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私のこと本当に好きなの?〜嫉妬編〜

作者: 七色

神崎猛視点です。5/29少し編集しました。

作者は、豆腐メンタル持ちです。よろしくお願い致します。

柳田玲奈と付き合い始めて1週間。


俺、神崎猛は幸せだった。


玲奈からの熱い視線を授業中や休み時間に感じるのだ。

これがカレカノかぁー、と感動する。

幼稚園からの付き合いだが、こんなことは初めてで、

意識してもらえる喜びをニマニマと噛み締めていた。

もちろん、表情には出さないが、、。


しかし、カレカノになっても悩みは消えなかった。

翔太は、俺と玲奈が付き合い初めても、

玲奈に対する態度が悔しいほど何も変わらなかったからだ。

俺が我慢の限界に達し、クラスで玲奈に公開告白をしてしまったのは、翔太がアイツがいたからだった。


松井翔太。

身長170cm、サラサラの黒髪に銀縁メガネ。

成績優秀で話題が豊富。

クラスでもかなりの人気者だ。


高校に入学し、アイツが俺たちと同じクラスになった。

しかも最初の席順では、玲奈と翔太が前後の席に。

それから俺は、胃が締め付けられる日々が続いた。


玲奈が翔太に笑いかけるのを見るとイライラするし、

玲奈が翔太とハイタッチしていたのを見た時は、

正直、玲奈に対して怒りがこみ上げてきた。


ねぇ、玲奈、、何やってんだよ?


って二人の会話に割り込んで翔太の嫌な部分をぶちまけて、いや、玲奈は俺のものだ!と宣言して彼女にしてしまおう!と考えたこともあった。前半部分は実行しなかったが、後半部分は実行してしまった、、、。それに関しては、

後でちゃんと謝ったから、どうか許してほしい、、と思う。


玲奈が俺を異性として意識していないと感じていた頃の

俺は、ずっと、ただ一番近くにいれればいいと思っていた。

実際、玲奈の隣にはずっと、俺がいた。


俺に対して恋愛感情が出てきてくれるのを、ゆっくり時間をかけて、もちろん幼馴染以上のアピールをしながら

見守るつもりだった。

できると思っていた。玲奈の気持ちが俺にくるのを待つと、

勝手に決めていた俺は、本当に馬鹿だったんだ。




「柳田さん、昨日の深夜アニメみた?」

「松井くん、もちろん見たよ〜!主題歌がまさかのkeyさんで

びっくりした」

「あ〜それね!歌詞もすごくアニメに合ってるよ」

「ほんと?まだじっくり聞いてないから歌詞も読んでみるね」


なーんて会話が休み時間に繰り広げられている。

実に楽しそうだ。

俺の席が玲奈の隣の隣。

そこまで離れていないせいか、

聞きたくなくてもスルリと耳に入ってくる。


「それより、柳田さん。猛と付き合い初めてどう?」

「どうって?え、、上手くいってると思う、、よ?」

「ふーん。あ、柳田さん、髪に何かついてるよ?」

「どこ?」

「ここ、ほら、取れた」

「松井くん、ありがとう」

「全然いいよ。それより、何かあったら相談乗るから!」

「相談?ありが、、え?、、、あれ?たけ、、」


玲奈が何か返事をする前に会話に割り込む。

さっきのやり取りも、まるで付き合ってるみたいだ。

俺が、彼氏なのに、、、。


「相談?何の相談だよ!何かあるなら俺に言えばいい!!」


油断も隙もあったもんじゃない!

アイツは、なぜか余裕だ!今も不敵な笑みを浮かべている。

マジで腹立つ!!


思った以上に強い口調になってしまったが、どーでもいい。

ずっと玲奈だけを見てきたんだ。離すつもりはない!


俺は玲奈の手首を掴むと教室の外へ出た。


教室を出てすぐ横の階段を上がっていく。一つ上の4階には、音楽室や、科学室などがあり授業で使われていない時は、わりと静かだったりする。4階に辿りついた時、周りは誰もいなかった。


俺は、玲奈をなるべく優しく

コンクリートの壁に押しつける。

俺の右手は、拳を握りこんだまま玲奈の顔の横に置いた。

俺は、玲奈の顔を上から覗き込んだ。

玲奈は、泣きそうな顔をしていた。

それを見た瞬間、俺は、、、っ。

バカな事をした、、と頭では分かった。でも、止められなかった。ごめん、玲奈。俺に好かれてマジでごめん。

俺は、言葉をかけようと口を開く。

うまく、、声が出ない。

喉をつまらせたような声で気持ちを口に出す。


「玲奈、、嫌だ、、」

「、、、、、」

「っ、、翔太と仲良くしないで、、」

「猛、、、」


玲奈が唾を飲み込んだのが分かった。


「玲奈、、頼む」


俺は、感情のまま吐き出した。ただ、不安で、怖かった。

玲奈の隣は、俺の場所だから。

誰にも渡したくないし、譲るつもりもない。


「玲奈、一つお願いがある。」


俺は、ゆっくりと息を吐き玲奈に向かって口を開く。


「1日1回は、好きだと、、俺が好きだと言ってほしい」

俺は、玲奈に向けて無理に笑ってみせた。




「猛が好きだよ。大好きだよ」




玲奈が背伸びをしながら両手を俺の首に

ふわりと絡ませてくる。

俺は、自然と玲奈をゆっくりと抱きしめた。


「馬鹿だなぁ猛は、、」

と、泣き笑いの声が俺の耳に届く、、、。


「俺も、、俺も馬鹿だと思う。自分じゃないみたいに抑えがきかないし、本当は翔太と話したっていいんだ。話さないなんて同じクラスでありえないから。ただ、不安だからあの願いだけは、玲奈に、頼みたい。玲奈にしか、、頼めない!」


「うん、言うよ。毎日、、必ず」

ポツリと玲奈の言葉が落とされる。


俺の中にあったドス黒い感情が溶け出し、抱きしめている玲奈の温もりと共に安堵感が押し寄せてくる。


俺の首に絡ませていた手がゆっくりと解かれて

玲奈の顔が上を向く。


そこには、満面に微笑みを浮かべる俺の彼女がいた。







可愛すぎて死にそうだ、、

なんて口に出せる訳もなく、、。


俺はやっぱり玲奈じゃないと駄目なんだと思った。


ありがとうございました。

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