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あーかい部! 8話 剥く

ここは県内でも有名な部活動強豪校、私立池図女学院。

そんな学院の会議室、現場……いや、部室棟の片隅で日々事件は起こる。


3度の飯より官能小説!池図女学院1年、赤井ひいろ!

趣味はケータイ小説、特筆事項特になし!

同じく1年、青野あさぎ!

面白そうだからなんとなく加入!同じく1年、黄山きはだ!

独り身万歳!自由を謳歌!養護教諭2年生(?)、白久澄河(しろひさすみか)


そんなうら若き乙女の干物4人は、今日も活動実績(アーカイブ)を作るべく、部室に集い小説投稿サイトという名の電子の海へ日常を垂れ流すのであった……。

池図女学院部室棟、あーかい部部室。




「……はむっ。」




あさぎは1人、剥き栗を貪っていた。




「……コメントでも見るか。」




右手で器用にパソコンのキーボードを打ち、左手で栗を……食べる!




「……♪」




至福のひとときであった。




「あぁぁああ!!??」


「むぐっ!?」




画面に没頭していていつの間にか入室していたひいろに気づかず、大声に驚いてむせてしまった。




「おいおい大丈夫か?」




ひいろはお婆ちゃんを介抱するように慣れた手つきで背中をポンポンしてくれた。




「ごほっ……ん"っ……、なんとか。」


「とりあえず大丈夫そうだな。でも、ながら食べは良くないぞ?」


「むせたのはひいろが大声出したからでしょ?一体どうしたの。」


「そうだ、そうだよ!なんであさぎは剥き栗なんか食べているんだ!?」


「え?栗美味しいじゃん。栗に故郷でも焼かれた?」


「こんがり焼けているのは栗だろう。……ってそうじゃない。だったら皮付きのヤツにするべきだろう?」


「皮剥くのめんどくさいじゃん。……ひいろも食べる?」


「いや、いい。」


「意固地だなぁ……。美味しいよ?」


「栗が美味しいのは知っているし、むしろ好きだ。」


「変わってるね。」


「そうか?皮を剥く工程って、なんだかワクワクするものだろう?」


「そうかなぁ……。」


「プレゼントもむき身で渡されるより包装されてた方が嬉かったりしないか?」


「それはそう。」


「そうだろうそうだろう♪」


「食べものは別カテゴリじゃない?めんどくさがる人が多いから剥き栗とか売ってるんだし。」


「もったいない……!」


「あ、もしかして皮には栄養が〜ってやつ?」


「すまない。着衣は守備範囲外なんだ……。」


「着衣言うな。」


「剥くんだから衣服と大差ないだろう。なんだ思春期か?」


「いや栗まだ残ってんのに食べにくくなっちゃったじゃん……!」


「食べればいいじゃないか。おあつらえ向きに全開放済みだし。」


「そう言うならひいろが食べろ!」


「え?やだよ脱がす楽しみもない黒いのなんて。」


「とうとう脱がすって言いやがった……。あと変な情報を足すなっ!」


「いやいや、人間だって『裸に剥く』とか『ひん剥く』とか言うだろう?本質は変わらん。」


「よし、よくわからんがひいろに皮付きの食べものを与えたらいけないことはわかった。」


「おいおいそれはご無体ってヤツだろう。」


「いいや、まさか食べものまでそういう目で見てるとは…………見てたな。そういうヤツだったよひいろは。」


「いやいや。」


「どーせ殻付きのエビとかも嬉々として剥くんでしょ?ひいろは。」


「すまない、だるまは理解に苦しむ……。」


「逆になんで栗は良いのさ?」


「ほら、栗はアレじゃないか。剥かれた後に残るものが本体だし、それを皮で覆い隠すところなんて、まさに人間が衣服で恥部を隠すそれだとは思わないか……!?」


「思わない。」




あさぎは剥き栗を2つ掴み、まとめて頬張った。




「さ、3Pだとぉ!?」


「ブフッ!?」




あさぎは頬張った栗を吹き出しそうになるのをなんとか手で抑え堪えた。




「……ごくん。なんてこと言うのっ!?///」


「すまない。3


「もうその流れはいいよ……。」


「そうなのか?」


「ちゃおっす。なになに?楽しそうなこと?」




きはだ入室。




「ちょうどいいところに。きはだ、栗食べる?」


「いいの?ありがとうねぇ……♪」


「残り少ないし一気にいっちゃえ。」


「じゃあ遠慮なく。いただきま〜す……はむっ。」


「「乱○パーティーか(だな)……。」」


「……美味♪」






あーかい部!(4)




ひいろ:投稿完了だ!


あさぎ:やっぱ栗?


ひいろ:栗だな


きはだ:美味しかったねぇ


白ちゃん:栗食べたかった……


あさぎ:代償としてひいろの猥談がついてきますが


ひいろ:猥談じゃないぞ


白ちゃん:これは検閲が必要ね


きはだ:わたしも謁見しよ〜っと


ひいろ:やれやれだ




白ちゃん:ひいろちゃん、本当に疲れているときは保健室に休みに来てもいいからね……


ひいろ:元気いっぱいだ!


きはだ:○ン○ン○ンだ


白ちゃん:下品なのはダメよ?


あさぎ:アンパンマン


白ちゃん:え


きはだ:白ちゃんは一体なにを想像したのかなぁ?


ひいろ:品性の向こう側さ……


白ちゃん:私をなんだと

白ちゃん:っていうかもっとこう、カタカナ表記にしたりみたいな直球でくるかと身構えてたわ


あさぎ:1.1.0☎︎

きはだ:もしもしポリスメン?


白ちゃん:やめろやめろ


ひいろ:白ちゃん……下品とは違うんだ


白ちゃん:うるせえ生殖器の英名言って何が悪い私は免許保持者だぞ


あさぎ:これは酷い


白ちゃん:あのね?無免許でフグを捌いたら捕まるけど、免許保持者がフグを捌くのは合法なのつまりそういうことなの


きはだ:どういうことだってばよ


ひいろ:法治国家の暗黒面だな


白ちゃん:着衣とかだるま言うやつを取り締まれ


あさぎ:着衣泳

きはだ:だるま落とし


白ちゃん:くっ


ひいろ:白ちゃんだるまわかるんだ


あさぎ:あ


きはだ:おマヌケさんは見つかったようだねぇ?


白ちゃん:ええ、わかるわよ!あれで興奮するとか意味わかんないけどね!悪い!?


ひいろ:どんな癖もわかる人、好きな人が楽しめばいいと思うぞ?無理強いは良くないがな。


あさぎ:着衣卿がなんか言ってら


ひいろ:あさぎなら共感してくれると思ったんだが……


あさぎ:今度から部室に食べもの持ち込むの辞めるわ


ひいろ:それは止めてくれ

ひいろ:頼む

ひいろ:ネタがなくなってしまう


きはだ:必死過ぎて草ァ!


白ちゃん:ひいろちゃんって食べもの書かせると筆が乗るわよね


ひいろ:食べることは生の営みだからな


あさぎ:じゃあ1回縛ってみる?


きはだ:縛りプレイだねぇ


ひいろ:不便だが……これも開拓のためか


あさぎ:チラッ

きはだ:チラッ

ひいろ:チラッ


白ちゃん:突っ込まないわよ

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