表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/217

少し気になること

 おばあちゃんにいのりちゃんのことを尋ねたのは、昔一緒に遊んだことのある幼馴染の現在を知りたいという単なる世間話という側面はある。


 だけど、ルカやササたちとの会話の中で気になるところがあった。


 ふたりとの会話の後、わたしもいのりちゃんの動画をいくつか観た。

 知らずに観ていれば、単に見映えの良い女性が演奏やら楽器のメンテナンスやら、時たま英語のレッスンなんてのもあったが、まあ割と見応えはあって、役に立ちそうな情報もある、ちょっとしたきっかけひとつでバズりそうな予感もありそうな好感の持てる配信者という感想を得ていただろう。


 幼い頃のいのりちゃんを知っている、というか、その頃しか知らず、しかも薄れていく記憶の中の印象を持って観ると、画面の中の素敵な女性は、幼い頃遊んでくれた素敵なお姉さんの面影が見え隠れして、なんだか胸が締め付けられた。

 幼い頃に憧れた、素敵なお姉さんが、今素敵な大人の女性になって画面の中にいる。


 

 会いたいな、と思った。



 おばあちゃんに尋ねるに当たって、気になっていたことも伝えた。



 いのりちゃんが動画を配信していたこと。

 きわめて頻繁に更新されているわけではなかったが、ある程度戦略と意図を持った更新がなされていた印象だった。


 なのに、それがしばらく止まっていること。


 何がどうというわけではないのだけど、なんとなく気になってしまった。

 そして、それをストレートに身内のめがみちゃんに直接尋ねるのが、これまたなんとなく躊躇われるということ。



 そのようなことをおばあちゃんに伝えると、「他人様の家のことだから、気になるのが単なる好奇心なら、安易に踏み込まないという選択は正しかろうよ。

まあ、せっかくめがみちゃんと新たな関係性を結べたんだ。ゆっくり育みながら対話を重ねれば良いさ。知りたいこと、知るべきことがあるのなら、その中で自ずと情報は得られるだろ」との指針を与えられた。



 まあそうするのが良いんだろうな。

 めがみちゃんとちゃんと話したいとは思っていたところだ。ちょうど良いのかもしれない。



 わたしがひとりで納得しているのを見ていたおばあちゃんはお茶を飲み終え、「それじゃ、私は先に休ませてもらうよ。のんもほどほどで寝るんだよ」とほほ笑んだ。



 素直な返事を返したわたしの表情からは、わたし自身が理解も把握もできない、何に対してなのかもわからない、わずかな引っ掛かりによる迷い? 困惑? 不安? 疑念? の要素の現れは消えていたのだろうか。



 今も相変わらずちゃんとしていそうないのりちゃん。


 配信が止まっている理由はなんなのだろう?

 終わらせるにしろ休止するにしろ、ちゃんとその旨を発信するタイプだと思う。

 飽きて放ったらかしにしておくなんて、わたしの記憶にあるいのりちゃん、そして大抵の画面のなかで笑顔を湛えていた女性には、なんだか似合わない。


 それも、めがみちゃんと話せばわかるのかな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ