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prologue
これはとある世界のとある貴族様の恋のお話。
昔、街外れの大きなお屋敷に一人の貴族様が住んでおりました。
貴族様の名はサタ―ジュ・ペリケイムといい。
王国にお仕えする名門ペリケイム家の唯一の跡取りであり、大変裕福なお方で中々の出で立ちで街に出るとたちまち若い女性たちに取り囲まれるようなお人でした。
そんな貴族様がある時、用事で街へ出かけた際街では奴隷市場が開かれていました。
普段は奴隷を忌み嫌う貴族様でしたが、奴隷が入れられた檻の中に一人だけ目が離せなくなった者がいました。
白髪に碧い瞳を持った美しい少女。
貴族様が生まれて初めて恋というものを知った瞬間でした。