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8 変態王子と私の趣味

マゾ、亀甲縛り、変態。


敵国の王子が変態なだけですが、苦手な人は注意して閲覧してください。

 

 なんか敵国の第七王子に公爵家ごと寝返らないかって聞かれたんだけど、この王子馬鹿なんだろうか。そういやうちの国の王子も馬鹿だし、王子と名のつく人はみんな馬鹿なんだろうか。


 まず、国に帰って敵国の公爵家連れてきましたーって言ったとして、良くて奴隷で最悪の場合は死刑だろ。なんでこんな分かりきったことがあるのに頷くと思ってるんだ。


「残念ながら、お断りしますね。奴隷にはなりたくありませんし」

「そうか!それは残念だ。しかし、君が断るのは予想通りでもある」


 予想してたなら言ってくんなよ。てか、残念とか絶対思ってないだろこいつ。誰かに聞かれてたらどうするんだ。私が敵国に誘われてたから寝返るかもしれないって噂が流れるかもしれないだろうが。


 前言撤回する。こいつのこと紳士かもしれないとか言ったけど、紳士さの欠片もなかったわ。


「しかし、この国は変わった人間が多いのだね。自ら人質になりにくるなんて、変態なのかい?」


 あ、それってもしかしなくてもヒロインのことです?つまり、ヒロインは自分から拐われに行ったと?え、馬鹿かよ。ただの馬鹿かよ。なるほど、私達はヒロインのせいで貴重な最終授業日を潰されたわけか。

 これは、いつもヘラヘラ笑ってる彼も怒り心頭なんじゃないだろうか。チラッと彼を見てみると、無表情。何考えてるのか分からないくらいに無表情。


 ちょっとこれは速く終わらせてさっさと学園に帰った方が良さそうだ。ヒロインには生徒指導が待っているだろうが自業自得と言うことで。縄で縛られてるから意識があるのかそうじゃないのかよく分かんないけど、自分から拐われたっていうなら意識はあると考えた方がいいだろう。


「変態は君の方じゃないのかい?」


 おっと、突入してから何も喋ってなかった彼が今頃喋った。何を言うつもりなのだろうか。正論じゃないと私は泣くぞ。あの馬鹿どもと同じ謎理論をぶちかますのはやめてくれ。


「自ら人質になりに来たって言ったよね?それで一応縛っておくのはまだ分かる。ただ、あの縛り方をするのはどう考えても変態だと思うんだ」


 あの縛り方……?どんな縛り方だろうと思って、ヒロインの方を目を凝らして見てみると、まさかの亀甲縛り。

 そう、まさかの亀甲縛り。SM系のアレでよく見かけるやつ。まさかこの王子、あっち系の趣味を持ってるのか?とんだ変態じゃないか。


「ふむ、バレてしまったか。ならばしょうがない、解説しよう。これはまだ手錠の発達が乏しいはるか東の国で手錠の代わりに用いられている技術でね。いかに囚人が死なずに、また暴れないかという研究が必要になった。その名も【SHIBARI】。これはキッコウシバリといい、元は米俵などの……」


 べらべらベラベラべらべら………長い。とにかく長い。あとそこ、興味を持つんじゃありません。目をキラキラさせない。誰にやるつもりなんだまず。


「……その点において、彼女はすごく縛り易かった」


 あ、その感想は聞いてないです。どうせ胸部の肉が豊満だったからとかそういうやつだろ、知ってるよ。ロリ顔デカパイは男の夢だろ、少年漫画でヒロインがそういう系のやつ多かったから知ってるよ。


「だから、私を連れて行くと言うのならキッコウシバリで連れて行け。もちろん出来るまで私はここから動かんぞ」

「不思議だね?もっと抵抗されるかと思ってた。しなくていいの?」

「そこのご令嬢が引き摺り出した術使いは先程言った通り結構な手練でね。アレがいない以上、私の負けは確定した。無駄な抵抗をして怪我するより、大人しく捕まった方が賢明だと判断しただけだよ」


 うん?つまり、私を誘ったのは本気ではなくてここまでの流れに上手いこと持ってくるためだったのか?変態発言の云々も穏便に済ませるため?馬鹿だのなんだの言ったけど、この王子結構頭いいのか?


「騙されないでねレティシア。こいつが変態なのは(まご)うことなき事実だから」

「ああ、否定しないさ、それが事実だからな。そしてご令嬢、君が縛ってくれないかい?出来れば縛った後に罵って踏んでくれると嬉しいのだが」


 そこから、私の容姿がいかにそういう系のSMプレイで素晴らしいのかを語られた。マゾを喜ばせる冷たい目だとか、高圧的な声だとか。

 やめろ、冷たい目は百万歩譲って落ち着いてると解釈出来ないこともないから許すが、高圧的な声は駄目だ。気にしてるんだ私も。これでコーデリア嬢に初期で怯えられたことを一応気にしてるんだよ!


 そして、いかに私に亀甲縛りをしてほしいのかを語られた。魔法で縛った方が絶対に速い……あ、魔法でやればいいじゃんか。ただ単に、亀甲縛りならなんでもいいんだろう?

 なら、捕縛魔法で一瞬である。この魔法を得意としている騎士がいるらしいが、多分私の方が精度は上だ。てか、これで負けたら私の沽券に関わる。


「なるほど!こちらを敢えて無視して縛ったか!放置プレイと言うやつだな、興奮するよ!」


 今思うが、第七と言えど王子がどこでこんな言葉を学ぶんだろうかと不思議でならないのだが。


 とりあえず、この王子と初めのほうのおじさんを引き摺って路地裏を出る。ヒロインは婚約者に任せて私は王城にこの二人を連れて行くのだ。


「はあ!衆人観衆の的となっている!お仕置きプレイだなありがとうございます!」


 この変態を一体だれが敵国の王子だと気づくのだろうか。あと、頼むからやめてくれ。私がこんな趣味を持っているのかと思われたらもうどんな顔で学校に行けばいいのか分からなくなるから。

 そして、将来魔道士団長になった時にあ、あの時の変態を引き摺ってた加虐趣味の人だってなったらもうどんな顔して戦えばいいか分からなくなるから。


 王城に二人を突き出してきて学園に帰ったあと、祖母から言われた言葉は「ああいう趣味があるのか……?否定はしないが、人前では控えた方がいいと思うぞ……」と言うものである。勿論泣いた。そしたら婚約者が来てフォローしてくれたけど、地味にフォローになってない。やっぱり私のこと嫌いだろお前。


 そして魔道士団の詰所に行って、父からの第一声は「否定しないが自重しろ」だった。なんだ?みんな私があんな趣味を持ってると思ってんのか?勿論泣いた。七歳以来の九年ぶりの号泣である。一応誤解は解けた。


 さすがに学校で噂されることはなかったのだが、この件に関しての面倒なことはまた後日話そうと思う。それくらい、私のメンタルはボロボロである。


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