婚約破棄〜ゴクドーフレーバーを添えて〜
ガラ悪し、暴言あり、ですので閲覧にはお気を付けて
語句があってるかどうかに対しては自信ありません
ルビはほぼニュアンスでつけてます
お目こぼし下さい(汗)
今日は私の誕生日パーティーだ
だが、婚約者が雌猫ぶら下げてやって来た
「俺王太子シモーヴェ・ゲイヴォーグは、カシラージャ皇国第6皇女カミーラとの婚約を破棄し、聖女ヒメノンと新たに婚約する!隣国皇女とはいえ、聖女を苛めその命を脅かすような女を妃に迎える訳にはいかん!!即刻国に帰れっ!!!」
(ほーぅ、いきなりいきりよったでコイツ)
それにしては罪の軽さもだがお優しい事だ
ウチなら更にぼったくり感覚で罪状上乗せしてくるのにねぇ
私はアルカイックスマイルを保ったまま答える
「私は聖女様を苛めてもいませんし、聖女様の命を脅かすような事もしておりません」
(1つ魂取るぐらいでいきんなや)
ゲイヴォーグに来る前も今までも皇国内での王位継承権のイザコザで下位ながら命は常に脅かされていたし、此方に逃げてきた訳でもない
まぁ彼らに見えない範囲でどちらかが生き死にしてるだけだ
既に両手で数えられる位には埋まっている
秘密裏に
「聖女関連の罪?に関しては否定致します」
「が、婚約破棄については了承致します」
(もういいでしょ?
婚約破棄してくる奴らに嘗められるのには容赦出来ん
玉座をみてみると青ざめる王を、私と歳の離れた又従姉妹である王妃が睨みつけている
因みにシモーヴェは側室腹で、王妃の息子は戦場にて喪われたらしく、頭の悪い方しか残ってなかったというしかない
(王妃の温情で今までのほほんと暮らせ取ったのに頭の痛いこっちゃで……
私は深呼吸をして息を吐く
「宗主国に国任された属国の癖して、何やってくれとんのやゲイヴォーグ!!!」
ついカシラージャ語が出てきてしまった
「アタシらに敵意向けるとは命取られる覚悟はあるんやろなぁ?アァン?」
「それにそこの聖女はアタシが魂取らんでも、シモーヴェの従者の婚約者が殺るやろから放置してただけじゃ!!」
「そんな酷いっ!!皆は私に優しくしてくれただけなのにぃ~」
(イラッ)
「酷いんはお前じゃ!!
ツレのおる男にコナかけよってからに何ほざいとんじゃ!
人のツレをベッタベタとチチクリあうような聖女が何処におんねんっ、いやいたわソコに!
こんなビッチを聖女に据えた教会はどうなっとんねん博愛精神履き違えとんのか?!」
聖女ヒメノンが、なんの因果か庶民のぽっと出で持ち上げられ、監視を含めて王都学園に入学してきたらしい
そして監視対象から秘密の恋人になっていたらしく、多数の女生徒陣は良い顔をしていない
男子生徒はなんか付かず離れずな曖昧な挙動不審な動きをしている
「それに好いとる相手がおるんやったら1人にせえや、側室持てるのは王だけやっちゅーねん!」
「えーそんなの可笑しいですぅ、皆平等に愛し愛されしたいじゃないですかぁ」
お前のオープンシェアな恋愛性癖は聞いとらんぞ
「それにぃ、逆ハーにならないとぉ~アニキス様が出てこないんだもの~」
はっ?
アニキスは私の兄上ですけど?
カシラージャ皇太子なんですけど?
っていうか兄には相思相愛比翼連理の婚約者がいらっしゃるのだが!?
その後も聖女はヒロインが~悪役令嬢が~バグってる運営仕事しろだの訳の解らん事をブツクサ喋りだす
なにこの子怖い
でも静かになった所で仕切り直しをする
「姐上に申し上げます、今までのお勤めお疲れ様でした」
王妃が扇子を顔に翳しつつ頷く
「宗主国には話を通しております」
「ゲイヴォーグはアタシが〆させていただきます」
「カシラージャ皇国とゲイヴォーグ王国との婚姻の契約違反により、婚約破棄時に置ける処罰を実行致します」
私はアンチマジックエリアを展開する
この場にいるものに対し<威圧>する
カシラージャ皇国では、魔法とは違う呪術というか獣や魔物らが発する<>と似た力を持っている
ちょっと睨み上げただけで、男衆は膝をつき、女性陣は気を失った
更に<覇気>を強くするとほぼぼぼ立ってられないのか人々の林が更地同然になり皆踞っている
王妃だけがスクッと席を立ち指輪と王冠を王に投げつけた
「私、アネサンジャはゲイヴォーグ王と離婚離縁致します!!!」
彼女も私と同じく<怒気>を王に放ち、王はガクリと失神したようだ
自分の息子を蔑ろにされ、あろうことか他人である子供を王太子に据えてしまった
そう、他人である
側妃による今回のようなイザコザがあったというのは知っていた
側妃は王に似た髪色の下級騎士と出来てていた
下級騎士といっても王が王子であった頃の側近…いや元側近の騎士崩れとなった男ではあったが
2世代に渡りなにこのデジャヴ
この国呪われてるんだろうか
と話は逸れたが、彼らが倒れてる間にカシラージャから連れてきた護衛達に彼らを捕縛させていく
「カシラージャではね、一度は国外に出されるの尖兵として旗挙げてこいってね」
「あぁ、面白い話をしてあげますわね?そこな女の力が顕現したその日なのですが、私の入国時でしてね?」
そう、アタシはゲイヴォーグが私の可愛い国になるからと、色んな結界を張って差し上げたのだ
そして今、魔物の森側から轟音が鳴り響いている
「アタシの国にならないなら、結界なんていらないのよね、コストもあるし」
勿論民草に被害が出ない通路を敷いてある
結界と結界の区切りをつけて道をあけたのだ
が上から徐々に結界は解けてく
頭上からバッサバサと羽音とギャオォォンと唸り声が響く
「あら、中々速いお着きよね」
どうやらドラゴンがやってきたらしい
「此処まで許す気はなかったんだけどねぇ?」
ドラゴンは何度も王宮に体当りしている
天井に皹が入った時点で結界を張る
とうとうバリンと天井が崩れ落ちてくる
「羽虫がうるせぇよ」
崩れ落ちてくる瓦礫は反射結界にぶつかるとその勢いそのままにドラゴンへぶつかっていった
大きな欠片の幾つかがドラゴンにダメージを与えたらしくドラゴンも結界に落ちてくる
何度かバウンドを繰り返した後、ずれ落ちるように結界の丸みを伝いながら庭園へと落ちていった
「で、ゲイヴォーグはアタシが貰う事にする!」
まぁ婚約誓約書にも記載していた破棄後のケジメにも書いてある
「勿論アタシの国になったからは結界は張らせて貰うし、民草は護る
勿論魔物達の討伐もしてやるさ
が、王族お前らは駄目だ
元王妃は家族だから保護するが、王と側妃、王太子はその座を降りて貰う
後、もうわかっただろうけどお飾り聖女とケツ持ちした教会も潰させて貰う」
覇気を強めつつ
「ハイか是だ、簡単な事だろう?」
未だ踞る彼らを見下ろし
「宗主国は潰して更地にしていい、といってきた
此処で動けないお前らがアタシらと戦うというのなら受けてやろう
なぁに魂の個数の違いだけだ、」
彼らは答えない
「では無言を是とさせて貰おう、この国は終わりだ」
そして属国ゲイヴォーグは潰えた
因みに魔物達のルートは結界と結界の間に挟まれ潰され、見てしまった民らにちょっとしたトラウマを植え付けてしまった
結界の圧縮圧殺便利なんだもの……
王族と聖女、教会、そして彼らと懇ろにしてた奴らだが、逃げ出せぬ結界を張った強制労働所に送り込んだ
聖女はとばっちりかも知れないが人のツレにコナかけてる時点でアウトだし、悪歴としてゲイヴォーグが潰れた切っ掛けの悪女として名を連ねて貰った
まぁ兄にコナかける気満々なのも怖かったし、後続は作っちゃいけない
そして私は元ゲイヴォーグ、新生ジンギージャの初代女王として就任した
また元王妃であるアネサンジャ様が後見人として知恵をお貸ししただけるということで仲良くさせていただいている
その後、カシラージャと逆の隣国に赴いていた第一王子の生存が確認された
自分の国を潰された事に関しては、自分の父や弟らに思うところあったらしく、粛々と結果を受け入れた
尚、元王妃の嘆願もあり、平民となったが、数ヶ月後には武功からどんどん出世と爵位を得て、私もそんな彼に絆された
チョロいっていうなっ!!
毎回口説かれるし、姐御からプレゼンされるし、なんか変な本や劇が出てきたりで、外堀を埋められてしまった
あぁ楽園は何処だ!!!
囲われて檻の中……
仏の顔も三度まで……
1つ目は、ゲイヴォーグがカシラージャに喧嘩吹っ掛け負けて属国に
2つ目は、王世代のヒロインの側妃エンド云々
3つ目の今回の婚約破棄……
ゲイヴォーグ……ゲボクから
カシラージャ……カシラから
シモーヴェ……しもべから
ジンギージャ……仁義から
ヒメノンは、頭悪そうな発情ネコということで、女狐表記してません
女狐はきっと頭良さそう……
聖女とされたのは先見(乙女ゲーの進行理解)の力があったから持ち上げられただけで癒しの力はない
側妃は明確な知識はなくただただ此処が乙女ゲーなら逆ハーいけんじゃね?といきっただけのゾクブツでした
頭の悪いお話にお付き合いいただきありがとうございました。(平伏)