表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

241/700

殺意



 その場にいる、誰もが言葉を失った。


 帝国の中枢を牛耳る派閥の第3秘書官が、あろうことか、『自分の悪口言われたから、帰ってきた』と言い出した。


 ガキの使いじゃないんだから。


「「「「「「「「「……っ」」」」」」」」」


 笑える。


 しかし、誰も笑えない。


 ブュギョーナは第3秘書官。この中での序列は高く、自尊心プライドも高い。笑えば、ネチネチと、いつまでも粘着的に仕返しされる。絶対に笑う訳にはいかない。


 そんな中。


「クク……クククハハハハハハハハ! ハハハハハハハハ、ハハハハ!」

「……でゅふ」


 唯一爆笑したのは、そこにいるエヴィルダース皇太子だった。


 そして。


「……ハハ……ハハハハハハハハ」


 つられるように第1秘書官のグラッセが乾いた笑い声を浮かべる。


 そして。


「ハハハハハハハ」「クハハハハハハハハハハハハ」「ハハハハハハハ」「ハハハハハハハ」「ハハハハハハハ」「ハハハハハハハ」「グハハハ、ハハハハッハハハ」「ハハハハハハハ」「ハハハハハハハ」「ッ……ハハハハハハハ、あー、おかしい」「ハハハハハハハ」「……ははあはあははは、ごめんなさい、あははは」「ハハハハハハハ」「ハハハハハハハ」


 堰を切ったように、他の秘書官たちが笑い始める。


 同調圧力。


 エヴィルダース皇太子が笑い、筆頭秘書官のグラッセが笑ったのだから、これは笑うべきものだと秘書官たちが認識した結果だ。


 中には、数人ほど真に受けて、本気で笑っている者もいたが、第1秘書官のグラッセを初め、他は若干ブュギョーナを気遣った、乾いた笑い声だった。


 唯一、第2秘書官のアウラだけが苦笑いに留めた。


「……でゅっふ」


 屈辱中の屈辱。絶対にぶち殺すと、ブュギョーナは心に誓った。そんな中、唯一心の底から笑っていたエヴィルダース皇太子が笑顔で話し始める。


「ははははは……あー、笑った。いや、すまないな、ブュギョーナ。まさか、これほど爵位の低い者が、君ほどの男を小馬鹿にするなど珍しかったものだから」

「……あ、し、しかし! 私が小馬鹿にされたと言うことは、我が陣営が小馬鹿にされたのと同義でーー」

「違うだろ?」


 エヴィルダース皇太子が瞬時に冷たい声を出す。


「……でゅ、でゅふ?」

「君が小馬鹿にされたのは、あくまで君が小馬鹿にされただけであって、の陣営がされたわけではない。そうだろう?」

「あ……あ、はい。失礼しました。その通りです。馬鹿にされたのは偏に私であって、エヴィルダース皇太子殿下とは、なんら関係のないことでございます!」


 ブュギョーナは全力で土下座した。そうだった。エヴィルダース皇太子は面子を非常に重んじる。低爵位の者に自分がバカにされたなんてこと自体、あってはならないことなのだ。


「しかし、ブュギョーナ。非常に大事なの秘書官個人を小馬鹿にするなど、許されないことだ。まあ、残念ではあるが、人材は他にもいる。この男の登用はあきらめることとしようか」

「は、はい! もったいなきお言葉」


 額に地を擦り付けながら叫ぶ。


 そして。


 会合後、ブュギョーナは、ブチブチとつぶやきながら廊下を闊歩した。


「あ、ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す。ぶち殺す」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 気持の強い表現として何度もくどい程に、同じ言葉を繰り返す事を度々使っていますが、あまり意味をなさないと個人的には思えますが。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ