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短編集  作者: 記紀
2/7

追放パーティー駆逐部隊

「キャロラインお前をこのパーティーから追放する。」

「貴方、回復職のくせに無能なのよ。いい加減にして。」

「俺達ももうすぐAランクに上がるんだから足手まといはここで切るなが正解思い知ったよ。」

これはパーティー追放というこの国では犯罪行為である。

パーティーをパーティーメンバーが脱退するには、様々な手続きが必要である。

もちろん、本人同意も必要である。しかし、パーティー側が実力不足だと言った場合は、ギルドに依頼して、ギルドで審議がなされ、その審議で引っかかったパーティーメンバーは、ギリギリまで追い込まれて訓練をするのである。

これは、そのパーティーメンバーがいないとどのようにパーティーに影響するかを調べることも審議の狙いである。もちろん、相性が合わなかったり、素行に問題があったり、明らかに他人からみて実力不足だったりすると強制解散されることもある。

(ギルドに依頼して審議に引っかかった場合に関しては、他のパーティーメンバーの実力が100だとすると引っかかったパーティーメンバーの実力が60〜70で見込みがまだある場合のみに訓練が受けられる。20〜30だった場合はパーティーを休職扱いになる。)

しかし、このような手続きをせずに、パーティーから脱退させることを追放という。

この追放は違法である。

しかし、本人同意の署名がもらえない場合(脱退理由が病気などペンが握れない状態だった場合)はギルド職員同伴で代筆する。

けれど、どこにも法を破るやつはいるもので、最近ではパーティー追放も増えている。ギルドも対処しきれない問題となり、ついに国が動いた。

国は追放パーティー駆逐部隊という部隊を作り、事前に冒険者登録しているものを疑惑のあるパーティーでちょこちょこ後方支援をしながら、調べていくのである。

この部隊の人間は全員有能で、少しずつ後方支援の規模上げているため自分たちの実力であると信じさせることが可能である。

この時に追放疑惑がただの疑惑だった場合は、理由をつけてパーティーを脱退するのがベタである。

しかし、本当に追放していた場合は、追放まで待ち、追放するといわれた場合は即刻全員を拘束する。

これが追放パーティー駆逐部隊の仕事である。

「よくわかった。お前たちを拘束する。」

「何をするキャロライン。」

「私は追放パーティー駆逐部隊所属ライン・トレビアお前たちをパーティーメンバー追放罪で逮捕する。」

「嘘だろ。」

「残念ながら嘘ではない。」

ラインはパーティーメンバー達を担ぎ留置所へと送ると、こう呟いた。

「面倒な手続きを省くと痛いしっぺ返しをくらうよ。」



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