4/4
新横浜
新幹線
神谷と刑務官が並んで座っている。
神谷は窓側に座り、車窓から
景色を見ていた。
新幹線は名古屋で一時停止し、新横浜に向かった。
二人とも、無言で刑務官はいびきをかいている。
神谷も眼をつぶり、瞑想していた。
「まもなく、新横浜です」のアナウンスで二人とも、眼を開けた。
「さあ、行きましょうか」刑務官の声で神谷は立ち上がり、二人はデッキに向かう。
やがて、新横浜に着き、二人はホームに立った。
改札口に着くと刑務官は神谷の手錠を外し、「では私はここで」と言い、立ち去った。
神谷は改札口を出て、階段を降り、駅前に出た。
停まっているジープから運転席の男が声をかける。
「先生。お待ちしてましたよ。さあ乗って下さい」
神谷はジープに乗り込んだ。