国王との対面
そして、異世界に召喚された白夜達は、王女に連れられ謁見の間と呼ばれていた場所へときた。
そこには、王様と思われる40過ぎ位でありながら、ある程度の力は持っていそうなおっさんがいた。
「勇者様方、よくぞいらっしゃってくれました。私は、この国の国王レイオット・フォン・シャーロット・ラインベールと申す。召喚したのは、この世界に現れた魔王を倒していただきたかったからです」
「お、僕は賀來光輝です。この国の言い方、と言うか、ステータスの名前ではコウキ・ガライですね。
僕たちは争いのなかった平和な国から来たので戦えるかどうかは分かりかねますが、できる限り神様からもらった力を使って頑張ろうと思います」
「おお!それだけでもありがたいことです!」
「一つだけお願いがあるのですが、よろしいですか」
「できる限りのことは敵えて上げたいと思います」
「ありがとうございます。お願いとは、どうしても戦いたくないという人たちには戦わせないようにしてほしいのです。戦いたくないという状態で戦っても、十分な力が出せず死んでしまうこともあるので。どうかお願いできませんか」
「分かった。どうしても戦いたくないというものはできる限り戦わせないように取り計らおう」
「ありがとうございます」
「では、今日は夜遅いので、残りの事は明日話すことにしましょう。今日、泊まる部屋に関してはこの城に泊まっていただいてもらうのですが、予想よりも人数が多かったため二人ずつで組んでもらえますか」
国王は思っていたよりも腰が低い様子だ。
勇者たちに逃げられないように、ということもあるのだろう。
白夜のクラスは50人いて女子と男子の人数は半々だ。
恋人の所は一緒に組んでいるようだが恋人は6組のようだ。
少なくてもあと一組は男女で部屋を組むことになるのだろう。
そう白夜が考えていると雪音が話しかけてきた。
「白夜様。同じお部屋になっていただいてもよろしいでしょうか?」
「まあ、いつもと同じようなものだしいいか」
「「「「「えぇぇぇ!」」」」」
「雪音ちゃん。白夜と同じ部屋にするの?」
「雪音ちゃんに催眠でもかけたのか!白夜!」
「雪音ちゃん。何で白夜君の事様付けで呼んでるの?」
「いつも、白夜のことを気にしていたようだったけど・・・」
「何で、白夜君と同じ部屋になろうとしてるの?恋人でもないんでしょ」
雪音はクラス一の美少女と呼んでもいい位なのでこのような反応がみんなから帰ってきてもおかしくなかった。
雪音は皆を鎮めようと説明(言い訳?)を始めた。
「白夜様は私の主人?というかお父さんの主人の息子だから。私は催眠になんかかけられてないよ。私達の家族は白夜様の家に住まわせて貰っているからいつも一緒に住んでるよ。白夜様の事を気にしていたのはお父さんに学校では『白夜様の事を頼む』と言われているから。白夜様とは家同士の決定で、二人とも了承しているからだけど婚約者の関係だよ」
「何で、雪音ちゃんの家は白夜君の家の家政婦?をやっているの?」
「借金の建て替えを白夜様の家がやってくれたことと、白夜様の家が大きな会社の社長の家で雇ってもらったからだよ」
「白夜って社長の息子だったの!」
「そう言えば、神崎財閥って聞いたことあるかもしれない」
「白夜君っていつも学校でメガネとマスクつけていたからまったく社長の息子だなんて思わなかったよ」
「そういえば白夜の素顔見たことあるやつって雪音以外でいるか?」
「「「「「・・・・・・・・・・」」」」」
「誰もいないのかよ・・・白夜、素顔見せてくれないか?」
「まあ、社長の息子ってことをばれないために変装していただけだしな。もう変装する理由もないか」
そう言うと白夜は、メガネとマスクを外し、元々の髪の上に着けていた髪?も外した。
白夜の素顔を見たクラスの皆は静まり返ってしまった。
白夜は、青と赤のオッドアイ。控えめに言ってもカッコいいと呼べる顔立ち。そして、日本では白夜達の一族以外いないミントグリーンの髪。
その容姿に皆が見入っていた。
しかし、静かになったことで部屋割が決まったと思ったのか国王が話しかけてきた。
「勇者様方、部屋割が決まったのでしたら案内させます」
「あ、分かりました。決まったのでよろしくお願いします」
光輝は国王の言葉に反応すると返事を返した。
国王が命令し、メイドと執事が部屋に案内してくれた。