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サンバ、やってみようかな

 やってみようかな、という方向に傾いているわたしに、「色んな楽器あるよ」「打楽器だけじゃなくてメロディとか歌も」「ダンサーって選択肢もあるからね」なんて、ふたりの勢いは止まらない。



 ダンサーって、あれでしょ? さすがにあんな格好はできないなぁ。それに、ダンスは……。


 メロディってギターとか?

 ギターは気になるし、歌うのもちょっと面白そう。だけど、どうせならふたりと同じ楽器が良いかなと思っていた。

 楽器が一緒なら、練習も一緒にできそうだし。

 いのりちゃん、ついで(と言ったら申し訳ないけど!)にめがみちゃんもだけど、ふたりと一緒にやれるというのがわたしの心が動いた主要因なのだから。


 その場で連絡先を交換し、めがみちゃんを含めた三人のグループも組まれた。

 今までよりも価値が高くなった気がしたスマホは、上着のポケットではなくポーチに大事にしまった。



 やりたいことなんて何もないし、無くても良いと思っていたけれど、やることができると少し楽しい気持ちになった。



 ササとルカはやってくれるだろうか?

 後日尋ねると、画面越しに見ていた配信者INORIと繋がったことには興奮気味だったが、サンバや打楽器と言うものにはピンと来ていないようだった。

 サンバはノリが良く明るいイメージだ。適当なうたを歌ったり踊ったりしているふたりは、意外と相性良いような気がする。今は自分ごととは思えなくても、わたしがやれば興味を持ってくれるかもしれない。


 話している中でふたりは早速スマホでサンバチームがパフォーマンスをしている動画を見つけていた。

 普通にサンバを検索すると、日本の楽曲で曲名にサンバが入っているものや、社交ダンスが表示されるが、意外と日本人による本格的なサンバの動画もたくさんあがっていた。

 これまでの日常ではお目にかかれてはいなかったが、実はそこここでサンバはおこなわれているのかもしれない。



「うわ、楽しそう!」

 嬌声をあげているハイテンションなダンサーがカメラの目の前でカメラに目線を送りながら高速でステップを踏んでいる動画を見て、真似しているルカ。それをササはげらげら笑いながら撮影している。

 やっぱ相性良いんじゃない?


 そう思ったが、結局ふたりはダンスはちょっと興味あるものの、どちらかと言えばバズっているダンスというか振り付けのようなものをやりたいらしく、やっぱり主眼は「自分たちの動画のバズり」にあるようだ。

 そういう意味では自分たちの動画のためにサンバを取り入れたり、やってみる可能性はあり、興味も全くないというわけでは無かったが、現状手段にしかなり得ないので、今すぐ積極的に参画する状態になるのは難しそうに思えた。「なんかやるときは教えて!」「活動の様子聴かせて!」と情報収取には前のめりなので、ゆくゆくみんなで何かやれたら良いなと思った。




 

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