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エンジェルジャッジ  作者: 高居望
第一章 脱出編
9/11

 策戦が始まった。

 オレたちは二組に分かれて行動している。天と地、いいネーミングだろう。

 天チームはオレとむく天音あまね。地チーム村雨むらまさまわり

 このチームともいえない超少人数制チームの編成理由はいくつかある。

 そもそも、チームは隊長、魔法隊、武力隊、兵器軍がいないと話にならない。しかし、オレたちは人数的にそんな贅沢はできなかった。なので、椋の”以心伝心”を使っての急ごしらえだ。

 オレは両チームの同時指揮。兵器も天音による同時操作。椋は”以心伝心”と同時に魔法隊兼武力隊。村雨と廻はそれぞれの専門職についている。これでどうにか、最低限はクリアしている。

 もう何度も出てきている”以心伝心”は、名前の通り、遠くにいる相手と会話ができる。平たく言えばエスパーみたいなものだ。これは”麒麟”何かとは違って、努力しだいで後天的に身につくものだ。そもそも、先天的才能を必要とするのは”麒麟”ぐらいなものだが。

 脱出のための関門は大きく分けて三つある。

 ひとつは門。プリビレッジから出るための唯一の出口。これはあの門番たちを見る限り問題はない。

 お次は門から地上への出口までの通路。本格的な戦闘はおそらくここから。あくまで予想だが、ここの重要性と予定外の反乱の起きる可能性から逆算すると、オレたちの戦力でもぎりぎり勝てるはずだ。もっともここからは、予想外の連続を覚悟しておいたほうがいい。

 そして最後は、先生、来春らいはみゆ先生。彼女がおそらく最難関だ。彼女の具体的能力は未知数だが、剣道では村雨と、魔法合戦では廻と、チェスではこのオレと、それぞれ対等に、いや明らかに余力を残して”指導”していた。彼女がこの戦いに出てきた場合、オレが担当するしかないだろう。それがオレの最大の任務かもしれない。

「よし、予定では村雨たちが門を崩したころだ。緊急時の照明弾も発していないから、おそらく成功しているだろう。オレたちも今から向かい、通路での先頭に奇襲を仕掛ける。用意はいいな」

「はいっ!」「了解」

 オレたちはこの反乱が先の二人だけのものだと誤認させ、油断している相手を一気につぶす役割だ。地チームが最初の陽動で、天チームは追加攻撃ってところだ。

 

 予定通り門についた。しかし、そこにいたのは・・・

「はぁい。どうやら全員集合したようね。それでは特別授業を始めましょうか」

「来春、みゆ・・・」

 門では来春先生が不適に微笑んで、待ち構えていた。

 

 数字の題名も味気がないので、今回から変更しました。

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