壱
「はーい、今日はここまでね。皆おつかれさまでした。利田君は黒板消しよろしくね」
明るい声が終わりを告げた。今日の授業はここまでか。
オレはノートを机にしまい(ちなみに今さっきの授業は世界史)、黒板を消しに行く。黒板消しは生徒が一日交代でやることになっている。今日の当番はオレというわけだ。
オレは仕事を終え、教室の入り口にできているグループに混ざる。
「おまたせ、ルームにもどろう」
「あ、来た来た、翼くん!」
返事をしたのは指谷廻、みんなに優しく、笑顔がチャームポイントの明るい女の子だ。可愛いだけじゃなく、魔法の成績は全国クラスという、エリートの中のエリートだ。
「今日の授業さっぱり分からん。翼、後で教えてくれ」
「いいよ村雨。飯食ってからな」
今日も授業に置いていかれていたのは神門村雨、背が高く体もがっちりしているスポーツマン体型。見かけ通りに武道全般は一流の腕前だ。しかし、それ以外は、特に勉強はあまり望ましい結果を出せていない。
「村雨は勉強しても無駄、バカなんだから。さっさと諦めろ、バカ。あ、荷物お持ちします、翼さん!」
オレから荷物を運びたがっているのは、百々椋。ここに来た初日からなぜか俺のことを慕ってくれてる。黒の長髪は誰もが見とれてしまうほどきれいだ。文武両道、質実剛健、おまけに美人な椋がなぜオレを慕っているのかは、永遠の謎だ。もちろん、女の子に荷物を持ってもらうなんてことはしないが。
「みんなそろったし、そろそろ行こうよ!」
廻の号令でオレたちは教室を出る。ちなみにここにはもう一人、九石天音という無口で小さな女の子もいる。無口といっても、ある授業ではそれが解禁されるのだが、まぁそれはおいておこう。
これがここの生徒全五名、オレの仲間たちだ。




