遊戯神の戯れ
僕の名前は天野瑠璃。
今日から私立平川中学校に通うことになった中学生だ。
「お母さん、行ってきます」
僕がそう言うとお母さんがリビングから顔を出した。
「気おつけて、行ってらっしゃい」
「はーい」
それから僕は徒歩10分の駅に行き電車に乗って学校へと向かった。学校に着くとすぐに体育館の前に案内された。そこには僕と同じで入学生が沢山いた。そこらしばらく待って入学式が始まった。入学式では学校のルールや
担任の先生が紹介された。入学式が終わったら1年2組のクラスに案内された。ちなみに僕の学年は3組まであるらしい。
教室に入ると皆自分の席に座った。僕の出席番号は2なので結構前だ。みんなが席に着いたのを確認して先生は自己紹介を始めた。
「皆さん初めまして斎藤雨音です。今日から皆さんの担当を勤めます。これからよろしくね」
斎藤先生の外見は身長が150cmくらいで童顔だ。年齢も20代だろう。
「それじゃ皆さんも自己紹介をしてください」
何を言おうか迷っていると急に視界が暗転した。
僕が目を開けると白い空間と沢山の人魂がいた。僕がそんな状況に戸惑っていると急に僕とあまり背丈が変わらない少年が現れた。
「やあやあ、急にこんな所に連れてきてこめんね。まあ、いきなりだけどここにいるみんなには異世界に行ってもらう。」
異世界?僕も年頃の男の子だそういったマンガはよく見てる。行ってみたいと言う気持ちもあったがこんな状況ではそんな気持ちもない。周りの人魂も僕と同じように戸惑っている。少し冷静になり、ここにいる人魂の数を数えてみると僕のクラスの人数と同じだ。
「あの、急にそんなこと言われても」
多分これは先生だろう。他の生徒たちはまだ状況を把握出来ていないようだった。
「ああ、もちろん君たちに拒否権はないよ?ここに来るのに肉体は邪魔だから壊してきたから戻ったとしても死ぬだけだよ?」
は?こいつなんていった?戻れない?
はあ、本当にこの世界は理不尽だ。とりあえず帰るのが無理なら色々と質問してみよう。
「あの、あなたは何者なんですか?」
僕が質問するとその少年はにこりと笑った。
「僕は遊戯神君たちの行く世界の神の1柱さ
他にも質問があるならしていいよ、答えられないものもあるけどね?」
それからは先生が代表して質問をしていった。僕たちの行く世界はよくマンガでも見るような異世界だ。ステータスやレベルやスキルなどがあり魔物などの生物がいることも。僕たち生徒は黙って説明を聞いた。僕は気になったことがあったので聞いてみることにした。
「あの、僕たちの体を壊したって言っていましたけど僕たちはそちらの世界ではどうなっているんですか?」
「お、いい質問だね。君たちには自分の魂に適した種族になってもらう。流石に虫などは無いと思うが魔物になったりするかもね?」
遊戯神様はそう笑いながら言った。そちらの世界では基本的に魔物と人間は敵対しているらしい、だからか多くの生徒が不満の声を上げた。
「ふざけんな元の世界に戻せ」
多くの生徒がそれに同意したがすぐに黙ることになった。
「まあ、いいけど元の世界に戻ったって死んでるよ?それでもいいなら戻してあげるよ」
まあ、そんなこと言われたら黙るしかないよね。
「もう質問がないなら2人組を作ってね」
2人組み?このまま全員で行くのじゃないの?
「あの、なんで2人組なんですか?」
「そうじゃないと生き残るのが簡単でしょ?それはあまり面白くないし2人組みがちょくどよくない?」
笑いながらそう言う遊戯神様を見たものが自分達はこの人の暇つぶしの為に連れてこられたのだと察した。そこからはみな2人組みを作った。僕は近くにいた人と組んだ。全員人魂なので誰が誰なのかは分からないがみな2人組みになった。
「それじゃ僕の世界におくるよ。着いたらステータスと唱えるといいよ。それと服の中に銀貨20枚それぞれ入れて置いたから後は頑張ってね。それじゃ楽しませてね」
そして僕たちは光に包まれた。