学校で
朝、学校に来た僕たちはいつも通りの日々を過ごしていた。
「おはよう。白夜君」
「おはよう。雪音ちゃん」
話し掛けてきたのは僕の幼馴染である、香坂雪音だ。
雪音とは小学校からの付き合いで、雪音の親が剣道の道場をやっていて僕がそこに入った時に出会った。
雪音のうちの道場が借金で潰れそうになりお金を貸す代わりに、道場話経営しながら、僕のうちで執事などと家事をやるという契約だったようだ。
僕のうちの親は大きな会社の社長だ。
学校でそのことを知っているのは雪音だけなので、僕は普通のうちの子供だと思われている。
僕は小さいころから英才教育を受けていたので勉強ではいつもトップの成績を維持しているせいか、周りからはがり勉だと思われることもあった。
このようにいつも通りの毎日を送っていた僕達だったが、お昼ごろに日常と変わった。
「どうも、〇〇高校2-4の皆さん。あなた達にお願いがあります」
「おい、ドアが開かなくなってるぞ!」「窓も開かなくなってるよ!」
ドアや窓が開かなくなったことで皆がパニックになってしまった。
「皆、いったん落ち着こう!まずは、放送で流れている声を聞いてみよう」
光輝が声を上げると周りは静かになった。
「ありがとうございます。まず、僕はもう一つの世界の神のテトです。お願いは僕の世界に来て世界を救ってほしいということだ。皆には、ある程度の力を授けるのであっちの世界でも十分に戦えるようになる。だからお願いだ」
「あっちの世界に行ったら、こっちに戻ってこられるのか?」
「ああ、こっちに戻ってこられるようにする。ただ、戻れるようになるのは世界を救ってからになるのだが・・・」
「分かった。みんな!もう一つの世界を救ってみないか?僕達も力を貰えるのなら十分に戦えるはずだ」
「光輝が言うなら」「光輝君についていくよ」
光輝に賛同する意見が多く、反対な人がいても言い出せる不陰気ではなくなった。
「白夜君、どうするの?」
「雪音か。僕は行ってもいいと思う。楽しそうだしね」
「白夜君が言うならそうするよ」
「ありがとう!まずは、僕のいる空間に来てもらうね。そこで、世界の説明や力を与えたりするから」
「分かった。じゃあお願いするよ」
光輝が頼むと僕たちの教室は光、別の空間に転移された。