参
そんなことを言ってる間にルームへ到着。ま、確かなことはグランデという大組織に逆らうよりは、それに入って利用し利用されて生きるほうがほうが賢い生き方ってことだ。
「到着~。相変わらず広いよね、プリビレッジは」
「あと一週間でここともオサラバか。そう思うとちょっと寂しいな」
あと一週間でここにきて一年、つまりは卒業というわけだ。確かに、慣れ親しんだここを離れてイギリスへ行くのは少し感じるものがあるな。でもまぁ、イギリスでの暮らしがここよりも不便ってことはないだろうし、一年ぶりに地上に戻れるのも楽しみだな。
なんて感慨にふけっていると、椋が余計なことを言う。
「雨、分かってないようだから教えといてやるが、お前は空前絶後のバカだから確実に留年だろ。ね、そう思いますよね、翼さん」
ひどいことを言うやつだな。それに俺に同意を求められても・・・
「いや・・それはないだろ。というかお前さすがに村雨に失礼だぞ」
「へっ、怒られてやんの。バカはお前だな、ムクドリが」
「貴様~!!」
「もう、ケンカばっかりして~」
このときのオレたちは、これからのことなんて少しも考えることなく、未来のことなんて少しも思考せずに、ただこれからもこんな平和な時を過ごしていくのだという根拠のない夢を見ていた、空想に浸っていた。
オレたちのこれからの運命、これからおきるであろうことについて、この時はまだそれが分かっていなかった。そもそも、あらかじめ先を見ておくことなんて不可能だし、分かっていたところで未来を変えることができていたとも限らないのだけれど。それでも、後悔せずにはいられない。




