憩い
今日は食事の後片付けはマレ。わたしはお風呂の準備をする分担だった。
「準備はもうできてるよ。マレ先に入る?」
「片付けしちゃうからのぞみ先入っちゃって良いよ」
「あ、クラスの子がさ、面白いドラマあるって言ってた。一緒に観よー」
「良いけど、ドラマって連ドラ? 時期的に終わっちゃってない? やってても最終回間近なんじゃないの?」
連ドラであることはその通りだし、時期的なこともマレの認識は正しい。でも、動画配信サービスで観るのだから時期も時間も関係ないのだ。
「うーん、一緒に観るのは良いけど、フランス戻っちゃうからなぁ」
確かに、連続ドラマなら一話だけ観ても意味がないとは言わないが完結してないまま終わることになる。まして面白いとされているドラマだ。続きが気になってしまうことだろう。
マレがいつまで日本にいるのか正確なところはわからないが、その間で全話観るのも無理があると思われた。
まあ、フランスに戻ってもネット配信で観ることはできるはずだ。そういう時間が取れるかはわからないけれど……。
バレエから離れているマレと。
近いうちにまたいなくなってしまうマレと。
普通の姉妹みたいな日常を過ごしてみたいと思ったのだ。
映画も良いが、気楽に、何ならおしゃべりでもしながらドラマでも見られたらなと。
でもそれは、わたしがしたいと思ったこと。あまりわたしの欲求ばかり押し付けるのは良くないか……。
しかしマレは、「観るだけならタダだもんね。面白ければどうにかして続き観れば良いんだし、うん、観よう」と言ってくれた。
「りょ、そっこーお風呂入ってくるね! マレもすぐ入ってよ?」
何気ない日常が、楽しく嬉しい。
マレも同じ気持ちだったら良いな。
元々和室だった居間を和モダンなテイストにしたリビングのソファに並んで腰かけテレビを観ている双子の姉妹。
≪言ってたドラマ観てるよ≫
ササとカヨとわたしのグループにメッセージを送る。
動画を観るにしても、音楽を聴くにしても、メッセージしながらになることが割とある。
おばあちゃんにはひとつのことに集中するように言われるが、どうしてもいくつかの作業を同時進行でやってしまう。さすがに食事の時は控えているが。
≪おー、どう? って、まだ見はじめたばっか?≫
≪わたしも二周目観ようかなぁ≫
≪同時に観て、感想言い合うとか? でもうちらは一回観ちゃってるしね≫
≪ネタバレいいそうでやばい≫
≪ちょっと! やめてよっ≫
みんなも私と同じタイプのようで、なにかをしながらのようだったが即レスポンスがあった。




