訓練
白夜達は朝ご飯を食べた後、騎士団の訓練所に来ていた。
完全にスキルを魔法師にしてしまった人は魔法師団の方で訓練を受けるそうだ。
また、戦闘系のスキルを一つも取らなかった者は、図書室で勉強をするそうだ。
そんなこんなで、白夜達は騎士団の訓練所に来た。
最初の訓練は15キロのランニングだ。
騎士団の人たちは5kgほどするおもりを背負ったまま走っていたが、白夜達は勇者だということを考慮しても最初はおもりを背負わずに走るべきということになったそうだ。
一時間ほどすると皆が走り終わった。
騎士団の訓練所は一周3キロほどあるので五周走ったら終わりだ。
しかし、殆どの者は付いていけず一周差をつけられていた。
最後まで周差を付けられなかったのは5人だけだ。
一人は、やはりというか光輝だ。
光輝は日本にいた時から体力は多く陸上部にも所属していた。
それでも、半周差はつけられていた。
二人目は光輝と同じく陸上部に所属していた、陸夜だった。
陸夜は騎士達にあとちょっとで一周差というとこまで迫られたがぎりぎり差を付けられずにいた。
三人目は女子で、香織だ。
体育の時間でも体力があるとは思っていたが騎士たちに最後まで着いていけていた。
四人目は雪音だ。
雪音は白夜と一緒に、朝マラソンしたり、家が剣道道場という事もあり雪音は少し息切れさせる位で付いていった。
最後の一人は白夜だ。
白夜は騎士団長に個人個人で好きなペースで走っていいと言われていたので、一人で最後まで独走しきった。
騎士団の人たちにも一周差以上付けていて、圧倒的な体力にステータスを爆上げしたことによりスピードを保ったまま息切れひとつさせずに走り切った。
白夜がゴールしたのは三十分ほどでだった。
最後の人が走り終わった後十五分ほど休み、次は取ったスキルに合わせた武器の訓練になった。
白夜は五分ほど騎士団の剣の振り方や戦い方を見た後、剣を振り始めた。
白夜は直観記憶の能力を普通に使うだけではない。
普通は教科書などを見て答えを覚えたりするのに使う能力だ。
しかし、白夜はその能力を使って、型を覚え、尚且つもう一つの能力、反響定位を使って胴体を動かせばいいのかを理解して体を動かす。
これによって、白夜は今まで色々な流派、武道などなど、スポーツの動きを覚えてきた。
今までに覚えた剣の流派の動きを合わせ最も動きやすいのを作り出す。
これを行うことによって、白夜は自分にとって最善の動きをすることができる。
騎士団長は白夜の動きを見て『ほかの武器を明日は使ってくれ・・・』と言ってきた。
次の日から白夜は騎士たちと同じ5kgを。雪音と香織は3kgを。光輝と陸夜は1㎏のおもりを背負って走ることになった。