エンサイオ前に
『ソルエス』のエンサイオは平日の夜間に開催されることが多い。
老若男女、様々な立場のメンバーがいるため、時間は長めに設定されていて、入退室は自由だ。
平日夜間の場合は十八時から二十二時までの枠が取られている。
初心者のわたしはなるべく多く練習したいと思っていた。
できれば十八時から開始したいところだが、学校の状況に依るのでなかなか思うようにいかない。学校から直接向かっても、電車の乗り継ぎのタイミングが悪ければ移動時間で一時間弱かかってしまうこともある。
その日は学校の活動で、ササやカヨと一緒に近隣の小学校の『放課後児童室ボランティア活動』に参加してきたため、出発がそもそも遅れてしまった。
学校ではボランティア活動は強制ではないが、年間を通してなんらかの活動には参加することが推奨されていた。
強制ではないという名の半ば義務化されたミッションを、ボランティアと言いつつ子どもたちと絵を描いて、ドッジボールで遊ぶという内容で消化しておきたかったという思惑は正直ゼロではなかったが、一度参加すれば良いボランティアに、今後も援農やゴミ拾い、介護施設のボランティアにも参加するつもりなのだから、義務以上に自ら率先して活動していると言って良いはずだ。
誰も言ってくれないから自分で言うが、意外とわたしたちはいい子なのだと思う。
そんなことを思ってはいるものの、良い子を演じたり点数稼ぎを目的にしているわけではない。
活動を通していろいろな人たちと接するのは楽しいし、喜んでもらえたり感謝の言葉を掛けてもらったりするのは素直に気持ちが良かった。
今日は美術部主導のボランティアに相乗りさせてもらった格好だ。希望者は誰でも参加できるが美術部以外の参加者はわたしたち三人だけだった。
あまりに人数が多くてもボランティアの種類によっては過剰になるので、抽選になることもある。推奨という名のある意味半強制のボランティア活動。楽しそうなもので消化したいというわたしたちみたいな思惑の生徒が他にもいそうだなと思っていたので、この結果は意外だった。
後に先生から聞いた話では、みんな後ろ倒しにする傾向があるので、下半期の活動が抽選になりやすいとのことだった。
今日のボランティア二部構成だ。
前半は美術部がいくつかテーマを与えて、適宜指導しながら絵を描くというワークを行った。
美術部によるデッサン的な指導も行う。
テーマは決めるが描き方は自由で、テーマに沿っていればイラストやマンガの絵でも良い。
美術部以外のボランティア参加者は、道具を配るなどのお手伝いが中心で、ワークが始まってしまえば子どもたちに混ざって下手な絵を描いて笑い合っていた。
ワークを逸脱しなければ、多少騒いでいても美術部も管理の小学校側の教員も多めに見てくれるようだ。




