精霊になっちゃった!
気がつくと森の中だった。
周りを見渡してみるとすぐ隣に黒い髪が腰まである少女がいた。驚くことにその少女の額には小さな角が生えていた。そういえば魂とやらによって種族が変わるとか、まあ、体の感覚的には僕の体は人型だがどうなんだろうか?立ち上がってみると思ったよりも体が軽かった。身長は変わってないみたいだな。とりあえずステータスと唱えてみることにした。
「ステータス?」
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『名前』天野 瑠璃 『LV0』
『種族』精霊(幼体)
『筋力』2
『俊敏』15
『魔力』60
『器用』20
『耐久』5
『固有スキル』
『契約』『精霊魔法』『浮遊』『共鳴』
『精霊体』
『スキル』
『風魔法』『水魔法』『魔力操作』『魔法適応』
『称号』―――
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まあ、人間辞めてることは想定内だけど精霊かあ、魔法も使えるみたいだけどまだ大した物は使えないだろう。でも魔法で出来た水って飲めるのかな?後から検証して行こう。
とりあえず隣に居る少女を起こそう。
「ねえ、起きて」
少し揺らしてみると少女が目を覚ました。
「あれ?ここどこです?」
「おはよ、あの変な空間でのことは覚えてる?」
「変な空間?え?あれって夢じゃないのです?」
「まあ、残念ながらそういうことだよ」
「とりあえず自己紹介しない?僕は天野瑠璃よろしくね」
少女の前に手を差し出すと遠慮気味に手をつかんで
「古城楓よろしくです」
「とりあえずステータスを確認してくれない?」
「わかったです。ステータス」
ふむステータスは多分自分にしか見えないのだろう。僕からは何も見えてないし。
「楓、人間辞めたです?」
まあ見る限り人間ではないよね。
「安心して僕も人間辞めてるから」
「安心出来ないです!!」
「まあ、とりあえずステータス共有しない?多分これから一緒に行動するんだし。」
「わかったです。でもどうやってです?」
「地面にお互いのステータス書こうか」
古城さんが書き始めたのを見て僕も書き始める。
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『名前』古城 楓 『LV0』
『種族』鬼(幼体)
『筋力』50
『俊敏』30
『魔力』3
『器用』25
『耐久』30
『固有スキル』
『鬼人化』『妖術』
『スキル』
『肉体強化』『刀術』『闘気操作』『武術適応』
『妖力操作』
『称号』―――
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古城さんのステータスは近接よりか、僕が遠距離で古城さんが近距離バランス的にはとてもいいと思う。
「僕達は現状このステータスが強いのか弱いのか分からないから慎重になろう。とりあえずどこかに街や村がないかさがさない?」
「わかったです。でもその前にスキル使えるか確認するです。」
それもそうかいきなり魔物が現れて戦えと言われても無理だしな。とりあえず水の魔法を使おうとしてみる。む?何も起きないぞ?
「古城さんそっちは出来た?」
「妖力操作をしてみると体の中の何かが動いている感じがするです。」
ふむ僕も魔力操作から試してみるか。少し集中してみると体の中にナニかがあった。それに意識を集中させると自由に動かすことが出来た。多分これが魔力だろう。これを手の平に集めて水のボールを出すイメージをしてみると、突然手のひらから水のボールが発射され木を少し削った。
「うわ」
少し驚いて尻もちを着いてしまった。結構威力あったね。
「ちょっ、今のなんです?」
近くで妖力操作の練習をしていた古城さんが音を聞きつけてやってきた。
「多分水魔法だと思うけど」
「いやなんで曖昧なんです」
仕方ないじゃん初めてだし。
「古城さんはどうだった?」
「古城じゃなくて楓でいいです。楓も瑠璃って呼びます。」
「わかったよ楓なにか収穫はあった?」
「闘気操作と肉体強化で筋力と俊敏が上がるみたいです。あと固有スキルはまだ試してないです。あとステータスでスキルの詳細が見れるです。」
「じゃ、しばらくはスキルを試そうか。」
そう言って僕達は少し離れた。とりあえず水魔法を飲めるか試してみるか。とりあえずふわふわ浮いている水を想像しよう。すると想像どうりにふわふわと浮かぶ水が現れた。
魔法は想像である程度は自由性があるのかな?まあ、この魔法を『ウォータクリエイト』となずけよう。それを一口飲んで見ると結構美味しかった。じゃあ次は風魔法だ手のひらに魔力を集め風の刃を想像する。すると目の前の木に浅く切り目をつけた。ふむこの魔法には『ウィンドカッター』となずけよう。ありきたりだが分かりやすいしいいか。
固有スキルも試してみるか。この固有スキルは体が使い方を理解しているようだから結構簡単に行けると思う。とりあえず浮遊からやってみよう。
「『浮遊』」
浮遊と唱えた瞬間に体が浮いた。どうやら浮いて進む速さは俊敏に比例しているらしい。
検証が済んだから1回降りた。次は精霊魔法かな?