汝、運命を…
名前の通り、西遊記をモチーフにしています。
構想の途中なので、最期まで書けるか運次第です…
すいません…
汝、運命に出会う前
それは異形の姿だった。
人のように直立に立っているが、全身は黒い短毛に覆われ、光のかげんで紫に照り返す、美しい毛並み。
虎の足に、丸太の様な太い腕に獲物を引き裂くための鉤爪。
顔は獅子の顔に額から一本の角が獲物に向いている。
異形は咆哮する。
「何故だ!それほどの力がありながら俺と何故闘わぬ!!」
異形の獲物…相対する者は、光り涼しげにやんわりと立ち優しげに異形に接している。
「一角よ…お主の相手は私ではない…」
「いや!俺を満たすのは強者のみ!観音闘え!!」
ドドドド!!
一角が観音を己の角で突き刺すべく突進していく。
観音は涼しげに避ける様子もなくスッと手をかざすと、一角の巨体か吹き飛ぶ。
「ぬう…貴様…」
「分かったか?お主では私に勝てない」
うずくまり立ち上がろうとする一角の肩に、観音の手がそっと触れる。
『…ぬう、動けん…!』
「一角よ。私の願いを聞いてもらえないか?」
「俺は興味は強者のみ!子どもお守りは御免だ!!」
「その娘を守ってくれれば、おのずと強者も現れよう」
「貴様ほどの強者がいるか!!闘え俺を満たせ!!」
観音は静かに目を閉じ、思案しそして目を開いた。
「私の本意ではないがお主にはここで待ってもらおう」
そして観音は、ぽんと一角の肩を軽くたたくと、一角の手足が石と化し大地と溶け込んだ。
「…!!観音てェめぇえ!!」
「枷は娘に外してもらうがいい。但し娘を守るのが枷を外す条件だ。頼んだぞ」
観音はそういうとすうっと空高く舞い飛んでいった、。
「おのれ観音!!次は必ず貴様を倒す!!」
のんびり屋なのでかなり執筆が遅いです。