表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
HEINE  作者: ふみづくえ
第一章
1/34

その人は

 その人は、旅人の祖とも呼ばれていた。


 どこから来て、どこへ行くのか。それを知ることは誰にも叶わなかった。

 彼の歩く道は、世界に敷かれた道であり、人に敷かれた道だった。


 彼は歩いた。道を、世界を、人を。


 長い長い時間をかけ、全てを歩き尽くし終えたとき、彼は来た道を振り返った。

 振り返り、再びその足を進めた。

 

 世界を廻り、人を廻り、そして、人々の前世を目覚めさせた。


 彼は言った。百年先の未来を、歩けるようにしたのだと。

 彼の言葉は、百年先の世で理解された。


 前世を取り戻した人々は、彼の言った言葉をなぞるように、彼の歩いた道をたどるように、前世からの想いを果たそうと、一人また一人と旅に出る。


 やがて、旅人は千と増え、万と増え、その足一つで歩いた土は固められ、後から続く旅人の助けとなる。


 それは、前世への回帰が続く限り止まることはない。


 いつしか呼ばれた彼の名は、聖人ハイネ・ガラドリエル。


 ハイネの旅には、一人の友がいた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ