プロローグ
「あれ?ここどこだ?・・・って夢の中か。それにしても感覚が現実みたいだなー。さっき読んでた漫画みたいだな」
漫画喫茶で読んでいた異世界物の漫画のような展開であった。
起きたら森の中・・・でも俺は事故もしてない。
それに今日は始発までの数時間の為に漫画喫茶に来ており、寝落ちした記憶はある。
ここでおなじみのステータスオープンと叫びたいところだが
もし寝言として漏れてしまえば・・・地獄だ!!
個室ブースであっても上はあいている。
隣接するブースに丸聞こえ・・・
俺はまだ色々と失いたくないのだ!!
(おい・・・先ほどから何ブツブツ言っている。ここは夢ではないぞ)
「うん?誰かいるのか?って夢の中でそんなクリアに会話できないか」
(お主、まだ信じてないのか?これは夢の中ではないぞ)
「いやいや、夢のなかでしょ!ってかさっきから・・・誰かいるのか?って聞くのもおかしいか」
周囲を見渡しても誰もいない。
あるのは木だけ。
木の実がなっている木もある。
(おい、下を見ろ!いいから下を見ろ!)
なんか偉そうな声が頭の中に響く。
こんな夢見たくないんですけど…
どうせ見るなら、あんな夢や・・・こんな夢・・・
(ニヤニヤして気持ち悪いぞ!!いいから下を見ろ!)
なんやねんコイツ!
俺の夢の中で偉そうに・・・それに下を見ろって・・・
足元を見るとボロボロの分厚い本が落ちていた。
(誰がボロボロだ!わけ合って今はボロボロなだけだ!早く手に取れ!)
ボロボロの本が喋ってる・・・ああ、夢かこれは。
(だから夢ではないと言ってるだろ!取りあえず我を拾え!)
凄く拾いたくない・・・なんかこれを拾ったら終わりな気がする・・・
(おい、その余裕も今のうちじゃぞ。ほれ、自分の体を見てみろ。段々薄くなってきているだろ。我を拾わなければそのまま消えてなくなるぞ。)
頭の中に響く声。この本は嬉しそうに言ってくる。
ふと体を見ると、確かに透けてきている。
透過率70%といったところだ。
血管や骨が見やすく・・・ってなんで透けてんの!!夢でしょ!!止まれ!俺の夢ならとまれ!!
(止まらんぞ。これは夢ではないからな。早く我を拾わんと存在が消えるぞ。)
存在ってなんだ?
本当に夢ではない?
ボロボロの本を拾わないと終わり?
いやいや、意味が分からない。
そんな疑問を無視するようにだんだんと体が透けていく。
くそっ!もうどうとでもなれ!どうせ夢だ!
俺はボロボロの本を手に取った。