序章
―探求、理想、行動、真理、混迷…
所持するものに力を与えるというオーブ。
このオーブを巡り太古から戦が繰り広げられてきた。
これから語られる物語は長く歴史の闇に葬られてきた
歴史の真実である…………
A.W.500
レギウス王国 玉座の間
「父上!!ルーネル王国へ騎士団の派遣を決定したとはまことですか?」
この少年ユリウス・コートネルはレギウス王国第3王子であり、この物語の主人公、
そして伝説に残る英雄ユリウスである。
心優しき少年であるユリウスはこの戦いには反対であった。
しかしあることがきっかけでこの大戦において騎士団を率い、
戦場に立たねばならなかったのである。
「まことじゃ。やつらは国境付近のアス山地に眠る何かを狙い騎士団を派遣しておる。
あそこはわが国の領土であるというのにな。」
ユリウスの問いに答えたはレギウス国王リードン3世、ユリウスの父親である。
「国王陛下、ステイル王子が参りました。」
兵士が頭を下げながら報告した。
「父上、今日は天気がよろしいですな。」
「何用じゃ!!」
「ああ、今回の作戦ですが私に指揮官をさせていただけませんかな。」
「ならぬ!!今回の作戦指揮はユリウスと決めておる!!」
そこまで聞くとステイルは黙って部屋を後にした。
「父上、何故私を指揮官に…」
ユリウスは不思議そうに尋ねた。
「いずれ話そう。」
このことがきっかけでユリウスは戦場に立つ事になったのだった。