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ゴブリンとの遭遇4

ボロ本に道案内をしてもらい洞窟のような場所を上へ上へとあがっていく。

さっきの女性たちも少し遅れてだがちゃんとついてこれてるようだ。

さすがにゴブリンに出会わないといいうことはなく2,3匹がセットで歩き回っている。

後ろのエルフ達の邪魔にならないよう一撃で仕留め脇に死体をとばす。

だか妙な感じがする・・・明らかに遭遇する数が少ない。

ここは奴らの巣でこの数はおかしい。

(どうやら待ち伏せされてるみたいじゃのぉ)

外に出る唯一の入り口の前でゴブリン達が構えていた。

さすがに・・・バレずに逃げ出すことは無理だな。

だがこれだけ広い入口ならどこかスペースさえ作れば・・・

「私がスペースを作ります。そのかわりこの子たちを逃がしてください。」

エルフは後ろの子達の前に立ちお願いをしてきたが・・・

おの数だ。ひとりでは無理だ。それをするなら「俺がスペースを作る。だからお前たちはその隙に逃げろ。絶対に振り替えるな。死に物狂いで逃げろ。あんたが皆を引っ張っていけ。」

(かっこいいのぉーよし、我も一緒に逃げると)

「おまえは逃げるなよ。」

こいつはどうせ死なないだろう。こんなやつでも知識として一緒にいてくれた方が助かる。

(素直に頼めんのか・・・まぁこのままやってものぉ・・・そうじゃ、あれを使うとするか！)

「おい、あれってなんだ」

嫌な予感がするが、それにすがらないと逃げれないだろう・・・

なんで俺ばっかこんな目に・・・

(お主に限界解除(リミッター・ブレイク)の魔法をかける。今の様子なら、まぁ5分はもつじゃろ。そのうちにスペースを作って逃げ切れば勝ちじゃのぉ。もし5分きったら・・・)

聞きたくない。

どうせろくなことは起きない。

おい、今すぐかけろ。こっちに気づかれる前に特攻する。

(せっかちな男はモテんぞ・・・＜＜限界解除(リミッター・ブレイク)＞＞)

俺の身体に黄色の光が帯び、奥底から力が湧いてくる。

今ならなんでもできそうだ。

(早くせんと効果がきれるぞ。ほれ、残り290秒じゃ)

「チッ・・・おい、右にスペースを作る。隙をみて逃げろ！」

俺は勢いよく飛び出し、右にスペースをつくるためゴブリンの群れにむかい先ほど拾った棍棒で叩きかかる

ゴンッ、っと音を立ててゴブリンが血を撒き散らしながら壁へ吹っ飛んでいく。

「グギャッ！」

「グギャッギャッ！」

音に気づき一気に他のゴブリンも襲ってきた。

次から次へと棍棒で叩きつけ壊れれば武器を奪いまた叩きつける

＝＝＝＝＝

残り220秒

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ようやく少しスペースができた

「今だ！さっさといけっ！」

エルフ達は合図とともに飛び出し、俺の後ろをかけていく。

皆、必死に逃げる。

よし、俺も今のうちに。最後の子を追うように洞窟から飛び出した。

外は日の光が眩しく、目が慣れない。

「グギャ！」

後ろから襲い掛かって来たゴブリンを殴りとばす。

目が慣れなくてもこれだけ戦えば何となく気配が少し分かるような気がする。ゴブリンだけだが・・・

前を見ると先にいったエルフ達が怯えて膝をつけている。

そう簡単にはいかないよな・・・

(どうする気じゃ・・・)

もう時間はない、一気に行く！

俺は落ちている棍棒を拾い

「くたばれ！ゴブリンジェネラル！」

ガキンッ！

棍棒が折れる。

「オマエおもしろいな。玩具にしてやる」

ゴブリンジェネラルは醜悪な笑みをうかべ襲いかかってきた。

でかい図体の割に体の動きが早い。

それに的確に急所を少し外して狙ってくる。

一撃でもくらえば動けないだろ・・・そのあとは考えたくもない。

残り200秒ってとこか・・・

＜＜ス(・)ロ(・)ウ(・)＞＞

聞きなれない言葉が聞こえたと思えばゴブリンジェネラルの動きが少し遅くなる。

おかげで今なら反撃できる！

相手の攻撃にあわせ左目を殴りつける。

「ぐっ・・・」

ゴブリンジェネラルは目を抉られ後ろにふらつく。

「玩具のくせに裏切りやがったな！」

ゴブリンジェネラルが叫んだ先には最初に出会ったハーフエルフがいた。

「最後…少しでもチカラになりたい…」

ジェネラルは雄たけびをあげハーフエルフへ一気に距離をつめ殴り掛かる。

俺は間に入ろうとするが・・・間にあわない・・・

グチャ・・・

抉り飛ばしたような音がなる。

「どうシテ・・・わたしナンか・・・わたしもアイツらとオナジ・・・」

「いいえ、違うわ。あなたは私の娘よ。」

エルフはそっとハーフエルフの頬に抉られてない半身。右手を頬に手を当てる。

「邪魔な事をしよって。直ぐに一緒に「お前がな！」」

俺は隙だらけのジェネラルの背中を蹴り飛ばした。

「おい、今は逃げろ！あいつは直ぐに戻ってくる！ボロ本！こいつら全員連れて逃げろ！」

(どういう風のふきまわしじゃ。まぁよいが・・・残り時間はあとわずかじゃぞ)

「わかっている。それに最終手段もある。」

(ほぉ気付いたのか・・・まぁ使うなら時間切れ前にしろ。そうすれば効果は倍じゃ)

いやになる・・・こんなつもりはなかったが・・・

多分それしかないだろう。限界解除(リミッター・ブレイク)の最終技・・・

「早く行け！」

(仕方ないのぉ。我の力で連れていく。)

ハーフエルフと他の子たちの体が、俺が無理やり動かされたときと同じように首根っこを掴まれる感じでゴブリン達と反対の方向へ消えていった。

「オマエ、殺す！」

どうやらジェネラルが戻ってきたようだ。

そこからは一方的だった。

いたぶるように殴り飛ばされ。

口の中から色々なものが飛び散る。

「もう飽きた。オマエ殺す！アイツら追いかける！」

＝＝＝＝＝

残り10秒

＝＝＝＝＝

「はっはっはっ・・・やっぱり残る手段は一つだけ・・・か・・・」

呟くと共に、心臓に、胸の中心に魔力のような流れを集める。

どうせ殺されるならせめて土産ぐらいは残さないとな。それにせっかく先に逃がしたのに

コイツをこのままほっとけばきっと・・・だからこそ、俺は覚悟を決めた。

無駄に終わるかもしれない。だが、無傷では終わらないだろう。

アイツがくれた時間はまだあるか・・・残りをすべてこれにかける！

強い光がアルスの身体を覆い、どんどんと体の中心に光が集まり

「道連れだ・・・命爆(ライフプロージョン)」

「ぐっ！！」

ドゴンッーーー！！！！！

「グギャッーーー・・・」

大きな爆発音と共に周囲の木を地面ごとえぐり大きなクレーターが出来上がった。

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