表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/16

2-6

 なるほど。私は、どこかの学園に通っていて、剣術が上手な女生徒という設定らしい。

 勇姿と言うからには、女剣士並みに強いのか。


 このゲームを作った女神フレイヤが、ストーリーも設定も説明してくれていないので、登場人物の言葉や、周りの状況から把握していく必要があるが、情報を入手してから、それに合わせて話をしなければいけないので、結構きつい。


 まずは、自分がどの程度強いのかの情報収集から。


「あんな恥ずかしい姿を、ここでご覧に入れるのは――」

「とんでもない。学年一の成績を収めた方が、ご謙遜を」


 それは、かなり強そう。

 (プレーヤー)のレベルを無視した設定ですけど。


 なんて言葉を返そうかと思っていると、玄関の扉が開いて、執事服を着た二人の若い男が木剣を持って現れた。

 形は、幅が広い剣。確か、ブロードソードとかいうやつ。

 木製とはいえ、なんだか、格好いい。


 二人は、私とエドワードへ、一礼して、木剣をうやうやしく渡すと、すすっと下がっていった。


 でも、私の今の格好って……。


「ちょっと、ヘラルド」

「はい、お嬢様」

「ドレスを着たまま、ここで手合わせをやる私を見て、なんとも思わないのかしら?」

「はい。いつものことでございますから」


 私は、めまいで倒れそうになった。

 クララは、ドレスを着たまま、剣を振るう人物で通っているらしい。


 まあ、確かに、ゲームで、ドレス姿の可愛いキャラが、剣で戦っていることがありますが。


 でも、絶対、動きにくいって、この格好。

 今ちょっとスカートを中から足で蹴ってみたのでわかるけれど、めっちゃ大変よ。

 観ている人は、格好いい、憧れる、萌えーって思っているでしょうが。


 制服のスカートが、アニメとかで、紙みたいにヒラヒラ舞っているけれど、実際の生地は厚いの。重いの。

 このドレスだって、生地は厚いし、制服の何倍も重いし。


「さあ、クララ様。手加減無用です」

「…………」


 いきなり、絶体絶命に追い込まれた気分。

 心臓バクバク。


 ええい、どうにでもなれ!


 私は、木剣を構えた。いつもやっていた、VRゲームのキャラのように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=854668148&size=88 ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ