王女とのお茶。そして迷宮へ
白夜達は訓練をしたり、魔法や世界についての勉強をしたりして一か月間を過ごしてきた。
白夜は今日の訓練を終え王城の中を歩いていた。
中庭まで来ると人影が見えた。
「あら、勇者様でしたか。ようこそ、一緒にお茶でもいかがですか」
「では、ご一緒させていただきます」
中にはにいたのはこの国の第三王女のメリアだった。
「勇者様は、今日も訓練をされていたのですか?」
「ああ。名前を名乗っていなかったな。俺はビャクヤ・コウザキだ。勇者様と呼ばずに白夜と呼んでくれ」
「分かりました。白夜様。では、私の事はメリアとお呼びください」
「分かった。メリア様」
「様付けしなくていいですよ?」
「いや・・・・・・メリアさm」
「メリア」
「メリアさ」
「メリア」
「はあ・・・分かったよ。メリア。じゃあ俺の事も白夜と呼んでくれよ」
「分かりました。白夜」
メリアはそう言い、微笑んだ。
白夜は少し顔が熱くなった気がした。
「白夜は何故此処に来たのですか?」
「散歩してたら此処に着いたんだよ」
「そうでしたか。騎士団長が『白夜は飛び抜けて強い』と仰っていましたよ」
「まだ一度も勝ててないけどな」
「騎士団長と打ち合えるだけでも凄いと思いますよ。騎士団長は国の中では一番の剣の使い手ですし。魔術師長も魔法に関しては物凄いのに、白夜君に関しては褒めてましたしね」
「それは光栄だな」
「よろしければ、白夜様のいた世界の事について教えてはくれませんか」
「俺の知っていることでよければいくらでも教えるよ」
「ありがとうございます。では・・・・・・・
この後辺りがうす暗くなり始めメイドが王女の事を呼びに来るまで話し続けた。
食事が終わった後は部屋に戻って寝た。
次の日は、食事が終わった後謁見の間に集められた。
「勇者様方。訓練の調子については伺っております。勇者様たちが最低限の戦い方は覚えたと聞きましたので、迷宮に潜ってみないかと思ったので、お呼びしました」
「迷宮とはどんなものですか?」
「迷宮とは魔物が現れる、洞窟、山、二種類の場所の事を指します。勿論、迷宮でなくとも魔物は現れますが、迷宮の魔物よりは弱くなっております。迷宮は階層ごとに分かれています。山の場合は合ですね。
迷宮では下の階層、山では上の合に進むにつれて魔物が強くなっていきます。十層、五合ごとにボスと呼ばれる魔物が現れます。ボスは他の魔物よりも強いのですがレアボスが出ない限りは、騎士団の者でも50層ぐらいまでは行けます。迷宮についての説明はこのくらいでしょうか」
「ありがとうございました」
「では、迷宮に行かれるために冒険者カードをご用意しました。皆さんの魔力に合わせてカードの説明が変わるので掏られる心配はありません。冒険者ギルドに勇者様たちの名前を登録しましたので、カードを失くしてしまい中に入れないときは門番に行っていただければ身分の確認が行えます」
「おお、凄え!」「他の人のやつを持っても、自分の情報が出るんだ」
皆、執事やメイドたちに配られたカードを見て興奮していた。
「では、迷宮への出発は、明日の早朝にしましょう。今日の訓練は自己判断に任せるとして、明日のパーティを決めておいてください。日とパーティ最大人数は6人です。では、明日までにお願いします」
国王からパーティを決めておくように言われ、白夜達はそれぞれ図書室や訓練場に行った。