迷宮最終層~九首龍戦~①
白夜とアスールは順調に階層を踏破していき、白夜が落ちてから一カ月ほど経ち、最下層の100階に踏み込んだ。
100階には階段を降りて直ぐの所に、高さ10メートルほどの扉があった。
白夜とアスールは1日そこで休み、扉を開けた。
扉の先に居たのは、全長50メートルはありそうな、9つの首を持つ龍。九首龍だった。
九首龍は一本一本の首が違う能力を持つ。赤い首は炎、青い首は氷、緑の首は嵐、黄の首は雷、紫の首は毒、茶色の首は土、黒色の首は闇、銀色の首は回復、金色の首は光だ。
一本相手にするだけでも大変な首が九本。対してこちらは二人。
しかし、勝機がない訳では無い。【悠久の書庫】で調べたところ、銀色の首を倒しても回復能力が完全に無くなるわけではない。しかし、回復できるのは銀色の首だけで、銀色の首を倒した後に他の八本を相手にすればいいらしい。まあ、言うのは簡単でも、それを実行するのは難しい。
銀色の首を倒そうにも、まず、他の八本の首を止めなければならない。ここでアスールの出番だ。
ムカデ戦で使った【凍土】。これで一時的に動きを封じ、その隙に白夜が【炎剣】で銀首を切った。