義務
「ユリウス……なぜここにいるのだ?」
ユリウスに尋ねた声はどこか聞き覚えのある声だった。
「その声は…クレトス兄さん!!兄さんこそなぜここに?」
「お前を抹殺しに来た。」
声が震えているとユリウスは思った。
「なぜ…なぜ兄さんがこの私を…」
「兄上の命令だ。ここで死んでもらうぞユリウスッ!!」
クレトスは剣を構えるとユリウスめがけて振り下ろした。
剣はユリウスの鎧の肩の部分をかすめたが傷はつかなかった。
「にい………さん?」
「ユリウスは死んだ。報告に戻る。最後に言っておく……ユリウス、お前は生き続けろ。そしてステイルを倒すんだ。次ぎ会うときは生きて会おう。」
とクレトスはユリウスに背中を向けて歩きながらそう言った。
「兄さん……」
ユリウスたちは地下水路を抜け城下町に出た。
「リバスト、どこにいけばいいと思う?」
ユリウスはリバストに尋ねた。
「エリクスの町なんてどうでしょうか?まああそこには海賊がいるみたいですけどね…」
「エリクスか……行ってみるか。」
一方、ステイル達の方はというと……
執務室にてステイルとクレトスは語り合っていた。
いや語り合っていたというより尋問を受けていたのほうが正しいだろう。
豪華な純白の服を着た者、ステイルと漆黒の鎧を身に纏ったクレトス。
二人は部屋のカーテンを閉め、扉に厳重に鍵を閉めた。
「ユリウスは消せたか?クレトスよ……」
「はい。ユリウスはこの私が始末しました。」
「クレトス、次は大臣を殺れ…」
「なぜ大臣を?あの人は何も悪くない。なのにどうして?どうして!!」
「お前の義務は何だ?私の障害を消すことだろ?それができぬのなら私がお前を消してもいいのだぞ?」
「義務………わかりました。やって見せます。」
港町エリクス…………
「子分共!!帝国のやつらが来たぜ!全力で迎え撃つぞ!!」
―海賊たちの町エリクス。ユリウス達の向かう先に待ち受ける者とは?
そして今。強大な軍事力を誇る帝国が動き出した…………
「全国民に告ぐ!!我々アヴァラルド帝国は現時点を持ってアレークス大陸侵攻作戦を開始する!!。」
アレークス大陸、それはレギウス、ルーネルがある大陸。即ちユリウス達がいる大陸………
ユリウスは戦渦に巻き込まれることになる……
この小説はゲームのシナリオとして考えていたものを
小説にしたものです。
お暇な方がいればご自由にゲーム化していただいて結構です。(まあ、そんな人いないと思いますが……)
そのときはご連絡ください。