつまででも…」

シェリアは天使の問いに答えながら席を立った。

「いつまででも、そうね…魔王も神もいない所までかしら。」

シェリアは薄い笑みを浮かべた。

「今日はありがとう、助けてくれて。じゃあね。」

そう言うとシェリアは教会からでた。

扉の閉まる瞬間、ウフィエルが何かいったような気がしたがその声はシェリアの耳には届かなかった。

アトガキ

はじめまして、佐野と申すものです。よかったら記憶野の隅っこの方にでも蓄積しておいて下さるとうれしいです。

今回が初連載でいたらないところもありますが長〜〜〜〜い目で見守ってやってくださいませ。


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